工大生のメモ帳

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神達に拾われた男6 感想

【前:第五巻】【第一巻】【次:第七巻
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※ネタバレをしないように書いています。

スライム研究に明け暮れて

情報

作者:Roy

イラスト:りりんら

ざっくりあらすじ

“毒虫の原”での野営教習も二日目に突入し、環境の改善や食料の確保に精を出していたリョウマ。そんな中、武具の扱いを見せるために教官同士の模擬戦が企画され、リョウマも弓で参加することに。

感想などなど

これまでリョウマは十一歳とは思えないような商業・戦闘において多種多様な活躍をしてきた。それは現代から転生して来たが故の知識の差と、成熟しすぎた精神年齢によるものだということを知っているのは、読者と作中の神くらいなものだろう。

この第六巻では『十一歳とは思えぬ有能さ』が引き起こす人間関係というものに焦点が当てられている。これまでブラック企業に勤め、人間関係といえば会社での上司と部下くらいのものだった彼にとって、十一歳として過ごすことは難儀なようだ。

まぁ、これまで彼は上手くやって来た……が、良く思い返して欲しい。彼と友好関係を結んでいる者達の顔を。あれ……同年代の子は? いないのでは?

中身おっさんだし、リョウマは一人で生きていく能力は過剰にある男である。同年代の仲間が必要かと言われれば、はっきりいって要らない。

この第六巻では本人にその意識はないだろうが、結果として、彼に対して良い印象を持つ者と、悪い印象を持つ者をふるいにかけたようになっていた。そうなってしまった理由を説明しよう。

 

第五巻の終盤から、リョウマは“毒虫の原”での野営教習に、教官として参加している。十一歳だが教官である。その時点で、若くして冒険者を志す者達からの注目というものは集めることとなる。

さらにリョウマは洗濯屋で金を稼ぎ、スライムで金を稼ぎ、トイレ清掃の一件も含めスラムの者達にはかなり名が知られている。彼に向けられる視線は羨望か、感謝か、はたまた恐怖か……読むと分かるが、その全ての視線が彼に向けられている。

さらに今回の教官同士の模擬戦。教官というだけあり、皆かなりの実力者だ。しかしリョウマはその中で、魔法も弓も体術も駆使した圧倒的実力というものを見せつけることとなる。

これまでリョウマのことは強いと思っていたが、ここまでとは……と思った者は自分だけではないのではないだろうか? 父親に鍛えられたとは言え、所詮は平和な日本での鍛錬。命を賭けて戦う冒険者達と対等どころか越えるレベルの力を見せつけることができるとは思っていなかった。それとも二年間の森籠もり生活が予想以上にヤバいものだったのだろうか?

という訳で、彼と同年代の冒険者との間にはさらなる壁ができることとなる。さらに教官の中には彼に対して様々な感情を向ける者が多数でてきたようだ。

 

そのことで対人戦闘に関しても、彼の能力の高さは認められ、『盗賊討伐』の依頼を受けることができるようになった。どうやら彼がいまいるDランクでは本来受けることはできないが、今後ランクを上げていく助けにもなるということで、ギルドマスターが正式に受けられるようにしてくれたようだ。

後半ではそんな盗賊と渡り合うエピソードが主になる訳だが、そこにおいて彼の対人戦闘能力というものはあまり役に立たない。なにせ敵がアホで、スライムが万能過ぎた。六千匹という数は伊達ではない。またメタルスライムなどの多様な種類も大いに役に立つ。

これまでの金稼ぎスローライフから、冒険者として外へ赴く第一歩のような話だったと思う。今後、彼は仲間を作ることができるのか? 冒険者としてシュルス大樹海へ行くことができるのか?

期待が高まる。

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