工大生のメモ帳

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神達に拾われた男7 感想

【前:第六巻】【第一巻】【次:第八巻
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※ネタバレをしないように書いています。

スライム研究に明け暮れて

情報

作者:Roy

イラスト:りりんら

ざっくりあらすじ

護衛としてフェイを引き連れて、ジャミール家に挨拶しにやって来たリョウマ。かつてお世話になったヒューズが、美人メイドのルルネーゼと結婚を発表したり、奴隷商に顔を出して護衛にもなる奴隷を購入しに行ったりと、日常は進んでいく。

感想などなど

毎度のことながら感想を書くのに困る作品である。この第七巻を通しての目的がなく、第七巻内で新たな問題が出現し解決しないまま先延ばしにしているような気がする。いや、確実に少しずつ物語が進んでいるような気もしないではないのだ。ただ本筋が迷子であるが故、どうにも頭がパンクしそうになる。

……今、この物語はどこへ向かっているのだろう? と。

スローライフというのは、いろいろなことに手を出しすぎてどっちつかずになってしまうのが宿命なのだろうか。この第七巻ではジャミール家に挨拶に伺い、そこでスライムの新たな発見――ブラッディスライムが血清を作ることができる――ことや、入浴剤を作って売れるかもしれないことなど、今後の商売や争いの種になりような情報というのが目白押しに押し寄せてくる。これらが今後どのように話をひっかきまわしてくれるのか、楽しみだがそうなるとさらに本筋が迷子になりようで頭を抱えることになる。

 

また犯罪者に雇用の機会を与えたい……というリョウマの考えを推し進めるよりも先に、奴隷をひとまず雇用してから段階を踏むべきではないか、という案を受け入れ、奴隷商へと向かったリョウマとラインハルトとモーガン(お世話になっている紹介のおじさん)一行。

奴隷商にてリョウマを出迎えたのは、オレスト・モールトンという切れ者である。この男がまた良いキャラをしているのだ。リョウマがスライムに向ける興味というものを、人に向けた場合はモールトンのようになる……という説明が作中ではなされている。

つまり異様なまでに人に興味を示し、徹底的に調べつくすようだ。リョウマも例外ではなく、リョウマに関して分かる情報は可能な限り集めているらしい。その一種の狂気とも呼ぶべき熱意は、リョウマがスライムに向けている感情と似ているような感じがしないでもない。

そんなヤベー奴ではあるが、奴隷商としての腕は確かなもので、リョウマの話を聞きつつ、リョウマにとってためになるような奴隷を選定して売りつける。その手腕は全てが終わった後でなければ理解できない。どこからどこまでがこいつの策略なのか、考えれば考えるほど分からなくなってしまう。

 

ちなみに奴隷商で購入した奴隷はオックス・ロード。片腕の剣士であり、借金のアレコレで奴隷になったらしい。詳しくは本編を読んで欲しいが、この男がまた良いキャラをしている。

片腕を失い、奴隷にその身を堕としたとしても、武の道を究めんと鍛錬を積み、高みを目指し続ける姿勢というものは、どんな作品であれどカッコイイものだ。そしてリョウマのもとに来るべくしてきたというのもまた運命的なものを感じる。

……まぁ、背後にはモールトンがいるかもしれないが。

……とにかく。リョウマにとって頼りになる仲間が増えた。第六巻では一匹オオカミである彼を心配するようなエピソードが多数盛り込まれていたが、彼は決して一人ではない。これから先もきっと大丈夫だろう。

ここまで書いておいてなんだが、本筋は何一つ進まなかった(というか本筋って何だっけ?)。第八巻ではどんな寄り道を見せてくれるのか、楽しみである。

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