工大生のメモ帳

読書感想その他もろもろ

異種族と食事する

今週のお題「納豆」である。

ということで一番にブログ主が思い浮かべたのは「異世界食堂」である。異世界と通じた扉が現れ、その異世界から様々な客がやって来る創業七十年の老舗食堂「洋食のねこや」を舞台にした「小説家になろう」作品である。

名前の通り、異世界人に向けた食事を提供することで物語が展開していく。そんな中、納豆を使った料理を提供する回があった。

第十話のフェアリーとエルフ回だ。

前半では蝶の羽を持つフェアリー達が、可愛らしいクレープを食べて虜になってしまうという ”いつも通りの展開” である。ブログ主的には、フェアリーに勧める料理として「苦いものは苦手」としてプリンを外したり、小さい彼女達には器に入ったパフェを外すなどの配慮が個人的に好きだったりする。

問題となるのは後半。動物などを食べないエルフに向けて、まさかの納豆スパを食べさせるという展開である。まぁ、確かに食べることはできるのだろうが……しかも美食家であるというエルフの一番の好物が「納豆スパ」であるというのだから驚きだ。どのような物語であるかは、アニメを見て是非とも確認してほしい。

「異世界食堂」で描かれている優しい世界のように、食事というものは、種族を越えた親睦を深めることができるアイテムとして描かれることが多いように感じる。例え些細な描写であったとしても、登場人物達の仲が深まっていく一つの過程として、食事を共にするという行為は外せないのかもしれない。

「ダブルブリッド」という作品では、人間とDNAの構造が異なった生命体・怪と人類との共存が描かれていく。そんな怪と人とを結ぶギミックとして、食事というものが頻繁に描かれていた。人を食べる怪達が鍋を囲む姿というのは、それまでやその先の展開を考えてみると感慨深いものがある。

では、その中で納豆はどうだろう。

納豆が好きという登場人物はあまり聞いたことがないが、納豆が嫌いという登場人物はそれなりにいるような気がする。印象で語ってしまって申し訳ないが、大抵の納豆が嫌いとされる登場人物達は国外での生活が長い日本人か、外国人であると相場が決まっているように感じる。逆に外国人で納豆が好きという場合に、「日本がめちゃくちゃ好きなんだな」と勝手に思ってしまうのは、ブログ主だけだろうか?

人と人とを結んでくれる食事において、納豆は日本と世界を結んでくれるのかもしれない。納豆のことを嫌い嫌いという人は、つまり一度は納豆という異文化に挑戦してくれたということに、ふとブログ主は気付くのだった。