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【漫画】賭ケグルイ双6 感想

【前:第五巻】【第一巻】【次:第七巻

※ネタバレをしないように書いています。

賭ケグルイ前史

情報

原作:河本ほむら

作画:斎木桂

試し読み:賭ケグルイ双 6巻

ざっくりあらすじ

聚楽とのギャンブルに負け、もう後がない芽亜里。そんな彼女に救いの手を差し伸べてきたのは、まさかの聚楽のミケ・佐渡みくらだった。

感想などなど

聚楽との「ダウトポーカー」で500万を溶かした芽亜里。最初に溶かした賭場の儲けも加えると、相当な深手を負ったことになる。上納金の引き落としも間近に迫り、このままでは家畜に落ちてしまう。

勝者であることに固執していた芽亜里にとって、この負けは大きい。

ただ金を奪われたというだけでなく、聚楽に啖呵を切って完膚なきまでに叩きのめされたということ。善咲会の人に500万借りていて、それを返さなければいけないということ。

芽亜里が解決しなければいけない問題は多い。賭場の二人を頼るにしても、賭場の金を使って負けた彼女が賭場を頼るわけにはいかなかった。まぁ、花手毬も雪見も、そんなことはあまり気にせず、どうにかして芽亜里を助けられないか考えているのだが、それはひとまず置いておくとして。

困り果てていた芽亜里に救いの手を差し伸べた人物がいた。それはまさかの聚楽のミケ・佐渡みくらである。最初はモブキャラとか思っていてすいません……この第六巻では彼女と協力して金策に励むことになる。

 

佐渡みくらは家畜である。

要は金は持っていない。そのため芽亜里を助けるといっても、単純に金を貸し出すとかそういったことはできない。彼女が芽亜里のために出せるモノといえば、学園の情報――例えば元金なしでできる賭場の紹介――など。

そうして向かったのが善咲会幹部、嫗ヶ頭姉妹の経営する賭場。

そこでは勝てば500万程度ならポンッと出る、負ければ嫗ヶ頭姉妹の「友達」になるという、本当に賭け金なしでできるギャンブルができる賭場であった。

そこで行われるゲームは『隠された掟ゲーム』

このゲームではトランプ52枚1デックを人数分、掟カード50枚を利用する。プレイヤーは「親」一人と、それ以外の「子」に別れる。「親」は手札にある掟カード3枚の内、そのターンの掟となるカードを選択。「親」から順にトランプを出していき、「親」はトランプが出る度に掟に合致しているかを全員に伝える。

「合致」なら「子」はプラス1点、「合致せず」ならば得点なし。これを繰り返すことで「子」は掟を推測し、「暴露」と宣言して推測した掟を言う。これが的中していればプラス10点。

「親」はトランプが1枚出る度に1点を得る。しかし、10回経過しても誰も起きてを当てられなかった場合、「親」はそのターンのプラスを没収された上でマイナス10点のペナルティ。

「親」を入れ替えながら10ターン行い、最終的な得点が最も高かった者が勝者。

つまり、「親」となった場合は、できるだけ分かりにくく、しかし10回くらいで的中してもらえそうな掟を提示。「子」はできるだけ「合致」するトランプを出して早い段階で「暴露」して的中させることが求められる。

なかなかに難しいゲームだ。

そういえばペナルティを説明していなかった。

得点下位二名は、一位の者専属の家畜となること。あぁ、「友達」ってそういう……。

 

本来はこのゲーム、嫗ヶ頭姉妹と芽亜里と佐渡みくらの四人で行うはずだった。しかし完全記憶能力の下月売奥理も参戦することになり、戦況はややこしくなる。彼女は芽亜里を目の敵にしつつ、善咲会幹部でありながら会長の座を狙う嫗ヶ頭姉妹を潰すために乗り込んできた。

彼女の執念、積み重ねてきた準備が、芽亜里にとっては最悪のタイミングで火を噴くことになる。勝者になるために勝たなければならない、負ければ家畜というこのタイミングで。

最初にも書いた通り、佐渡みくらと協力して『隠された掟ゲーム』に挑むことになる。このゲームは二人組でイカサマをすれば、ほとんどの確率で勝てるようになっている。そのイカサマを、当然ながら嫗ヶ頭姉妹もやっている。

大抵の人間ならば、そのイカサマの正体は見抜くことだろう。ただ問題はそこから先――止める手段がないのである。おそらく下月売奥理がいなければ、嫗ヶ頭姉妹の圧勝で終わっていた。

皮肉にも下月売奥理が参加したからこそ、芽亜里にも勝ちの可能性が開かれた。二転三転するゲーム展開が面白い第六巻であった。

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