工大生のメモ帳

読書感想その他もろもろ

転生したら剣でした7 感想

【前:第六巻】【第一巻】【次:第八巻
感想リスト

※ネタバレをしないように書いています。

剣として生きていく

情報

作者:棚架ユウ

イラスト:るろを

試し読み:転生したら剣でした 7

ざっくりあらすじ

獣王からの話を聞いて、獣人国に行くことに決めたフランと師匠は、獣人国直轄の船に護衛として乗り込んだ。フランの他にも凄腕の冒険者が乗り込んでいる中、危険な航海が始まっていく。

感想などなど

武闘大会にて黒猫族の進化した姿で、獣王の側近・ゴトタルファと戦い辛勝したフラン。大昔に犯した大罪によって進化することはできないとされてきた黒猫族の進化した姿は、衝撃的だった。最終的にはアマンダに敗北したが、三位入賞という成果を残した。

ゴトルダファとの戦いで見せた俊敏性と攻撃力は、かつては最強とされていた黒猫族の進化した姿・黒天虎の逸話を裏付けるような圧倒的な強さを有していた。

ちなみに個人が進化できない呪いを払いのける条件は、『邪人を千体、もしくは脅威度A以上の邪人を一体倒すこと』であり、ダンジョンマスターであるルミナが(わざと)邪人と化して戦闘し討伐したということで達成されてしまった。これは神にとっては想定外の事象であり、しかも師匠を装備すれば誰でも進化できるようになってしまうというのはもっとイレギュラーな事態だった。

そのため神は師匠はフラン以外には装備できないという制限をかけたり、色々と頑張って良い感じにしてくれたようだ。システムのデバッグはもっとちゃんとしておきましょうね。

ちなみに黒猫族にかけられた進化できない呪いを解除するための条件は、『黒猫族の力だけで脅威度S以上の邪人、もしくは邪心の眷属を倒すこと』であり、フランにとって新たな目標ができた。

黒猫族全体にかけられた呪いを解除する……そのためにも黒猫族が住んでいる獣人国へ向かうことにした。そのためにはまた船に乗らないといけない。ついでに師匠の秘密も探るべく、神剣を作ることができる名誉鍛治師・ガルスの捜索も行いつつの旅路となっていく。

 

武闘大会はアマンダに敗れてしまったが、伝説でしか語られることのなかった黒天虎の姿を見せつけ、フランの名前は確実に轟いた。黒猫族にとっての希望になってくれれば幸いだ。

……まぁ、武闘大会でフランの戦いぶりを見ても尚、「その剣のおかげでしょ!」「黒猫族のくせに」という輩が絶えない。一定数の実力差を計れない馬鹿というのは、どこの街でも国にもいるということなのだろう。そしてフランはそんな馬鹿には容赦しない。

その噂は各地に広がっているらしい。黒雷姫というフランの二つ名は、「相手には情け容赦ない」「逆らえば消し炭にされる」という数々の噂話と共に広がっていく。実際、フランに楯突いた輩は酷い目にあっているけれども……仕掛けてきたのはあっちなんだよなぁ。

ただフランの性格を理解してくれている人もたくさんいる。

最初はどこに行っても相手にされず、ある程度強い人達しか優しくしてくれなかったフランが、引っ張りだこになる光景は、なんとも嬉しい気持ちになる。これが親心というものなのかもしれない。

 

獣人国へ向かうために護衛として船に乗り込んだフランにとって、これは二度目の船旅となる。一度目は海賊に襲われたり、ミドガルズオルムという巨大生物との戦闘したりと危険な旅であった。今回も、似たり寄ったりの危険な旅となる。

どんな敵が現れるか……それを説明してしまうとネタバレだが、あのときよりもさらに強くなったフランの敵ではなかったとだけ言っておこう。むしろ注目したいのは、フラン以外の冒険者達の活躍だ。

例えば。

溶鉄魔術使いのモルドレッド。ランクCパーティ『鉄神の息吹』リーダーで、武闘大会では二回戦でフェルムスに負けたが、溶鉄魔術を巧みに使って戦う姿は印象に残っている読者もいるのではないだろうか。

他にもフランが模擬戦でボコボコにし、そこから一念発起して冒険者として頑張ることにした新人が多数。個性豊かな面々が護衛として乗り込んだ船旅は、危険もあれど、後になって思い返してみれば楽しい旅となった。

【前:第六巻】【第一巻】【次:第八巻
感想リスト