※ネタバレをしないように書いています。
※今までのネタバレを含みます。
師匠のあるべき姿とは
情報
作者:白鳥士郎
イラスト:しらび
ざっくりあらすじ
「文句があるならかかってこい! 八一!」
清滝一門の祝賀会。師匠である清滝鋼介九段からたたきつけられた言葉に、八一は衝撃を受ける。
昇級のチャンスを迎えた八一と降級の危機に瀕した清滝。
師匠の苦しみを理解しつつも八一は自身の研究を信じて破竹の進撃を続ける。
一方清滝は自信の衰えを感じ将棋への熱意を失いつつあった。
師匠として、一人の棋士として、清滝の選ぶ選択とは……
感想などなど
前巻のメインが空銀子とするならば、今回は空銀子や九頭竜八一の師匠である、清滝鋼介九段がメインとなっている。
一巻の冒頭ではおもらしをして、携帯のソーシャルゲームに課金する。そんな師匠しか見てこなかった読者でありますが、そんな彼の師匠としての姿勢や棋士としての姿を描かれていきます。
自分の弟子である八一は最年少竜王となり、銀子も女流棋士として(まぁ、女流棋士にはならず棋士を目指すようですが)最強。八一の弟子二人に至っては、小学生にして女流棋士となり、破竹の勢いで進んでいきます。
一方清滝鋼介はどうだろうか。
娘である桂香さんも25歳。何年間将棋棋士として活躍しているか分かりませんが、もうかなりの歳のはず。
九段ではありますが、それでも歳による読みや注意力の衰えは避けられません。
公式戦での頓死。
大駒のただ取り。
「プロとしてはあり得ない」とまで言われ、挙げ句の果てに「自分は絶対なりたくない」言っていた老害扱い。
自らの限界を感じる。そして、選択に迫られるわけだ。
一つ、弟子に教えを請う。
二つ……引退。
つきまとうのは過去二回名人に挑んだという栄光。
迫り来る順位戦。選択の時はもうすぐそこにまで来ている。
才能の差というやつが残酷なまでに描かれている本作。
熱い才能、努力のぶつかり合い。
師匠と弟子の選択と関係性、そして師匠の最後の台詞。おっちゃん達がかっこいい回でした。