まず最初に
第一話の展開には驚かされた人も多いのではないでしょうか。かく言う自分も原作では驚かされました。「こう来るか」と。
前半と後半で驚きを演出するために、かなりの部分を削っているという印象があります。しかし、それらのシーンは伏線張りのための日常であるため、省いてもストーリーとしての問題はないという判断なのでしょう。
二話の展開は原作と少しばかり異なっている。細かなところではあるものの、キャラクターに対するイメージが大分変わってくる点だと思うので、丁寧に解説していきたい。
用語・人物解説
如月 雨露
- 彼女が欲しいがために受けの良い仮面を貼り付けて生きていた男。そんな努力もむなしく、可愛い幼馴染みと美しい生徒会長は親友のサンが好きになったようだ。
- 一連の騒動を経て、ベンチにトラウマを抱くこととなる。今後ヒロインっぽい子が出てくると、ベンチに注意を払うこととなった。
- 彼の好きな女性のタイプは、『無条件で俺のことが好きで、すんげぇ美人で胸がでかい女。性格は静かでおしとやか』。この特徴に一致する人物はというと……誰やろなぁ……。
日向 葵
- ビッチという言葉が良く似合う女子高生。最高にうざったくて好き。
- ジョーロと二人で映画に行くことはデートに含まれず、部屋にも平気で上がり込み、男であるということを気にせず抱きついてくる。現時点でジョーロを全く男として見ていないことが良く分かって貰えただろうか。
- テニスはそれなりに強いらしい。その辺り、妙にリアリティがある。
秋野 桜
- 美人な生徒会長。料理スキルカンスト、その他学生としての本分である学業も申し分ない。しかし、他人に教えるといった行為はかなり苦手である。
- 二人で食事をするために花見に家族で行くような弁当箱を用意した。手加減という物も苦手らしい。
- 焦ると口調が部家風になる。
三色院 菫子
- 可愛い。
- アニメにおける初登場では『ジキル博士とハイド』 を持っているが、原作のプロローグでは『羅生門』を持っている。古典作品が好きらしい。
- コスモスやひまわりは学校の生徒達に良い意味で知られているが、パンジーは可愛くないという意味で知られている。クラスの男子達が「誰が最も可愛くないのは誰か」という議題で真っ先に上がる名前が三色院菫子だった。
大賀 太陽
- 野球部のエース。成績はお世辞にもよろしくない。
- 串カツが大好き。コスモスが作った弁当には串カツがぎっしり詰まっていた。
- 性格がよさそう。
用語・人物解説
図書室にて
サンに「コスモスとひまわりの恋の手助けをしている」ということを教えるぞ、とジョーロを脅迫したパンジー。そんな彼女の要求は、毎日図書室に顔を出すこと。
ストーカーである彼女の要求に応えるというのは、なかなかに怖いことであるものの、ジョーロは律儀に約束を守ることにしたようだ。向かった図書室に用意されていたのは手作りクッキー。ちなみにパンジーの作ったお菓子は店で売っていてもおかしくないおいしさであるらしい。
嫌ってはいるものの、何だかんだで彼女に進捗を報告するジョーロ。さて、彼は一体どのようにしてコスモスとひまわりを手助けしていたのでしょうか。
ひまわりの場合
ひまわりはサンと二人で映画に行く計画を立てたらしい。そのために二枚分のチケットを用意したところまでは良いのだが、自分で渡そうとはせず幼馴染みであるジョーロに頼む。最高に性格が悪くて好き。そりゃ、ジョーロも切れますわ。
この展開は原作とは展開(正確に言うと順番)が異なっている。原作ではまず始めにサンちゃんとひまわりの二人が会話するようにジョーロが仕向け、知らず知らずの内に映画の話になった。だったら映画に誘おうという流れになったが、ひまわりがその全てをジョーロに丸投げしようとして話が進んでいく。
アニメではあまり描かれていないが、原作におけるジョーロの計画はなかなかに理にかなっている。まず、ひまわりと並んで登校することを辞めさせた。ジョーロとひまわりが両思いだと思っているサンの誤解を解くためである。サンとひまわりが自然に会話ができるような場を整え、墓穴を掘ったひまわりを援護すべく思考を巡らす。二人にしておくと「ジョーロと映画を見に行った」話をしようとするため、放っておけない。
それにしても『MEAT WARS 和牛の逆襲』って……制作費60億ぐらいかかってそう。
コスモスの場合
サンと一緒にお弁当を食べるため、腕に抱えるほどの弁当箱を持ってきたコスモス先輩。しかし、その熱意はどうにも空回り。口調もおかしくなっている。
ひまわり同様、この辺りの展開も原作とは異なっている。同じ男を好きになるということは似た者同士なのだろうか。自分から積極的にサンちゃんに話しかけようとはせず、わざわざノートまで作って計画を立てているが、そのノートが生かされることはない。
