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【漫画】GROUNDLESS:2 ―第三穀倉地域接収作戦― 感想

【前:第一巻】【第一巻】【次:第三巻】

※ネタバレをしないように書いています。

銃は別に好きじゃなかった。

情報

作者:影待蛍太

出版:双葉社

ざっくりあらすじ

復讐を終えたソフィアは娘を連れて、戦地から離れた生活へ。終わらない戦火の中へ、四日しか訓練を受けていない者達も交えて向かって行く小隊がいた。彼・彼女達の戦況の行方は如何に。

感想などなど

隻眼の狙撃兵であるソフィアは娘を連れて内地へと戻っていく。しかし、戦争が終わったという訳ではない。第一巻の終わり際に募集されていた志願兵達が、たった四日の区連を経て作戦に動員されていく。

拳銃は引き金を引くだけで人を殺せる。つまり兵士を作るのが容易になった。

しかし戦地で重要なのは銃を撃つことだけではない。撃った弾丸は相手に当たって、敵を殺せなくてはいけない。相手に撃たれる前に相手を見つけ、先手を撃たなければいけない。銃弾以外で死ぬことを避けるため、食料や体調の管理だって重要になってくる。いざという時に引き金を引けるだけの覚悟も必要になってくるはずだ。

ソフィアはそういった意味で、有能な兵士だったのだなと知ることができる第二巻。ソフィアのいなくなった小隊の行動を見ていこう。

 

『第三穀倉地域接収作戦』というのは、名前の通りの作戦内容となっている。第三穀倉地域に接近して、兵を構えているという倉庫に襲撃するのだという。その日暮らしな市民のために、食料やら武器もあれば御の字。作戦が成功すれば市民の士気向上にも繋がる。

山岳を越え、見通しの良い平原を慎重に進み、目的地へと向かっていく。

ここで大きな障害が二つほど立ち塞がることとなる。

一つ目は『小隊の練度不足』。流石に四日の訓練は短すぎた。「敵がいた!」ということでいきなり発砲する部下。勝手に突貫する部下。体力不足過ぎてまともに移動すらできない。

酷い。もはや軍隊という体すらなっていない。彼・彼女達はただ武器を持っただけの平民に過ぎなかったのだ。

二つ目は『差別意識』だ。これは一つ目とも少しばかり関わってくる。

また、『差別意識』について知って貰うには、この島の歴史について知って貰わなくてはいけない。まぁ、簡単に説明すると、島に本来住んでいた原住民と、後からやって来た移民間で起こっているいざこざだ。あれ……どこかで聞いたことがあるような……。

ここまで説明して分かっていただけたのではないだろうか。何よりも恐いのは、無能な味方なのだ。

 

そんな戦争が起きている中、ソフィアは平和な日常を……送れていませんでした。

彼女の場合も問題が二つ発生している。

一つ目は『娘ナディアが腸腐れを発症している』という点。薬はないこともないが高い。狙撃兵を辞めたことで金銭的な余裕もないようであった。

二つ目は『差別意識』がここでも関わってくる。先ほど原住民と移民間の話だと書いたが、その二つから差別を受けている人種がいた。それが混血、だ。それぞれの純潔は混血と関わろうとはしない。武器商人と結婚してそれなりの扱いを受けていたソフィアは奇蹟だったのだ。

様々な問題が降りかかり、ソフィアは自身が生きていく場所を探すことになる。彼女が再び好きではなかった銃を取るのは、時間の問題だったのかもしれない。

もう彼女の生き場所も死に場所も決まった。あとは敵を待つのみである。

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