工大生のメモ帳

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神達に拾われた男2 感想

【前:第一巻】【第一巻】【次:第三巻

※ネタバレをしないように書いています。

スライム研究に明け暮れて

情報

作者:Roy

イラスト:りりんら

ざっくりあらすじ

街を襲うゴブリンの群れと戦ったり、大人に因縁をつけられて襲われるスラムから来た子供冒険者を助けつつ、彼の周囲には自然と人が増えていく。そしてスライム研究の成果を元手に、依頼や商売と幅広く手を出していく竹林竜馬。年齢に見合わないその手腕に、周囲は驚きつつも快く救いの手を差し伸べてくれるようになっていた。

感想などなど

第一巻では色々なことがありましたね。森で出会った偉い人に拾われて、そこからギルドに加わって、冒険者としての仕事として掃除をしていたら、そこがとんでもない病原体の温床だったと分かって、そこからスラムの人達への仕事を斡旋していた管理者達が悪いことをしていると分かったり。社会人としての報連相も欠かさない辺りポイントが高い。

スライムの研究も地味なようで、とんでもない成果を上げています。水を弾く生地の作成や、スライムの生態について世紀の大発見に始まり、スカベンジャースライムの清掃能力はとても助かります。一家に一匹是非とも欲しい。

第二巻でもそのノリは変わらず、(前世の知識を生かしつつの)スライム研究の成果と、(11歳とは思えないような)社会人スキルの高さが遺憾なく発揮されていきます。

 

第二巻においては、主にスライムを用いた戦闘面に関する描写が主と言って良いでしょう。ゲームにおいて雑魚中の雑魚とされがちなスライムの立ち位置は、この世界においても変わっておらず、とても弱いモンスターであるようでした。

その理由は『目立ったスキルを持っていない』『爪や牙といった武器を持っていない』『弱点である核が外から丸見え』『お世辞にも知能が高くない』『柔らかい』というように、あまりに戦闘に向いていない特徴の目白押しだったからです。弱肉強食の世界でよくもまぁ、生き残って来ましたね……といった感想すら抱いてしまいます。

しかし、竜馬の従属したスライム達は違います。

まず『目立ったスキルを持っていない』に関してでありますが、彼のスライムにはポイズンスライムやアシッドスライムといったように地味ですが強力なスキルを持っていました。ポイズンスライムなんて一体何人を死に追いやったか。

『爪や牙といった武器を持っていない』に関しても、竜馬が槍などをスライム達に与え、戦い方というものを教えてしまったため、弱点が克服されてしまいました。なんということを。

『弱点である核が外から丸見え』というのは、核を移動させて攻撃を避けさせるという対策を教え込んでいます。弱点が移動するボスとか、面倒くさいですからね。

『お世辞にも知能が高くない』という点に関しては、竜馬というブレインを得たことで解決しています。アシッドスライムに酸を吐かせて、落とし穴の中に溜め込んでおくという描写があるのですが、なかなかにえげつないですよ。

『柔らかい』というのは……まぁ、うん。頑張って、スライム諸君。

 

主人公が転生によりチート能力を得た作品が多い中で、本作は、転生前の社畜精神によりスライム研究が捗りすぎてチートみたいになっちゃったという感じになっています。それに加え、前世で父に武術を仕込まれるという経験も付け加わり、冒険者のために生まれて来たような男という印象を受けてしまいます。

ときおり挟まれる彼の死んだ後、現世ではどのようになっているのかも描かれていきます。それを見る限り、彼の戦闘力も生かされることがなく、その他対人能力も、コネ入社したヤバい奴によってあまり生かされていなかった節があります。

人は環境によっても有能無能の差が出てきてしまうんだな……と考えてしまう今日この頃でした。

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