工大生のメモ帳

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紅 ギロチン 感想

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます(一巻の感想はこちら→紅 感想 - 工大生のメモ帳

死にたがり共と殺したがり達。

情報

作者:片山憲太郎

イラスト:山本ヤマト

ざっくりあらすじ

紅真九郎は、悪宇商会から勧誘を受ける。一度は応じたものの、課題として出されたのは病弱な一人の少女の暗殺計画への参加。彼は断り、暗殺阻止へと動き出す。

感想などなど

さて、第一巻(紅 感想)では九鳳院家のシステム――近親相姦で後継ぎ産んでいく家系の中で、紫はそんなシステムに組み込まれている恋愛することを許されていない存在であることが分かりました。紫を無理矢理犯そうとする彼女の実兄に対して、殺意を抱いた読者もいるのではないでしょうか。

他にラノベで無理矢理犯す描写がある作品って「イリヤの空」くらいですかね……。

今回の冒頭も、女の子が老夫婦に監禁されるシーンから始まり、かなりエグい描写に会話が続いていきます。慣れてきてしまった自分が怖い……。

 

真九郎の努力のおかげで、システムから外されることが決まった紫は、普通に学校に通い、普通に友達もできて、一般人らしい生活を送ることができるようになりました。

主人公である紅真九郎も相変わらず。揉め事処理屋としての生活を送っていきます。

しかし、このままでは目標である柔沢紅香には一生手が届きません。何か、変化がなければ成長できることはないでしょう。

そんなことに悩んでいたある日舞い込む悪宇商会からの勧誘。立ち位置としては、揉め事処理屋を企業化した感じでしょうか。金さえ積まれれば何でもする何でも屋と言った方がいいかもしれません。

新人には任されないような大きな仕事も、そこに入れば任せて貰えるかも知れない。そんな期待を胸に、悪宇商会の誘いを一度は受ける真九郎。一応の試験的なやつをやるよ、と言われて言い渡された仕事は、病弱な少女の暗殺。真九郎としてはやりたくない仕事なので断りますが、悪宇商会からしてみれば自分達の仕事の情報をただで渡したようなものですし、失望もあったのでしょう。

交渉は決裂。無様に土下座させられて、なすすべなくズタボロにされて帰される真九郎。読んでいて辛いものがあります。

そんな彼にとっての心の支えとなっているのは、紫の存在です。彼女の裏表のない笑顔と言葉に救われています。

そんな彼女に「授業参観に来て欲しい」とお願いされ、ためらうことなく行くと返事する真九郎。互いに互いを求めていることが分かります。

そんな二人の関係……だからこそ、なのでしょう。始まりは些細なすれ違いであって、言葉が足りなかったのでしょうか。

亀裂が入るのも、避けられない運命だったのかも知れません。

 

二人の仲に亀裂が入り、意気消沈した状態で何となく病弱な少女・志具原理津の警護に入る真九郎。いつ死んでもおかしくない理津と言葉を交わし、彼女の過去を聞きます。

ここでちょっと考えなければいけないのは、「悪宇商会に誰かが理津を殺すように依頼している」という点です。もう既に死んでいるようでありながら、最期に親の家に行きたいと言っているような彼女を殺すように依頼した人は一体誰なのでしょうか。

そんな彼女と会話を交わす毎日の中、突如としてやってくる敵の襲撃。

敵の主戦力は悪宇商会最強の女、通称ギロチン。タイトルにもなっていますね。交渉決裂の際に真九郎がなすすべなくやられた相手でもあります。その強さは圧倒的で、流石は最強と呼ばれているだけはあります。

そんな彼女と相対して、勝つ術はあるのか? いや、ここで勝たねば、何も変われない。

彼の戦いが始まります。

一巻ほどの衝撃はないな、と思ってしまったのは自分だけでしょうか。それでも真九郎と紫の関係性が確定され、今後歩んでいくための話だったと個人的に思います。