※ネタバレをしないように書いています。
※これまでのネタバレを含みます。
麻衣がのどかで、のどかが麻衣で。
情報
作者:鴨志田一
イラスト:溝口ケージ
ざっくりあらすじ
二学期。梓川咲太が久々に桜島麻衣に会った時、彼女の最初の第一声は「あんた、誰?」という予想外の言葉だった。
どうやら青春症候群により、母違いの妹である金髪ギャルアイドル豊浜のどかと入れ替わってしまったらしい。
二人は互いの振りをして生活を送ることになるが、アイドルと女優である彼女たちの生活は一体どうなってしまうのか。
感想などなど
さて相も変わらず青春症候群に巻き込まれていくわけですが、今回は新キャラが登場。金髪ギャルアイドルこと豊浜のどか。何だかアイ〇スに出てきそう。
存在だけでも作品内で匂わせていましたでしょうか(自分は記憶にありませんが)。彼女は桜島麻衣と母違いの妹であるようで、互いに母親の元、別々の家で生活していました。
そんな二人が入れ替わった。
麻衣がのどかで、のどかが麻衣で・・・・・・。
作品を時間空けて読んだりしたら「あれ、これは麻衣? これは、のどか?」と混乱してしてしまうかも知れません。梓川咲太の前では、基本的に元の口調に戻るのでそこで判断できますが。
アイドルと女優。求められるスキルは全く違いますが、流石は完璧と謳われる桜島麻衣。踊りも歌もこなして見せます。
いやぁ、それはもう一人のアイドルとして完璧すぎるほどでありまして。
一方、豊浜のとかはというと。かなり苦しんでいました。当然と言えば当然でしょう。アイドルと女優では求められるものが違いすぎます。桜島麻衣がおかしい。
それにしても片方は超売れっ子女優であり、もう一方は歌って踊れるアイドル。姉妹揃って芸能界の人間であり、画面の向こう側の存在であるなんて、一体どんな奇蹟・・・・・・いや、珍しくないのか? 一緒に芸能界を目指そうとして成功している人達なら自分も何人か知っていますが、二人は別々に暮らしていたのです。二人共が示し合わせたかのように芸能界に飛び込んでいくなんてあり得るのか。
これは運命だったのでしょうか。
事実は少し複雑でした。互いに腹違いの姉妹がいると知った時、桜島麻衣は画面の向こう側で子役として活躍し、豊浜のどかは平凡な何処にでもいる女の子でした。芸能界で華やかに活動している姉に憧れるのは無理もありません。
自分は一人っ子です。兄弟が欲しいと思ったこともありますが、その話を兄弟を持っている人に言っても「自分は一人っ子が良かった」と言われます。
その理由で度々聞かれるのが「どちらかの特別扱いや差別」。人間だもの。二人いれば例え親であろうと比較してしまうものです。
ではあまりにできすぎる兄弟を持った場合はどうなるか。
歌もダンスも演技も完璧にこなす姉と、アイドルとしてはまだまだ駆け出しで、いつ業界から消えてもおかしくない妹。
彼女たちを取り囲む大人達は、一体どんな評価を下すのでしょうか。
今回何と梓川咲太の父が登場。妹のいじめ騒動の時、精神を病んだ母と共に家を出た父が電話で「会いたい」と告げた真意とは?
結局何があろうとも、親は親であり、切っても切れない何かがあるのかも知れません。
相変わらず主人公が優秀です。発言はあれですし、的を射た正論は「うざい」かも知れませんが、見過ごせないから大切なことだからこそ正論なのでしょう。