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賢者の弟子を名乗る賢者12 感想

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作品リスト

※ネタバレをしないように書いています。

賢者の弟子=賢者

情報

作者:りゅうせんひろつぐ

イラスト:藤ちょこ

試し読み:賢者の弟子を名乗る賢者 12

ざっくりあらすじ

九賢者の一人『相克のアルテシア』を捜し、情報を持っていると思われる怪盗ファジーダイスを追っていたミラ。しかしその道中、子供の誘拐事件の話を聞き、事件解決のために動くことに決めた。

感想などなど

本作の魅力は戦闘であると、事あるごとに書いてきた。どうにもその意見に同調してくれる者の少ないようだが、初志貫徹の一心で、この第十二巻の感想記事においても戦闘の魅力を語っていく所存であった。

しかし、それは無理だった。

この第十二巻では戦闘シーンがないのである。ここまで来てそんなことがあるのか? と首を傾げたくなるが、本当に戦わない。強いて言えば……というシーンがなくもないが、アクションよりもギャグよりだったりする。

この第十二巻はミラの可愛さと、変態で構成されている。

「わしかわいい」がキャッチコピーとして頻繁に使われ、アニメでもその辺を前面に押し出そうとしているのだろうと思う。実際、ミラは多くの目を惹く美少女だ。中身が男であるが故の無防備さが、性別を問わない庇護欲を刺激するのかもしれない。幼い外見とは裏腹の実力とのギャップが、魅力的に映るのかもしれない。

そんなミラがセクハラを受ける――おかしい。九賢者の一人『相克のアルテシア』を探していたはずなのに。

 

忘れそうになるので何度でも書くが、ミラはソロモンに依頼されて、近いうちに起こると思われる戦争に備えるために九賢者を探し出して呼び寄せようとしている。前巻ではソウルハウルに言伝し、この第十二巻からは次のターゲットである『相克のアルテシア』捜しに移行した。

聖術士アルテシアは、どうやらかなりの子供好きのようだ。そのため自分で戦災孤児を引き取る孤児院を作り、子供達と一緒に暮らしているらしい。ただその場所が分からないため、情報を知っていそうな怪盗ファジーダイスを追うことにした。

この怪盗ファジーダイスは、犯罪などをしている貴族の家に予告状を出して侵入し、犯罪の証拠に類するようなものを盗んでは、犯罪を世間に公表するようなことをしていた。いわゆる義賊である。

となると彼を追うところには犯罪あり。ミラはその先で『子供の失踪事件』に遭遇し、その解決のために動くことになる。ミラの召喚術をもってすれば、捜査も楽にできると思うのだが、今回は手っ取り早く、ミラ自らが囮となって攫われて一網打尽にする作戦を決行することとなった。

まぁ、ミラの見た目は可愛い少女である。誘拐犯が狙うのは可愛らしい少女ばかりということだから、ミラが夜道を歩いていようものなら攫いたい衝動を抑えることは難しいだろう。

ということで、ミラを誘拐犯達に引き渡し。グヘヘと笑う見るからに変態そうな大人に、味見とでもいうような感じでベタベタと触られる。他にも少女が攫われており、どうやらそういった変態行為目的で少女が誘拐され、とある貴族に売られているようだ。

その貴族がヤベー奴なのだ。ただ触るだけならばマシとでも言いたいくらい、こじらせた性癖は厄介極まりない。まさかナメクジ……これ以上は辞めておこう……。

 

この第十二巻では物語の進展はないが、「同じ属性の精霊を複数仲間にできるようになった」という強化イベントがあり、「かつて地下で倒した悪魔がそこにいた目的」「謎の光る柱の正体」という忘れかけていた謎が判明したりした。このシリーズはあまり時間を空けずに読んでいるつもりなのだが、全く覚えていなかったので二巻辺りから復習する必要があったくらいだ。

皆さんもこの作品を読むときは、こまめな復習を忘れずに行うようにしよう。

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