工大生のメモ帳

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狼と香辛料Ⅲ 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

これは商人同士の決闘だ。

情報

作者:支倉凍砂

イラスト:文倉十

ざっくりあらすじ

行商がてら、ホロの故郷ヨイツへの情報を求めて、冬の大市で賑わう町クメルスンやってきた二人。そこで若い魚商人アマーティに出会う。

どうやらアマーティはホロに一目惚れしてしまったらしい。アマーティは彼女に急速に近づいていく。そんな中、ホロとロレンスの関係性はすれ違い、誤解が誤解を呼び、事態は町を巻き込んだ大騒動へと発展していく。

感想などなど

一巻、二巻含めてロレンスは商人としてかなりの成長を遂げました。大きな紹介と顔見知りになったり、絶望的な状況から機転を利かして脱却したり……ホロと一緒に乗り越えてきました。

巻数的にはたったの二巻かも知れませんが、得た経験値としては計り知れない物があります。

 

今回の騒動の中心には、ホロがいます。あらすじの通りホロを巡っての二人の男の決闘が、町全体を巻き込んで行われていきます。

今回の自分の理解としては「今までただ同然だったゴミの価格が高騰していく。商人達はこぞって買いあさり、限界まで高騰したときに売り抜けようとしている」と言ったところでしょうか。違ったらまた言って下さい。

まぁ、また経済学初心者にとっては小難しい話が展開していくという風に理解していればいいかと思います。

 

今回の話の盛り上がりはホロとロレンスの関係性が明確になりつつある、といった所でしょうか。今までも二人は事件に巻き込まれつつ共に乗り越えてきました。しかし、その裏側には「ホロからロレンスに対する恩」や「ロレンスからホロに対する同情」が少なからずあったように思います。それに事件には予想外の事態に仕方なく巻き込まれていた感じでした(ややこしくしていたのはホロだったり、ロレンスですが)。

今回は違います。アマーティがホロに惚れたのは予想外ではありますが、勝負を引っかけられて乗ったのはロレンスでありますし、自ら進んで戦いに挑んでいます。

 

あらすじから見るに、アマーティという男は「ホロをロレンスから奪おうとする男」と見えるかも知れません。しかし、

商人としての素質良し。

外見良し。

性格は好きになった女性のために何かを賭けることのできる覚悟のある、男気あふれた若き商人です。

まぁ、それはロレンスも負けてはいないわけで……

 

ホロとロレンス。

神と人であったとしても、男と女。

さて、二人の関係性はどうなっていくのか。楽しみです。

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