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【漫画】HELLSING(2) 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

化物を狩る

情報

作者:平野耕太

試し読み:HELLSING (2)

ざっくりあらすじ

「王立国教騎士団」通称「HELLSING機関」に、食屍鬼で編成された軍隊が攻め入ってきた。部下は皆殺しにされ、次々と食屍鬼と化していく中、インテグラの命に従い、アーカード達も動き出す。

感想などなど

HELLSING機関には敵が多い。吸血鬼に代表されるような化物に敵視されるのは当然として、特務局第十三課イスカリオテという組織との縄張り争いもある。この第二巻ではHELLSINGの敵対組織に新たな名前が刻まれていく。

その組織の名は「ミレニアム」。これまでアーカードが解決してきた吸血鬼による襲撃と、それに伴う食屍鬼の出現は、どうやらこいつらの実験を兼ねた事件だったようだ。

そして今回はバレンタイン兄弟が食屍鬼の軍隊を引き連れて、HELLSING機関の幹部達が集められた円卓会議に襲撃して来た。円卓会議ということもあり、それなりの護衛がいたように見受けられるが、あっさりと殺され喰われていく様は、なかなかにグロテスクだ。

食屍鬼の厄介な所は、喰われたそばから増えていくことにある。つまり、HELLSINGの護衛をしていたインテグラの部下達が食屍鬼と化していくのだ。戦闘をすればするほど戦力が削がれていくはずの戦場において、勝手に増えていく戦力というのは恐ろしいことこの上ない。部下が化物となっているというのは、精神的にもきついものがある。

そんな鬼畜作戦を指揮するバレンタイン兄弟も厄介な奴らだ。特に冷静な言動を心がけているらしい兄は、HELLSINGの抱える最強兵器・アーカードに対する切り札を持ち合わせているらしい。

この一連の事件における見所は、『バレンタイン兄とアーカードの戦闘』と『ウォルターの活躍』だと個人的に思う。他にも厨二心をくすぐられる台詞の数々等々、語りたいことは多々あるが、ネットで検索すれば「パーフェクトだ」「小便はすませたか?神様にお祈りは?部屋のスミでガタガタふるえて命ごいをする心の準備はOK?」とか有名なのでいくらでも出てくると思われる。

 

バレンタイン兄は吸血鬼としての力を手に入れ、アーカードに挑んで来た。ヒトには真似できない超高速に、銃で撃たれた程度では死なない超回復、死んでも死なない不死性。これぞ吸血鬼だと言わんばかりに力を振るい、アーカードと脳漿やら血を飛び散らせながら戦う。

その時のアーカードが楽しそうに、良い笑顔で戦うのだ。外観も人とはかけ離れた滅茶苦茶な姿と化し、何発弾丸を撃ち込まれ、バラバラに飛び散っても飛び散った先から全く別の姿の化物と化していく様は絶望感が尋常じゃない。

同じ吸血鬼でありながら、ここまで差が生まれるものなのか……? 絶望し嘆くしかできなくなってしまったバレンタイン兄の最期は、それはそれは醜い。

そんな戦闘の一方、バレンタイン弟と食屍鬼と戦うウォルターも、老いぼれを自称しながらもその技術の高さから繰り出される攻撃の数々は目を見張るものがある。脅威の耐久を持つ食屍鬼を切り刻んでいく糸攻撃は、これもまた厨二心をくすぐってくる。

大人になってからも尚、厨二心がくすぐられるのだ。もしも多感な頃に読んでいたらヤバかったかもしれない。

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