原作ではジョーロがコスモス先輩に「毎日昼ご飯を一緒にしたらどうか?」と助言し、二人が一緒に食事をするために、ジョーロがサンに根回しをしている。また、まずは互いのことを知って貰うため帰りも一緒になれるように画策した。そんな有能ムーブもコスモス先輩はぶち壊していく訳ですが。
ちなみにお弁当箱には串カツが一杯である。胃もたれしそう。
この一連のひまわりとコスモスの騒動だが、原作ではもっとウザく、ギスギスとした話が続く。かなり削られていると言って良いだろう。ジョーロの胃が心配だ。
また「ひまわりの場合」と「コスモスの場合」で共通して登場する言葉『親友』。親友は何事においても免罪符にはならないということを、ここで言及しておこう。『親友』だからこそ、越えてはならないラインというものがある。
パンジーの助言
黙って話を聞いていたパンジーから当然の疑問、「サンに好きな人がいないのか?」が飛び出す。そりゃあ、そんな疑問は出るに決まってますわ。色々な事態が重なって、焦っていたとは言えど、親友の想いを無視していたことは許されない。
このジョーロとパンジーの会話にて、ジョーロの好みの女性のタイプに言及されている。用語・人物解説でも書いたが『無条件で俺のことが好きで、すんげぇ美人で胸がでかい女。性格は静かでおしとやか』である。俺も好き。
ベンチ4
気になるサンちゃんの思い人を訪ねるジョーロ。人がいるところではなんだからと、連れてこられた場所はベンチ。見覚えのある姿、形に光景。
土曜日にコスモス先輩と向かったデート先にて、サンちゃんへの想いを熱く語られた。日曜日にひまわりと向かったデート帰りの公園にて、サンちゃんへの想いを熱く語られた。昼休みの図書室では、パンジーに(ストーカーであることと)愛しているということを告白された。そんなベンチさんが再び現れた。
ジョーロは学習(トラウマとも言う)し、覚悟を決めてベンチに座った。
そんなジョーロに対して、サンちゃんの思い人とは……
三色院菫子さん!?
サンちゃんの回想
全ての始まりは昨年の地区大会決勝。惜しくも甲子園出場を逃した舞台。
皆を励ましていたものの、自分のミスで勝利を逃したという責任に押しつぶされそうになり、隠れて泣いていた。そんな彼は南口(東口にはコスモス先輩、西口にはひまわり)にて三色院菫子と運命的な出会いを果たす。
ここでは打ちひしがれたサンちゃんに対して、パンジーが言ったらしい台詞は、
『涙を流しながら怒れるのは、諦めていない人だけができることです。それに、貴方はとても優しい人。自分の悔しさを胸に抑えて、皆の前では笑って振る舞えるのがその証拠です。だから大丈夫。次は勝てます。だって貴方は、とても優しくて、強い人なんですから』
……あぁ、はい。これは惚れますわ。心が弱っている時に、そんな優しい言葉を言われたら。
サンちゃんの相談
ジョーロに三色院菫子さんとの仲を取り持って欲しいとお願いするサンちゃん。これまで全く繋がりがなかったようだから、何とかして細い繋がりを作りたいと考えるのは至極自然と言えるでしょう。
しかし、ジョーロとしては彼のお願いを受け入れることはできません。自分で努力しようとせず、全ての責任を押しつけようとしてくれる女子高生二人の姿が脳裏をよぎります。二人の恋愛を応援していながら、サンちゃんの恋愛も応援するというのはどう考えても矛盾しています。どう頑張ろうと叶うこともない恋愛を手助けしていたということになるのですから。
そんな本当のことをジョーロは「パンジーと全く仲良くない」と言って断ります。ここで嘘をついたのは不味かったことが後々分かる訳ですが。まぁ、この場を切り抜けるには嘘をつくしかなかったでしょう。
そして、もう一つサンちゃんからジョーロへの相談。
「その……。野球の試合でよ、打たれたら負けっていう大舞台で、相手チームの四番バッターが出てきたら、どうすりゃいいかな? やっぱ敬遠した方がいいと思うか?」
……うん、野球の相談ですね。前後関係を考えたとしても、どう考えても野球相談のように思えます。野球にはさほど詳しくないブログ主ですが、こういう場合は監督の指示に従うものなのではないでしょうか。
まぁ、きっとおそらく覚悟というか、その辺りの問題なのでしょうね。サンちゃんは真剣な面持ちでジョーロに訊ねます。対してジョーロは、
「信頼と努力。仲間と自分がやって来たことを信じて、どんなことにも逃げずに全力投球。それがサンちゃんだよ」
これまでずっと近くで見てきた『親友』だからこそ言える台詞ですね。サンちゃんには仲間と自分がやって来たことを信じて、今後とも行動してほしいものです。
パンジーが巻き込まれる
さて、サンちゃんの想いを知ったジョーロとして考えられる行動は四つ。
