工大生のメモ帳

読書感想その他もろもろ

終末、元気ですか?

今週のお題「2020年上半期」を振り返ってみると、一番多くの人に影響を与え、印象に残っているのは某感染症なのではないだろうか。

社会に漂う自粛ムード。会社に向かうために時間をずらして乗った電車はガラガラで、道中に人の往来もなく、多くの店がシャッターを閉じている光景は見慣れつつある。

初めて見慣れた街並みにシャッターが下りている光景を見たとき、ブログ主はこの世の終末を感じた。昼間であるのに人がいない街並みというのは、どうにも不気味で、そこから感じる恐怖や不安を、終末を迎えて荒廃した世界と重ね合わせてしまったのだろう。

ライトノベルでも、そんな終末を迎えてしまった世界を描いた作品というのは多い。

例えば「世界の終わり、素晴らしき日々より」

突然、世界のほとんどの人が消えてしまった世界で、チィとコウの二人が旅をしていく作品である。世界が終末を迎えてしまった作品の特徴として、終わりはどうにも煮え切らないことが多いが、本作は例外だ。完璧で、一切の後腐れのない結末を見せてくれる。

他には、「旅に出よう、滅び行く世界の果てまで」

『喪失症』という奇病が蔓延し、名前を失ってしまった少年と少女が、一台のスーパーカブに跨って日本を旅する作品である。設定として、名前や記憶が徐々に消えていくということになっているため、出会う人は皆名前がなく、少年や少女といった名詞で呼称される。人には出会うのに、どことなく漂う独特な終末感が魅力となっている。

アニメ化もされた作品としては「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?」

謎の存在『獣』によって地上が滅ぼされ、上空に浮かぶ浮遊島群に逃げ延びた種族たちの生き残りを賭けて戦う、少女たちの物語である。

ブログ主はアニメを見て号泣した。今はまだ二巻までしか感想を書いていないが、実際は五巻くらいまで読み進めている。いずれ感想を書くと思うので、その時まで待って欲しい。まぎれもない名作である。 

終末に関して、三作品を紹介した。それぞれに終末を迎えてしまった理由というのが異なっている。

一作目「世界の終わり、素晴らしき日々より」は戦争による兵器の誤作動では? と推測される。二作目「旅に出よう、滅び行く世界の果てまで」は、『喪失症』という謎の病が原因だ。三作目「終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?」は、『獣』という第三勢力による侵略が原因となっている。

当たり前ではあるが、どれも空想の産物である。

しかし、世界の終末というのは一瞬で、「前触れなんて感じる余裕もなく迎えてしまうのではないか?」と、今の世を生きていると考えてしまう。ブログ主は、何もなすことなく死んでしまうモブの一人に過ぎないんだろうな、という想像が脳裏をよぎる。

例え終末を迎えても、元気で生きていける人間でありたい。そんなことを思う今日この頃であった。