※ネタバレをしないように書いています。
※これまでのネタバレを含みます。
戦場が待ってる。
情報
作者:安里アサト
イラスト:しらび
ざっくりあらすじ
レーナは彼らとの別れから、86達と共に生き残る戦いに身を投じる。たとえ、上から睨まれようと……
さらなる敵地に足を進めていくシンらは、支援も期待できない奥地で敵の猛攻にあう。そんな時、隣国のギアーテ連邦に保護されて、何とか一命をとりとめる。
仲間たちとの平穏な日常。
しかし、彼らの心情は複雑で……
感想などなど
さて、前巻『死なせるために』と上から命じられた戦いに赴く86達。何とか助けたいと食らいつくレーナ。
「救いはないのか」とページを進める手は遅くなって、戦争はあっという間に「敗北」という形で終わる。
そして、最後の再会。
心底良かったと、出会うことができてよかったと思えた。そんな一巻。
それから二巻をようやく購入いたしました。学生には少し厳しい出費でありますが、買わずにはいられませんでした。
二巻は最後の別れから再会までの物語となっています。読んでいるときは「よかった」という感情だけが先走って、全く気になっていなかったわけですが、確かに気になる点ではありますね。
86達が子供のように(いや、年齢的に子供なのですが)戦場ではない場所で、家族のように、平穏な日常を過ごしていきます。
周りの人たちも、「戦争にはもう行かなくていい」「ここにいつまでもいていい」と優しい言葉をかけてくれる。人として扱ってくれる。
国が違って、思想が違うだけでこんなに代わってしまうものなんだなと色々考えてしまいます。というか人として彼らが扱われているだけで泣きそう。
しかし一方で、壁の外では軍隊が《レギオン》と戦っています。運ばれた国の人たちはもちろんですが、遠くにいるレーナも……。もしかしたら死んでいるかもしれません。
そんな日常の中で86達は考えていきます。いや、もう運命づけられていたのかもしれません。
彼らは戦場に再び戻っていきます。
彼らの行動は正しいのか?
当然「何故戻るのか?」尋ねられますが、はっきりと明確なことは答えられません。彼らはもう戦場以外では生きていけないのかもしれません。
殺伐とした命のやり取りが繰り広げられ続けます。86として……いや、その姿はさながら化け物のようであります。
世界の行く末と彼らの今後が気になって仕方ない本作。三巻を買いに行かねば。