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【漫画】黒猫と魔女の教室5 感想

【前:第4巻】【第1巻】【次:第6巻

※ネタバレをしないように書いています。

魔法使いになりたい!

情報

作者:金田陽介

試し読み:黒猫と魔女の教室(5)

ざっくりあらすじ

合宿の全授業が終了し、無事にこれから帰宅……という矢先、邪教徒達の襲撃を受けたスピカたち。圧倒的な実力差を前に黒猫に戻ってしまったクロードを元に戻すために邪教徒達の足止めをしている生徒達を後にしてセレネの泉へと向かう。

感想などなど

邪教徒とは。

二年前にディアナを襲撃した集団であり、その事件後に軍隊によって殲滅された。これまで明かされた情報といえばそれくらいのものだった。しかし、この第五巻において、これまで姿を隠していた彼らが姿を現した。

その目的は "再生魔法" を持つスピカを生きたまま攫うこと――厳しかった合宿も終わって帰るという矢先、荷物が森の中に隠されるという不穏な始まり。

荷物を見つけた回収しようとしたスピカの目の前に現れたのは、ゴシック調のドレスに身を包んだ邪教徒の少女・アルクだった。彼女が扱う魔法は毒をまとった黒蛇を操作するというもの、スピカが正面から戦って勝てる姿が想像できないくらいには実力差があるようだ。

しかしスピカは一人ではない。

彼女が中々戻ってこないことを心配して探しに来てくれたクロード先生を始めとしたガウンの仲間達。特に一級魔術師・クロード先生は頼りになる。アルクの後に現れた影を媒介して移動する謎の男・リゲルの魔法を見切りつつ、スピカを始めとしたみんなを守りながら戦っていた。

誰もがクロード先生が勝つと思っていた。

しかし彼らは知らない。クロード先生は魔力を使い過ぎると黒猫に戻ってしまうのだ。

 

クロード先生は大魔法を使うと黒猫に戻ってしまうという制限の中、できる限りのことをしてくれた。しかし、影から影へと移動するリゲルやアルクはそう簡単には仕留められず、すぐにこちらを追ってくるだろうと分かっていた。

信じる生徒達に全てを託すことこそが最善で、それぞれの役割を全うする生徒達の成長は、とても嬉しいものがある。それぞれ才能はあるのに腐らせていたりと勿体なさを感じるも、応援しがいのある良い子達ばかりだった。

その良さが一連の戦いには詰まっている。

邪教徒との戦いは、これまでのお遊びとは全く違う命の奪い合いである。邪教徒の男・リゲルは家族を食い殺した過去が明かされ、アルクは殺す前になぶることが趣味であることを注意されている。

彼らが正気ではないことは分かった。となるとスピカ達に出来ることは一つ。何とかしてクロードに復活して貰うことである。そのために森の中にあるセレネの泉に、空から探しながら向かう必要があった。

という訳で、キロンにクロードとスピカを抱えた状態で、飛行魔法で運んで貰うこととなった。そんな二人の前に現れたのが、残ったメンバーが足止めしてくれているはずのアルクだった。

もう絶望的である。しかし二人は諦めなかった。

この二人の共闘が実に熱い。キロンは優秀な兄と比べられて、どんなに努力しても追いつけず、それでも腐らずに頑張ってきた努力を、ここで遺憾なく発揮してくれた。彼のことを弱いとは言わせない。

スピカもまた、応用力のある魔法を駆使してアルクを翻弄した。敵の油断を一切見逃さず、見習いらしい泥臭さと、土壇場でのひらめきが「格上」の油断を撃ち抜く。

とあるシーンはカラーで描かれるのだが、危機的な状況でありながら美しさすら感じる名シーンだったと思う。

 

この第五巻では邪教徒についての情報が明かされる。

君はもう無関係ではいられない

知るべき時がきたんだ

ぼかされることなく邪教徒についての情報が明かされていく。つまりクロードが二年前の襲撃で生徒を置いて逃げ出した真相である。ネタバレになるので次巻の感想で書こうと思うが、彼の話を聞くと、これまで話そうとしなかった理由も頷ける。

そして分かっていないこと、これから知らなければならないこともハッキリした。これまでの平和な日々の裏にあった血塗られた真実が明かされ、ただ漠然と魔法使いになりたかったスピカは、次なるステップに進んだように思う。

大事な第五巻だった。

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