※ネタバレをしないように書いています。
魔法使いになりたい!
情報
作者:金田陽介
試し読み:黒猫と魔女の教室(7)
ざっくりあらすじ
中間試験で失敗したスピカにとって、これを落とせば落第となる運命の期末試験が始まった。舞台は南国の無人島で、そこに隠された宝石を見つけ出すという試験内容であるが、スピカは果たして宝石を見つけられるのか⁉
感想などなど
第五巻の邪教徒の話はなかったように、一等級魔術師を目指すという目標を改めて思い出したように、期末試験の勉強に打ち込むスピカ達の様子が、第七巻では描かれていく。
ここで思い出したいのは第四巻、中間試験である。ハナとスピカで協力してグリフォンを仕留めるも、魔力切れで戻ることができず不合格。ツンツンハナちゃんと友達になれたのは良かった。
とはいえ中間試験不合格になったことで、期末試験も不合格だった場合は退学となる程に追い込まれてしまった。これは精神衛生上よろしくない。スピカの勉強にも力が入るというもの。
そんな彼女を弄ってくるのが、幼馴染みで天才のアリアである。一等級魔術師を目指すというアリアの夢を嘲笑い、「夢があるのがそんなに偉いの?」という闇ある台詞が飛び出して、それでも快活に笑うアリアにちょっと怖いと感じたところで期末試験は始まる。
場所はアスピドケロンの島という無人島にて、隠された40個の宝石を見つけて奪い合うというものだ。期限は明日の日の出までで、成績は40個の宝石に割り振られたポイントと集めた数によって決まる。
アリアに夢をバカにされたスピカは、自分の本気度を証明するために「1位を取る」と啖呵を切った。これまで彼女の機転を幾度となく見てきた読者、第六巻の申し訳程度の強化イベントを経て、どれくらいの実力を身につけたのか、彼女の島での奮闘ぶりを見ていこう。
アリアばかりをライバル視していたが、アリア以外の全員がライバルであり、1位になるということは彼らを出し抜かなければならない。とはいえ、島に散りばめられた宝石を見つけるのは運要素がかなり強いように感じる。
例えば。
レオは家を建てるために色々と資材をかき集めている過程で偶然発見。一応、それぞれのメンバーに割り振られた身代わり人形が、宝石に近づくと知らせてくれるようだが、スピカの人形はいじけてたりするし、イルカを焚き火で炙りそうになったり、エッチな触手生物に襲われたりで忙しいサバイバル生活を送る羽目となる。
それに、これまでのスピカは他の人と協力することの相乗効果でピンチを切り抜けてきた。今回はそれを使えず、個人の技能で状況をどうにかするしかない。読者としても、ハナちゃんとしても心配である。
しかし、スピカはかなり上手くやってくれた。
第七巻の冒頭でタリスマンという喋る石像によって、それぞれの能力を五角形のグラフ(と容姿)で評価が出された。スピカの場合は下記の通り。
初めて見させてもらったが技術が低く、乙女座魔法をまだまだ使いこなせていないと感じた。知識を増やして、発想力を更に伸ばすといいと思う。ハーフツインは好みなので★3で。
ハーフツインは幼い感じがするので現実では人を選ぶと思うが、まだ学生であどけない表情が似合うスピカにはぴったりだと思う。可愛い。ちなみにアリアは縞々のニーソが非常に可愛く満足の★5であるらしい。ハナちゃんの説明文は記載なし。出せ。
……そんなことよりも注目すべきは「知識を増やして、発想力を更に伸ばすといいと思う」という有り難い言葉である。乙女座魔法を使う場合、操作する植物の知識の数が勝負をものにすると言って良い。
第六巻で『植物標本図鑑』を入手したが、それは第七巻でも大活躍。申し訳程度の強化イベントと書いたが、それは撤回すべきかもしれない。
クロードガウンのメンバーはそれぞれ個性が強いが、良い子達ばかりだ。それにこれまでの生活を経て強くなっている。スピカの成長も著しいが、他の面々は強くなる方向性が違ったり、生まれ持った才覚を生かしたりと、思い思いの成長を遂げている。
第七巻では期末試験は終わらず、まだまだ続くらしい。そして第八巻以降の戦いこそが、期末試験の本領といえるかもしれない。もう一位になること、アリアに勝つことは諦めていたかもしれないが、まだ終わりではない。
最後まで諦めないでくれ! と応援したくなる第七巻だった。
