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【漫画】鬼滅の刃12 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

絶望を断つ刃となれ

情報

作者:吾峠呼世晴

試し読み:鬼滅の刃 12

ざっくりあらすじ

百年顔ぶれが変わらなかった上弦が欠けたことに、怒りをあらわにする無惨。その間、炭治郎は刃こぼれした刀を修理してもらうべく、秘密の刀鍛冶の里へと足を踏み入れたのだった。

感想などなど

上弦の鬼・妓夫太郎を倒した炭治郎たち。毒は禰津子の炎で解毒したかもしれないが、身体に蓄積されたダメージは、そう簡単に癒やせない。炭治郎は二ヶ月にわたって、意識が戻らなかったというのだから、その傷の深さが分かっていただけるだろう。

彼が目覚めた時のカナオの涙は、個人的には感動ポイントだったりする。感情を持たなかった彼女が、彼にここまで心動かされることになろうとは。本当に目覚めてくれてよかった。

ちなみに伊之助や善逸は、彼よりも少し早く目覚め、体力が戻ってすぐに仕事に復帰した。きっと各地で鬼を狩ってくれていることだろう。

炭治郎の体力が戻るのは、それなりの時間がかかることが予想された。その上、彼の使っていた刀は、かなり刃毀れしていたため、その修復も必要であった。身体のことはさておいて、刀に関しては二ヶ月の間で修理して貰っているだろう……という考えは甘い。

炭治郎の担当をしている刀鍛冶・鎧塚さんは、かなり気難しい方である。以前、蜘蛛山での戦闘で刀を壊してしまった際の鎧塚さんの怒りようを思い出して欲しい。今回も鎧塚さんから怨念が込められた不気味な手紙が多数、炭治郎の元に届けられている。

鬼との戦いで刀が壊れることは珍しくないらしい。そもそも刀が刀が壊れるということは、それほど苛烈な戦いを強いられたということを意味する。刀に相当な負荷がかかるようなことをしたのだろう。

炭治郎も、自分の刀の扱いがもう少し上手ければ、刀が折れることも刃毀れすることもなかったはずなのに、と思い悩んだ。その悩み抜いた末に、彼は刀鍛冶が集まっているという里に足を運ぶこととなった。

鬼殺隊にとって、刀は鬼と戦う上での生命線。なにせ日輪刀という太陽の力がこもった刀でしか、鬼の首を狩ることができないのだから。

そんな刀鍛冶のいる里は、定期的に位置も変え、限られた人しかその場所を知らされていない。そこにいくためには、面倒な手順を踏む必要があり、その移動の際には目隠しに耳栓(炭治郎の場合は鼻栓も)をされるという徹底ぶりで隠されていた。

そんな刀鍛冶の里。ここ百年以上、鬼に見つかったことがないのだという。

しかし、ついに鬼の手がそこに迫ることとなった。

 

ここ百十三年、上弦の鬼の顔ぶれが変わることはなかったらしい。それがつい先日の遊郭において、妓夫太郎が倒された。

「案の定 堕姫が足手纏いだった」

「初めから妓夫太郎が戦っていれば勝っていた」

「くだらぬ 人間の部分を多く残していた者から負けていく」

と怒りを露わにし、最後には「私はお前たちに期待しない」と上弦の鬼に告げる無惨。これからは死に物狂いでやった方がいいと言われた上弦の鬼一行。その中で何か ”場所” の情報を掴んだという上弦の伍・玉壺。

その情報の確信が得られた場合、上弦の肆・半天狗を引き連れてその場所へ向かうようにと無惨は指示を出した。彼らが情報を掴んだ ”場所” とは一体?

そここそが、刀鍛冶の里である。

 

傷が癒えたばかりではあるが、刀が出来るまでの間、刀鍛冶の里で修行をすることとなった炭治郎。修行とはいっても、そこにある設備は戦闘訓練用のものではない。温泉だったり、旨い食事といった身体の疲れを癒やす場所であった。

しかし、そこには古の技術で作られた絡繰人形・緑壱零式という、戦闘訓練用ロボットがあるというではないか。腕を六本にしなければ再現できないとされた、かつての最強の剣士を元にして作られており、その強さは常軌を逸したものである。

炭治郎はこれまでの戦闘でかなり強くなっていた……はずなのだが、緑壱零式には攻撃を与えることすらできないほどだ。

そんな相手との戦闘経験を経て、新たな技を得る炭治郎。彼の次の戦う相手は、またまた上弦の鬼だ。奴らの登場シーンの不気味さと、気持ち悪さはかなりのもので、これから始まっていく戦いに期待ばかりが募っていく。

箸休めのような巻であった。

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