※ネタバレをしないように書いています。
※これまでのネタバレを含みます
残酷な現実を前に生きていく。
情報
作者:枯野 瑛
イラスト:ue
あらすじなどなど
妖精兵で或るクトリ達が《六番目の獣》との決戦に赴いて半年。
ヴィレムは未だ彼女たちの帰りを待っていた。
そんな時時代を担う妖精兵である少女・ティアットを連れ、11番浮遊島へ検査に向かったヴィルムは、そこで『決戦敗北』の報を受ける。
感想などなど
前巻では戦いに見送るという何とも良いところで終わっていた。「えぇぇ……まだまだこれからじゃないか」と思った人は自分だけじゃないと思う。クトリやアイセンなど生活を共にしていた仲間が死にに行こうとしていた。
そんな中でも、主人公だけが生きて帰ってきて欲しいと告げた。
それに答えようときっと戦場ではクトリ達が頑張っているのだろう。
一方、物語は島に残されたヴィレム側の視点で進んでいく。伝わってくる情報は断片的で、ただ待つことしかできない。ただ不安のみがつのっていく。
そんな日常が進む中、突如聞かされる『決戦敗北』
彼の心情は複雑だ。最初から勝てる見込みの方が低い話だった。しかしどうしてもあきらめきれないものが主人公にはあったのだ。
終末の世界。徐々にやってくる滅亡の時。伝わってくる絶望感が個人的には堪らない。
それと同時に気丈に振る舞おうとしている人々や懸命に非情な運命と戦おうとする人々の姿勢に心打たれる、
相変わらずさりげなく描かれた伏線がすごい。冒頭で人類が滅亡する前の世界だったのだが、そのシーンもかなり大事になってくる。そこら辺の内容が回収されたときは鳥肌が立った。
本当に面白い。全巻読み終えた後、また読み返したいと思える作品だと思う。まだ作品としては完結していないようであるし、外伝(?)的立ち位置の作品もあるようなので、おそらくそちらにも伏線が張り巡らされているのだろう。
この文章を書きながら、重要なネタバレをしないように頑張っている。しかし、いつか全巻読み終えた後にネタバレありでまとめたい。アニメも見なければ。