工大生のメモ帳

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なれる!SE8 案件防衛?ハンドブック 感想

ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます(一巻の感想はこちら→なれる!SE 2週間で分かる?SE入門 感想 - 九工大生のメモ帳

案件防衛の指南書

情報

作者:夏海公司

イラスト:Ixy

ざっくりあらすじ

 とある大企業のコンペで、工兵は競合するライバル社、アルマダ・イニシアティブの新人エンジニア、次郎丸縁に出会う。同じ新卒ということで親しみを覚えるが、彼女はスルガシステムを脅かす存在だった。

彼女はあらゆる新規コンペや既存の顧客を奪い取っていく。工兵は対抗すべく、立夏と一致団結するが……。

感想などなど

ブラック企業の日常、第八弾。ブックオフに行っても中々置いてなくて、探すのに大分苦労しております。

今回のお仕事は案件のお仕事。つまりは新しい仕事を得るための大プレゼン大会といったところでしょうか。そう書いてしまうと可愛らしいのですが、実際はピリピリとした緊張感ある頭脳戦が繰り広げられます。

戦いの基礎の基礎として大切なのは、相手のニーズにしっかり応えること。

案件は初めてではないので手慣れたもの……と思いきや、相手はその上を超えていきます。相手企業の質問攻めに対して「できません」「考えていませんでした」と答える様子は中々に絶望感があります。

まぁ、たった一回負けた程度であるならば、「こういうこともあるかぁ」で済んでこの物語も終わり。「次こそ頑張ろう」と戦いはまだまだ続くエンド……

ではなく、更なる追い打ちがかけられていきます。

今まで案件を取り付けてきた企業から次々と届くメール。「実は外部に任せることになりました」「別の企業に発注することになりました」「別の会社に依頼しています」

などなど。

簡単に説明すると「あなたの所にはもう任せたくないから、別の所に頼むわ」といった感じ。別に恨みをかったという訳ではなく、単純に別のところに頼んだほうが、利潤が出るからです。

問題はその ”別の所” とはどこなのか?

何を隠そう、その企業こそが工兵を負かした新人、次郎丸縁が務めるアルマダ・イニシアティブでした。

 

何か上の文章だけだと絶望感が足りないので、もう少し説明を加えていきましょうか。

まず取ってきたはずの案件が次々と横取りされている件について。

学生である自分にとっては「そんなことあり得るのかよ……」といった感想なのですが、仕事を頼む企業からしてみれば、そんなこと知らないといった感じだそうで。

新規コンペで企業ごとに競合してもらうのは、より自分の利益につながる仕事をしてもらうためのもの。当然より安くて、優れた仕事をしてくれる企業が見つかればそっちに乗り換える……。弱肉強食の怖い世の中です。

当然取ってきたはずの仕事がなくなれば、儲けも減っていきます。それだけではなく、進めてきた仕事も全て無駄になってしまう……一体どれほどの損失が出るのか、考えたくもありません。

そして大企業の新規コンペの争奪戦で負けた件について。

工兵もかなり優秀です。過去大企業を策略で捻り潰しています。決して弱くはないはずであって、今回も決して手を抜いたつもりはありませんでした。

そんな彼を超える策略とプレゼン力で打ち負かす次郎丸縁。

さてここにおける問題は何か。いや、まぁ、問題ばっかりなんですけどね。

次々と案件が奪われて、仕事がなくなっているという現状。新しい仕事を取らなければ、会社は潰れてしまうかもしれません。

それなのに彼女がいるせいで案件をとることができない。

彼女たった一人の存在によって、スルガシステムは危機的状況に陥っている……。

この作品の女性たち怖すぎませんかね……。カモメさんしかり、梢さんしかり。

 

珍しく新キャラが敵として登場。もっとちゃんと絶望感を伝えたかったのですが、やはり文章を書くということの難しさを噛み締めております。

 ↓次巻の感想はこちら

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