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【漫画】鬼滅の刃2 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

絶望を断つ刃となれ

情報

作者:吾峠呼世晴

試し読み:鬼滅の刃 2

ざっくりあらすじ

鬼殺隊の最終選別で、異形の鬼に鱗滝に教わった水の呼吸で挑む炭治朗。これまで数多く喰われてきた鱗滝の弟子たちの無念を晴らすことができるのか。

感想などなど

鬼殺隊に入るためには、生け捕りした鬼が閉じ込められている山の中で七日間生き抜くという最終選別に合格する必要がある。禰豆子を人に戻す方法を知るためにも、こんなところで負けるわけにはいかない。

そもそも『生き抜く』ことが合格ラインなのだから、不合格=死ということを意味する。死んで第二巻で完結という斬新な結末は用意されていない。鱗滝さんからの指導はもちろんのこと、かつて同じように鍛錬を積んで死んでいった者達の意思も引き継いで、巨大な岩を一刀両断できるレベルにまで成長している。

これは余裕か?

いやいや、そんなに甘くはない。出だしは鬼との対話を試みつつ、首を斬るというある種の余裕も感じさせつつ、山の中を慎重に進んで生き抜いていた。だが、そんな余裕をあざけわらうかのように、異形の鬼が現れた。

鬼の強さは喰ってきた人の数で決まるそうだ。黙っていれば勝手にあまり強くない人が入って来る環境で、数十人もの人を喰らって強くなった鬼が、その山にはいたのだ。しかもかつて鱗滝によって捕らえられたという因縁持ちで、鱗滝の弟子は必ず喰らうという執念を抱いていた。

弱点である首は、複数ある腕で守られており、生半可な攻撃では弾かれるほどに硬化されている。伸縮自在な腕から繰り出される攻撃は、速度も範囲も厄介なこと極まりない。

だが巨大な岩を斬った男。主人公が技を身に付けての初めてのボス戦としては、成長度合いが分かりやすかった。だがそれ以上に注目したいのは、そんな鬼相手だとしても同情し来世での幸せを名がってあげられるような炭治朗の性格であろう。

鬼はかつて人であったということを念頭に置き、人であった頃の生活があり、大切な人も思ってくれた人もいただろうことに想像力を働かせ、優しさを見せることができる。鱗滝さんは優しすぎると評した彼の性格であるが、鬼にとって彼は救いなのではないだろうか。

そういう気がしてならない。

 

最終的には五人しか生き残れなかった最終選別を経て、炭治郎は鬼殺隊の一員となった。鬼を殺すための刀を作ってもらい、隊服も用意して貰えば、いよいよ鬼狩りの仕事が始まっていく。

初仕事の内容は、毎夜に少女が消えているという街での鬼の捜索と討伐。炭治朗は持ち前の鋭い嗅覚を駆使し、事件の犯人は鬼であるということを突き止め、さっそく狩りに行く。

この辺りテンポが滅茶苦茶速い。街に到着し鬼とエンカウントするまでに一話程度である。鬼側は正体をバレないようにする隠ぺい工作をする訳でもないし、炭治朗の嗅覚は迷いなく鬼までの直線距離を叩き出すので、このテンポは必然なのかもしれない。

鬼との戦闘では水の呼吸による技を、状況に応じて使い分けていくことが大事になるようだ。その辺り、文章で長々と説明するというよりは勢いで理解させるような感じとなっている。

また、ここでラスボスらしき存在が示唆される。

唯一、鬼を増やすことができる鬼・鬼舞辻無惨(つまり炭治郎の家族を皆殺しにしたのはこいつである)。作った鬼を呪いで雁字搦めにし、絶対に逆らえないようにしつつ、自分は人として社会に溶け込んで生きている。そうして鬼殺隊に狙われながらも何百年も生き永らえているという最強の鬼である。

「あぁ、きっとそんな鬼と出会うのは当分先のことなんだろうな」

「まさか、街中でひょっこりエンカウントするなんてありえないよな」

その『まさか』が、この第二巻で発生するのだから驚きだ。人の妻を娶り、子供までいる見るからに普通の人間。だが炭治郎の嗅覚は、その男が鬼舞辻無惨であると告げている。

そうして街中で相対することになる両者。しかし決着はお預け。無惨はそこら辺にいる適当な人間を鬼に変貌させ騒動を起こし、炭治朗がその鬼の対処に追われている中、自分たちだけはそそくさと逃げ出していった。

鬼になってしまった者を人に戻す手段は分からない。今、適当に鬼にされた人も、もうどうしようもないのか……そんな絶望的な状況で現れたのが、いつか無惨を倒すために生きており、鬼から人に戻すための方法も研究している鬼・珠代さんであった。

彼女との出会いで、炭治朗の今後の目標がはっきりする。

それは『無惨の血がより濃く入っている鬼の血を入手する』というもの。鬼から人へ戻すための研究材料として使うためのようだ。しかし、無惨に近い鬼はより強い力を持っている。

これからもっと強くならなければいけない。炭治郎の旅はまだまだ長く続きそうだ。

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