工大生のメモ帳

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ブギーポップは笑わない 感想

※ネタバレをしないように書いています。

語られ続ける名作

情報

作者:上遠野浩平

イラスト:緒方剛志

ざっくりあらすじ

第1話 浪漫の騎士 竹田啓司

――僕は自動的なんだよ。周囲に異変を察知したときに浮かび上がってくるんだ。

――だから名を不気味な泡(ブギーポップ)という。

僕の彼女はそう言った。

第二話 炎の魔女、帰る 未真知子

ブギーポップという不思議な人間の話だ。背が低くて、真っ黒いマントを着て……

どうやらこのブギーポップの話は男子達には内緒にされているらしい。女の子だけの伝説なのだ。

第三話 世に永遠に生くる者なし 早乙女正美

十五歳にして始めて恋をした。

付き合いたいとかそういうことではなくて、ただ単に殺して欲しいだけだった。

でも、今やあなたの敵だ。

第四話 君と星空を 木村明雄

宇宙人さ。

彼女はそいつに連れられて天に昇っていったんだ。

第五話 ハートブレイカー 新刻敬

普通じゃない。

これは現実なの? ねぇ、教えて――

感想などなど

アニメ化ということで名前は知っていたけれでも、読んだことのなかった本作に手を出した。

五話の短編によって構成された群像劇。それぞれの短編で異なる主人公が奇妙な物語を紡いでいきます。

一話ずつざっくりと感想書いていきます。ネタバレをしないように書いていきますのでご安心を。

 

さて、導入の第一話。主人公は深陽学園の生徒、竹田啓司。早速タイトルにもなっているブギーポップのご登場です。ブギーポップとは彼の彼女である宮下藤花の二重人格の現れた姿と一応語られております。

そんな彼女は男の口調で語ります。

「この世界に危機が迫っている」

と。そんな彼女(?)と彼の会話が淡々と描かれているのが第一話となっています。事件が起きているとブギーポップは語るけれども、彼の日常はあまりにもあっさりと過ぎ去っていきます。まぁ、二週目だと色々と考えられるわけですが……。

 

続いて第二話。主人公は殺人事件や心理学に詳しいちょっと変わった女子高生、未真知子。昔、逮捕の目前まで追い詰められ自殺した連続殺人犯の次の標的として選ばれていたという過去から、殺人事件やそういった犯人の心理に興味を持ったのだという。

そんな彼女はひょんなことからクラスで”炎の魔女”というあだ名をつけられた”普通ではない”女生徒、霧間凪と仲良く(?)なります。

一見不真面目で周りを距離を置いているだけの霧間凪は最近頻発している失踪事件を追っている……とのこと。

果たして霧間凪はどのように事件に関わってくるのか。事件の闇が濃くなって参ります。

 

そして中盤、第三話。主人公は早乙女正美。女性のような名前ですが、男子高校生です。

ここで事件が、物語が急展開していきます。今までどこかぼんやりとしていた事件が明らかになっていきます。背後にうごめいていた謎の影。そして、協力者の存在。

早乙女正美と事件の関わりとは一体何なのか。

 

さてさて第四話。時間が少し進行して、事件が終わった後となっています。

主人公は木村明雄。事件当時は高校生でした。関係性としては失踪事件で失踪した女生徒の友達で、その相手に対して少なからず恋愛感情を抱いていた。

数年経過しても彼女のことが忘れられない彼。思い出されるのは彼女の言葉。

「彼、宇宙から来たのよ」

宇宙から来たというエコーズと名付けられた彼とは一体何なのか。

 

泣こうが喚こうが終わりの第五話。

これまでの四話で書かれた伏線が一気に回収されていきます。これまでのただ淡々とした日常だと思っていた背景でうごめいていた存在が、姿を見せて非日常へと引きずり込んできます。

次々と巻き起こる信じがたい現実。怪しかったあの人も、いまいち何をしているのかよく分からなかったあの人も、タイトル名にもなっている彼(彼女?)も登場して、事件は終結へと向かっていきます。

これまであまり関わってこなかった風紀委員長、新刻敬目線で語られていく最終話。圧巻の一言です。

 

感想ブログを40個ほど書いていますが、一番書くのが難しかったです。それは決して面白くなかったとかそういうわけではなくて、この作品の魅力が日常の背後に広がる圧倒的世界観であって、それを伝えるのが自分程度の文章力と語彙力ではできない……と書きながら分かりました。悲しきかな。

ブギーポップは笑わない (電撃文庫)

ブギーポップは笑わない (電撃文庫)

 

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