工大生のメモ帳

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青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない 感想

※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます(一巻の感想はこちら→青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない

学校に行きたい。

情報

作者:鴨志田一

イラスト:溝口ケージ

ざっくりあらすじ

初恋の相手、翔子さんから突如届いた手紙。そのことを麻衣さんに話せないでいる咲太。巻き起こる波乱の予感!

と思っていたら、長らくお留守番している妹のかえでが、「学校に行く」と言い出して・・・・・・

感想などなど

今回の事件で扱われる青春症候群は、第一巻「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」からずっと登場しておりました。

覚えていますでしょうか。

妹が家大好き少女として、長い長いお留守番をすることになった事件を。

覚えていない、この巻から見る(できれば一巻から読んで欲しいが)という方に向けてざっくりと説明すると「ネット上のいじめによって体に痣が出てくる妹、そんな妹を救えず苦悩する兄の体にも、巨大な引っ掻き傷が出てくる」というもの。

つまり、これまで過去の話でしか登場してこなかった青春症候群が、メインとして扱われていきます。

しかし相手は過去、解決しようと奮闘し、誰も幸せにならない現状維持という結末を辿った事件。一番の問題は、一体どういった結末を辿れば解決したことになるのか? という点にあります。

第一巻「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」は、桜島麻衣先輩の姿が周りに見えるようになれば解決でした。第二巻「青春ブタ野郎はプチデビル後輩の夢を見ない」でも無限ループから脱出すれば見事解決です。

今回の場合、妹に痣ができないようにすればいいのか? そうすれば、学校にも行けるようになるのか? いや、元々いじめにあっていたことが原因であるのだし、そっちを解決させる・・・・・・?

問題は山積み。果たして今回、家族は一体どのような結末を選ぶのか。

 

妹の ”かえで” は家が大好き。そんな彼女が唐突に「学校に行きたい」と言い出します。

彼女自身いつまでも自宅警備員として活動している訳にはいかないと分かっているのです。学校に行くということは、分かりやすい一つの最終目的といったところなのでしょう。

さて「学校に行く」という目標を立てた ”かえで” は、目標を達成させるために行動を開始します。

「簡単じゃないか」と言う方、少なからずいると思います。「目標を立てるも何も、靴を履いて、玄関から外に出て、学校へ向かうだけじゃないか」と。

まず ”かえで” にとって部屋を出るというだけのことで、途方もない体力を使います。そこからさらに廊下を進み、靴を履き、玄関を開けるなんて次の日死んでしまうかも知れません。この「死んでしまうかも」、というのが例えになっていない事実なのですから、どれほど大変なことか分かって貰えたら幸いです。

それでも必死に頑張って、兄の協力もあって、外に出られるようになってきた ”かえで”。しかし彼女の体には昔見た痣が現れ、連日微熱に筋肉痛が続きます。そんな妹を心配する兄をよそに、妹は笑顔を振りまきます。

それでも何とか ”かえで” が学校に行けるかも知れない、と希望が見えてきた矢先に立ち塞がる残酷な現実・・・・・・。そこから先は読んで確認して下さい。確実にあなたの想像を超えてくるとだけ言っておきます。

 

今回は青春症候群というより、精神病の類いだと思います。まぁ元々、青春症候群がコンプレックスだったり、不安定な精神状態によって引き起こされるものでしたが。

引きこもりという存在は、皆さんの学校にも一人、二人いたでしょう。その原因や心の動きが、青春症候群によって目の前に痛ましい形で現れている・・・・・・という感じを想像して下さい。

”かえで” にとっても苦しい時間でした。しかし周りの兄や父、母も同様に辛かったのです。

 

一巻からというよりは日頃アニメやラノベ、漫画を見て思うのですが、平仮名の名前って現実でもあるんですかね。まぁいるんでしょうけど、親しみがないもので。

今回は全体的にかなり重たかったです。しかし今まで度々語られてきた妹の事件が一段落ついたということで、登場人物達が一歩踏み出すために必要な展開だった、とだけ個人的見解を述べておきましょう。

青春ブタ野郎はおるすばん妹の夢を見ない (電撃文庫)

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