工大生のメモ帳

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プシュケの涙 感想

※ネタバレをしないように書いています。

真実ははかなくて、心を深くえぐってくる。

情報

作者:柴木 仁

イラスト:也

ざっくりあらすじ

暑さ厳しい夏の終わりだった。

期末試験で赤点を取った八人が集められた補修の授業中に、クラスメイトの吉野彼方が落ちてきた。

彼女は四階の生物準備室から飛び降りたのだという。

元々不登校気味だった彼女は、何故そこに行ったのか? 何故飛び降りたのか?

それらの疑問を解消するために、二人の少年が立ち上がった。

平凡な高校生 榎戸川 

変人奇人の高校生 由良

二人がたどり着いた真実は、はかなく、切なく、美しい。

感想などなど

この話の真実を見て、つまり最後まで読んで、心の奥底までえぐられたような、ズキズキとくる後味を感じた。

 

本作は前編と後編に分かれている。

前編はあらすじで示したとおりだ。榎戸川は主人公にしてはどうしようもなくヘタレで、由良は困惑するほどの変人だ。

まず、この前編だけでもものすごく面白い。最初から最後まできれいにまとめられている。

ジャンルとしてはミステリーに入る。飛び降り自殺した女性が「何故飛び降りたのか」「元々これは自殺なのか」を、死んだ彼女の家に不法侵入したりなどなど、かなり強引な追求を行っていく。

そしてたどり着く予想外な真実と結末。この前半の時点でかなりきれいにまとまっているし、かなり面白い。それなのに後半を読むことでさらに別の視点から作品を楽しむことができる。後半についてはこれから語ろう。

 

後半は飛び降りた少女 吉野彼方 の視点で展開していく。

そんな後半の冒頭から軽い衝撃が襲ってくる。前半ではぼんやりとしか分からなかった彼女の生活、人生、考えが描かれていく。

いわゆる視点が変わるだけで、物語は全く違う世界になるというやつだ。前半でさまざまな悪い噂でしか知ることが出来なかった彼女。

なぜ学校に来ていなかったのか? なぜ ”あの場所” にいたのか?

そして、最期の最期まで彼女が何を望んでいたのか?

由良の行動の真意や真実が一つの線で結ばれていく。

一度全体を読んで、また最初から読むと全く感じ方が変わってくる。

何度か読み返したくなるような作品。一度読めば忘れられない作品なるはず。

プシュケの涙 (電撃文庫)

プシュケの涙 (電撃文庫)

 

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