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【漫画】鬼滅の刃4 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

絶望を断つ刃となれ

情報

作者:吾峠呼世晴

試し読み:鬼滅の刃 4

ざっくりあらすじ

鼓を操る鬼の屋敷から出た炭治郎は、嘴平伊之助と我妻善逸らと共に、緊急の指令で那田蜘蛛山という不気味な山へと向かった。

感想などなど

鼓を叩く鬼の首を斬り、血も無事に回収して一件落着となった第三巻。そんなのも束の間、外に出た炭次郎の前には血だらけの善逸と、イノシシ頭の男・伊之助が立っていたのだから驚きである。どうやら伊之助が善逸をボコボコにしていたようだ。

鬼殺隊の隊服を身に……つけてなかったけれども、日倫刀を持っているのだからきっと、彼も鬼殺隊であろう。そんな彼が何故に善逸を攻撃していたのか? その経緯は、炭次郎が大切にしている妹・禰豆子(鬼)を伊之助が殺そうとしているのに対し、善逸がそれを守ったことによるようだ。

普段は女好きでどうしようもないヘタレかもしれないが、(眠れば)強いし、炭治郎が大切にしているものを守ろうとし、どんなにボコボコにされようとも鬼殺隊同士の争いは御法度という規則を守り続ける彼の姿は格好いいと言って良いかもしれない。

そんな最悪な出だしではあるが、彼ら三人での鬼狩りの日々が幕開けようとしていた。

 

休みなんてないものと思われていた鬼殺隊の仕事ではあったが、流石に骨が何本も折れている彼らにこれ以上無理強いはさせられないという優しさかは知らないが、しばしの療養期間が与えられることとなった。

その間に禰豆子のことは二人に説明し、ゆっくりと身体を休める。

そこで描かれていくのは、伊之助が人に近づいていく過程だと思う。彼は元々、イノシシに育てられてきた。それにより培われてきた野生児であるが故の独特な戦闘センス、炭治郎を翻弄した驚異的な身体の柔らかさ……それらは鬼と戦っていく上でかなりの武器となるであろう。

しかし、彼には社会性というものが恐ろしく欠如していた。

鬼のいた屋敷で少女を踏みつけて足場にしたことを悪びれる様子もなく、むしろ刀を向けてきた。炭治郎との対話よりも争いを好む血気盛んさも、一緒に行動していく上では不安点でしかない。死体を埋めて弔うという行為に意味を見出せないのは、これまで人が当たり前に培ってきた死生観とは無縁の生活を送ってきたことを意味する。

彼は当たり前のように仲間として加わり、次の戦場である那田蜘蛛山へと向かうこととなっているが、一人だけで突っ走っていく姿が容易に想像できた。

だが、動機がどうであれ、炭治郎と共に鬼と戦っていく上で心強い仲間となっていく。それが当たり前に自然と描かれていき、それを凄いと思うのは自分だけだろうか。

 

鬼は元人であるが、人を殺すということに躊躇も躊躇いも同情も期待してはいけない。彼らにとって鬼は捕食対象であり、強くなるために躍起になってこちらを狙ってくる。また、それぞれ強い鬼には血鬼術と呼ばれる独自の技を使ってくるのが厄介だ。

今回の場合、那田蜘蛛山という名前に相応しく、蜘蛛をちなんだような技が振るわれ、炭治郎達を苦しめてくる。

例えば。

炭治郎と伊之助は蜘蛛を操り糸を付けて操ることができる敵と遭遇した。事前にこの山に入って捜索していた鬼殺隊のメンバーは、そのほとんどが糸を付けられ操られており、炭治郎と伊之助を強襲してきた。

生きたまま操られている者もおり、その絵面はかなりエグい。腕が不自然な方向に曲がろうとも、痛みで喚こうとも、剣を持って襲ってくる様はゾンビを彷彿とさせる。厄介なことに操っている本体の鬼は遠距離にいるらしく、しかも炭治郎にはあまりにも刺激が強すぎる悪臭が風に乗って運ばれてきていることで、匂いで鬼の居場所を突き止めることもできない。

そこで活躍するのが、野生児の伊之助。

彼が力任せに突っ込んで行こうとするのを、持ち前の長男力(?)で無意識に操って協力して戦うように持っていく。二人タッグでの戦闘はシナジーが大きく、とっさの機転で互いに互いを補っていく姿は、長い時間を共に過ごしたような錯覚を引き起こさせる。

一方、山に入りたくないとギリギリまで駄々をこねて、結局置いて行かれた善逸は、まんまでっかい蜘蛛の姿をした鬼と、単機で戦闘に望んだ。炭治郎だと死にかけない異臭を身体から放ち、周囲に人の顔を持った大きめな蜘蛛を侍らせている。

こいつは一撃必殺毒を使ってくる。置いて行かれたこと、炭治郎が禰豆子を背負ったまま山に突っ込んだことに気付いて、泣きわめきながら山へと入っていく彼は、大した警戒もできぬまま毒を喰らい、手が腫れ上がり、髪の毛は抜け、徐々に身体が動かしにくくなっていく。

このまま死ぬのか? と思った矢先、彼の意識は失われた。そこに至るまでの過程はかっこいいとは程遠いかもしれないが、彼が本気(意識なし)状態になってからの戦闘は男の浪漫である強力な一撃技が繰り出される。

楽しいバトルが目白押しの第四巻であった。

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