※ネタバレをしないように書いています。
※これまでのネタバレを含みます。
私たちは何と闘っていたのでしょう。
情報
作者:細音啓
イラスト:ふゆの春秋
ざっくりとあらすじ
とある村の周辺で屍鬼が大量発生。その騒動の裏には、大敵(アークエネミー)がいるのではないかと予想をつけた ”ノア”
その大敵(アークエネミー)の名は『王殺しの獣』ヴァラヴォルフ・S
エルザとシルヴィ・クリアネットと共に、大敵を探すため村に乗り込む。
感想などなど
この話のメインはあらすじに示したとおりであるが、最初の100Pほどは女王ヴィクトリアとノアとの出会いが描かれている。
この時登場する大敵の名は『獣の魔術師』ユンメルンゲン
この圧倒的な強者感。読みながら「この巻の敵はこいつなのかな」と思っていたが、実際は違った。
まぁ、今後絶対何かしらの形で関わってくるのだろう。
さて、メインあらすじで示したヴァラヴォルフについて説明しよう。
この大敵の特徴もとい武器は『人に化ける』だ。
これまで200年もの長い間、今まで変化がばれたことはなく、数多くの王家を滅ぼしてきた。
要は見つからないのだ。
エルザは最強とも言える大敵の一体(が憑依している姿)だ。その彼女ですら、大敵の存在を感知できずにいた。
もはや人間のコミュニティに完璧なまでに溶け込んでいる。前巻最期の戦いで圧倒的な強さを誇っていたノアも、まず見つけられないことに始まらない。
しかし、読者には正体が比較的早く示されている。
短くはあるが、大敵の視点も入って物語は進行する。
アクションシーンは相変わらずかっこいいし、前巻を読んだ人だったら分かってもらえると思う。しかし、今回はそれだけではない。
ヴァラヴォルフは最期何を考えていたのか。
人と大敵。その関係性を考えさせられる物語だった。