※ネタバレをしないように書いています。
賢者の弟子=賢者
情報
作者:りゅうせんひろつぐ
イラスト:藤ちょこ
試し読み:賢者の弟子を名乗る賢者 6
ざっくりあらすじ
とある九賢者の弟子と名乗る者から手紙を受け取ったミラ。早速、その者に会いに行くが、その相手というのが予想外の人物であった。そんな事件はさておいて、活動を活発化させるキメラクローゼンの対策のため、五十鈴連盟に協力を仰ぐべくミラが向かった――。
感想などなど
九賢者の弟子を名乗る人物から手紙を受け取ったシーンで終わった第五巻。「可愛い女の子であれば良いな」というようなことを考えるミラであった。一読者としても、九賢者と会うことができるならば嬉しいことこの上ない。
しかし、手紙で指定された場所にいたのは予想外の人物であった。
なんとその男の名はカイロスである!
……誰? という方の反応は正しい。ミラ自身、顔を見せられても誰なのか分からなかったし、「審査会で屈辱がアレコレ」と言われてやっと誰なのか分かったくらいだし、カイロスという名前は思い出せていなかった。読者の記憶からも若干薄れつつあるし、本ブログでは名前が登場していない(モブだと思ったから。ごめんね、カイロス……)。
改めて説明すると、アルカイト学園で催された鍛錬の成果を示す模擬戦の舞台・審査会にて、召喚術の代表としてミラが出場し、魔術師代表として調子にのっていたカイロスがボコボコにされたのだ。
戦闘は公平な舞台、公平な審査の下で行われ、そこに不正はない。純粋な戦力の差でカイロスは敗れ、彼曰く、恥をかいた。この世界においてミラに勝てる人物の方が少ないし、その恥を糧として、これからも鍛錬してもらいたいものだ。
そこで彼は九賢者の弟子を名乗り、ミラを呼び出して罠に掛け、今度こそ彼女を殺してやる勢いで攻撃をしてきた。
ちなみに彼が仕掛けた罠というのは、その場にいる術者の術を封じるというものだ。これによりミラは召喚術が使えなくなり、特殊な装備を着込んで超強化されたカイロスが一方的に攻撃するという構図ができあがった。
だがカイロスは甘かった。
九賢者は要はゲーマーである。術を使えなくする罠は、ダンジョンにおいて珍しくない。そういった状況で多人数を相手に戦えるような対策はあるし、幾度となく遭遇してきた場面なのである。
むしろ相手がカイロスということで、状況としては楽と呼べるかもしれない。
さて、そんなどうでもいいようで、重要そうなアイテムが転がりこんできた冒頭を終え、久し振りに戻って来たミラは補佐官マリアナと共に買い物デートへと赴く。ミラの外観は幼女となってしまったが、元は賢者であり、マリアナと苦楽をともにしたという記憶は色あせない。
彼といっていいのか分からないが、賢者といちゃいちゃしたいマリアナの心境と、彼女の心境は露知らず日頃の疲れを癒やすミラの構図が、とても可愛らしい。
もうずっとこれを繰り返すだけでも良いのでは? と思ってしまうが、時間は進んでいき、精霊を狩っているキメラクローゼンの活動は活発化している。この問題を何とかしなくてはいけない。
という訳で便利屋・ミラが狩り出される。真面目な話、五十鈴連盟とのコネクションとなりうる人間が彼女くらいしかいないからだ。
いざ、行ってリーダーと顔を合わせることになる。そのリーダーこそ、懐かしのピョン吉と名付けられた式神を操っていたのが者であり、人型の式神を複数も作り出して使役しているという強者こそ、九賢者の一人・ウズメであった。
九賢者! さぞかし強いのだろう……是非とも彼女の戦闘も見てみたいものだが今回はお預け。事態は一刻を争い、キメラクローゼンの目的が精霊王と呼ばれる神に匹敵する存在という話も判明し、方法はどうであれ世界を手中に収められるレベルの力を手に入れるかもしれないと分かってしまったのだ。
そこで向かうは極難ダンジョン『天秤の城塞』。しっかりとした地図がないと、絶対に迷ってしまう上、強力なモンスターがわんさかと沸いている。
まぁ、ミラの敵ではないんですけどね。初見さん。
やっぱり戦闘が面白いと思う第六巻。大満足の内容でした。