※ネタバレをしないように書いています。
嘘つきが勝つゲーム
情報
作者:甲斐谷忍
試し読み:LIAR GAME 2
ざっくりあらすじ
1回戦をなんとか勝ち上がった神崎直の元に2回戦への招待状が届く。集合場所に指定されていた洋館に着くと、そこには大勢の1回戦の勝ち残り総勢22名がいた。彼らと敵対して行われる次のゲームは『少数決』。
感想などなど
1回戦で恩師との間で1億円の奪い合いをすることになった神崎直。恩師を信頼してお金を預けて守って貰うという意味不明な話を真に受けて、まんまと1億円を奪われたところを、天才詐欺師・秋山に助けて貰うことで事なきを得た。
1回戦というだけあって、あっさりとした勝ち方だったなと思う。ルールもとてもシンプルだったため、騙し合いではあったのだが、騙し合いをしたという感じもなかった。
そんな中、迎えた第2回戦。ゲームは『少数決』。
ルール説明が始まる前に、前提知識として全メンバーに1億円ずつ事務局から振り分けられており、ゲームの最後にネームプレートと引き換えに回収される。つまり回収時点でネームプレートを持っていなかった場合、1億円の借金を抱えていることになる。
そんなネームプレートを賭けたゲーム『少数決』のルールは非常にシンプルで、仮面を被った男の説明も3ページくらいで終わる。
- 二者択一の問題が出題されるので、それに対し、プレイヤーはイエスかノーかの答えを投票する
- 全員が投票し終わったら開票、その結果、少数派になる回答をした者が勝者となる
- 敗者はネームプレート(=1億円)をその場において退場
- 勝ち残りが一人か二人になるまでゲームを続ける
勝ち残りが一人の場合は21億円(最初の22億から自分の分の1億を引いた金額)、二人の場合は10億円が賞金として渡される。ルール説明の最中に、プレイヤーから「仕組まれてるんじゃねーか‼」とヤジが飛んでいたが、ルールを見て貰えば分かる通り、事務局の人間を仕込ませて誰かに絶対勝たせるように仕向けることは不可能……つまり、このゲームに必勝法はない。
そう思っていたのだが、秋山さんは断言する。
このゲームには必勝法がある
この記事ではネタバレなしをうたってしまっているので、秋山さんのいう必勝法をここに解説してしまうことはやめておこう。ただポイントは、このゲームで勝ち上がることができるのは一人 or 二人の必ずいずれかということだ。
この状況下では誰かと協力することができない、個人で戦うしかない……と考えることが、このゲームにおける必勝法を見えなくしている。言ってしまえば、秋山の考えた必勝法はチームを組むというものだ。
……ここまで書いてしまうと、ほぼネタバレみたいなものだな……。
秋山の必勝法を聞く限り、彼の作戦は完璧で負けようがないように思えた。しかし秋山は懸念がない訳ではないと口にする。それはチームを組むにしても、裏切られてしまった場合の懸念である。
秋山の計画通りにゲームを進行させている中、秋山は不穏な言葉を口にする。
この場は俺の想像する最悪のシナリオで働いている可能性が高い
第二巻を自分は二周している(二巻に限らず)のだが、秋山が語る違和感が露骨に演出されて描かれていたのだな、と分かる。
この第二巻のハイライトは裏切り者が正体を明かすシーンだろう。それまで散々秋山が不穏な空気であることは語っていたが、読んでいる間はいまいち理解できなかった。
その不穏さ全てが点と点で繋がって、「負けていた」ということを突き付けられる。裏切り者の勝ったことを確信した表情、自分がしてきたこと全てを説明してくれているのを聞きながら、秋山さんを見ると全く慌てていない。
とてもシンプルなゲームであるために、時間を有効活用して、秋山の計画を利用して勝とうとした黒幕。それを上回った秋山の策略。戦況が二転三転する目まぐるしいゲームだった。