- ひまわりか、コスモスのどちらかとサンちゃんを付き合わせる。
- サンちゃんとパンジーを付き合わせる。
- ジョーロがひまわりか、コスモスのどちらかと付き合う。
- ジョーロとパンジーが付き合う。
1に関しては、まぁ、難しいということは分かって貰えるはずです。これまでのひまわりとコスモスの行動を振り返ってみて下さい。それに肝心なサンちゃんはパンジーが好きだと明言しているのです。彼の思いを無視するというのは無理筋でしょう。
2が理想ということになりますが、パンジーはジョーロが好きだと言っています。それにジョーロとしては性格の悪いパンジーとサンちゃんを付き合わせるというのは気が乗らない。
3に関しては、ジョーロが男として全く意識されていないために無理です。恋愛本を購入してまで勉学に励んでいたというのに。というか、そういった本にはどういったことが書いてあるのでしょうか。清潔感という単語が繰り返し登場してそうな印象です。
4は無理というよりは嫌という表現が適切でしょう。毎日のようにストーキングされながら、顔を見合わせれば辛辣な毒を吐かれる毎日を想像して下さい。新手の地獄でしょうか。
それでも何かしらの選択をしなければいけません。ジョーロが選んだのは2でした。
自分のような平凡な人間よりは、サンちゃんのような明るく男としてできている。彼の方が付き合った際に幸せにできる。パンジーに対して、サンちゃんと付き合うことをお勧めします。
……自己評価が恐ろしく低いですね。
しかも(言い方はどうであれ)告白した相手に、別の相手との交際を勧められるって自分なら意味分からなすぎて泣きそう。まぁ、パンジーの場合は状況が特殊ですし、互いに悪口・暴言を吐き合う仲ですが。
そんな話をしている光景を見たサンちゃん。「パンジーとは仲良くない」と言っていたジョーロを疑うことに。パンジーに話しかける男子が珍しいのだから、二人の仲を疑ってしまうのも無理はありません。
そんな彼を庇うパンジー。はたして彼女はどこまで状況を理解しているのでしょうか。どうやら今後に何か面倒くさいことが起こると考えているようですが……。
コスモスの場合
唐突にコスモス先輩に呼び出されたジョーロ。どうやらサンちゃんに「パンジーとの仲を取り持って欲しい」とお願いされた模様。
ここで理解すべきことは大きく二つ。
- サンちゃんの相談内容
サンちゃんはベンチで野球の相談をしていますが、あれの実体は恋愛相談だったということがここで判明します。『仲間と実体を信じて』というジョーロの助言から、コスモス先輩という強い味方を引っ提げて、コスモス先輩と仲良くなろうと考えたようだ。
- ジョーロの立場
よく考えて下さい。ジョーロがコスモス先輩の恋路を助ける義理はありません。全てジョーロの良心(?)によっての行動です。例えコスモス先輩とサンちゃんが付き合えないとしてもジョーロは何も悪くないのです。だというのにジョーロを責め立てるコスモス……好きな人に想いを告げる間もなく振られたことによる混乱もあるのでしょうが。いささか多くの視聴者としては納得のできない展開となっています。
ちなみにコスモス先輩は代金を払うことなく、カフェでの代金は全てジョーロ持ちとなりました。悲しいなぁ。
ひまわりの場合
コスモス先輩と同様に、ひまわりにも呼び出されたジョーロ。カフェでの失敗を生かし、部屋に呼び出した。どうやら彼女もサンちゃんに「パンジーとの仲を取り持って欲しい」とお願いされた模様。
サンちゃんよ。残酷な男よのぉ。ここで理解すべきことは、コスモスの場合と同じなので省略。
とりあえずジョーロの周囲の関係性はズタボロ。
パンジーの場合
パンジーとの約束を守るため図書室にやって来たジョーロ。そこにやって来たサンちゃんとコスモスとひまわり。
ここで思い出すべきは、
- ジョーロがサンちゃんに嘘をついていたという事実
パンジーと仲良くないとジョーロは言いました。しかし、実体は毎日のように顔を合わせ、告白もされた仲。
- パンジーもジョーロを庇って嘘をついたという事実
そんな嘘をついたジョーロを庇ったパンジー。それは生徒会の仕事上での関係でしかないというものでした。その嘘はコスモス先輩がその場にいたからこそ成立した嘘であり、この場では通用しません。
最後に
いやぁ、盛り上がってまいりました。記事を書く筆も乗るというものです。
ラブコメであるため書く内容に困るかなと思い悩みながら、毎回記事編集のページを開くのですが、何だかんだで文字数は6000を越えることに。自分の要約能力の欠如が原因でしょうか。
書いているのが楽しい作品でもあるので書き続けたいのは山々ですが、来週は再来週からは記事の投稿が遅れそうです。ご了承下さい。
アニメを見るなら
「俺を好きなのはお前だけかよ」一巻の感想はこちら