※ネタバレをしないように書いています。
※これまでのネタバレを含みます。
この主人公……できるっ!
情報
作者:夏海公司
イラスト:Ixy
ざっくりあらすじ
四月の地獄を乗り越えて、会社に馴染んできたある日。桜坂工兵は室見立華に、桜坂工兵の歓迎会(?)を開くよう命令される。
自身の歓迎会を自分で企画する桜坂工兵。
それは普通の飲み会になるはずだった……。
そんな中出会った同僚の姪乃浜梢
彼女はシステム運営担当、OS部であり、
SE部上司室見立華と犬猿の仲であった。
感想などなど
五巻くらいまで読み終えた本日。この作品が相当古い作品であり、十六巻で完結していることを知りました。年明けに決行しようと密かに計画している書店巡りが楽しみです。
さて、全巻では室見立華との出会いと距離が縮まっていく物語でした。
読んでいて思ったのは、主人公がめちゃくちゃ優秀であるということ。
徹夜で勉強したからと言ってシステムを不完全ながら構築する様は、正しくイケメンです。自分にはできる気がしません。
今回はOS部とSE部の対立がメインとなります。
まずOS部とは何か説明しなければいけないでしょう。OS部とは簡単に言えば「運用」です。ソーシャルゲームのサーバとか、問題が起きた場合に対処してくれるのが、このOS担当の人間になります。
そのOS部の代表が姪乃浜梢。ゆるーく可愛い感じの彼女。仕事に関しては非常に厳格といいますか……厳しいといいますか、とにかくSE部へのあたりが強い(その理由も描かれていきます。優秀すぎるが故の苦悩というやつですね)。
彼女の過去が描かれるわけですが、もはやホラーです。怖すぎます。
人一人の行動で会社が壊滅していく様は想像しただけで、背筋が凍り付きます。彼女の場合、全くもって悪気がなかった……いえ、元々全くもって悪くなかったので、たちが悪い。誰が悪いと責め立てることもできない、やるせない物語がそこにはありました。
そこらへんは読んでからのお楽しみというわけで、どうぞ買って下さい。
主人公もそんなOS部とSE部という犬猿の仲の二人に挟まれて奮闘します。システムのことなんて分かっていないはずなのに、彼は機転を利かせて成功へと導いてきます。有能すぎて怖いくらいです。
この主人公……これは、惚れますわ。