まず最初に
いよいよ最終話となってしまいました。何だかんだ、恵まれたアニメ化だったと思います。原作を良い感じに改変(膨大なキャラをストーリーに影響を与えない程度に削る、リョウマとエリアの絡みを増やす etc)されており、とても見やすくなっています。原作よりもテンポが良いと感じた人が多いのではないでしょうか?
アニメでは流石に、原作のように設定の詳細な説明がなされる訳ではないですが、そこを欠点と感じるかは人それぞれ。スライムの種類が滅茶苦茶増えて、金を稼げる仕事がそれに伴って増えていく原作の二期もやって欲しいです。
用語・人物解説
リョウマ・タケバヤシ
- スライムとしか契約していない従魔術師として、悪い意味で名前が知られていたが、リムールバードという契約が難しい魔獣と契約を結んだことで払拭されることとなる。
- ジャミール家の面々とは、しばらくの間お別れとなるが、ジャミール家からの招待を受けて会いに行ったり、護衛ヒューズの結婚式に招待されたりなどかなり密接な関わり合いを持つ。
- 第十二話で第三巻までの内容を終えたことになる。子供を襲う冒険者グループをボコボコにしたり、店を作りながら隣の花屋の人と仲良くなったり、アニメではカットされたキャラがもっといるなど、かなり細々とした点を省きつつアニメ化されているため、原作を読んでも新鮮な気持ちで楽しめるのではないだろうか。
エリアリア・ジャミール
- アニメで一番出番が増え、リョウマとの絡みも増えた人物。個人的にとても嬉しく感じる点である。
- 王都の学校ではクリーナースライムやスカベンジャースライムが大活躍したり、錬金術を研究する変わり者の友人ができたり、魔力量で怖がってくるような者が少なかったりと、かなり楽しい学園生活を過ごしているようだ。
- 原作を読む限りリョウマに対する恋愛感情はないように感じた。あくまで貴族であったが故にできなかった同世代の友人であり、同程度の魔力を持っていながら魔法の扱いに長けた者として頼りになる者としてみている。
ファントムリムールバード
- リムールバードの上位種。
- リムールバードの扱える風魔法に加え、光魔法まで扱うことができる。
- ナイトメアリムールバードよりも希少で、お目にかかること自体が稀。
ナイトメアリムールバード
- リムールバードの上位種。
- リムールバードの扱う風魔法に加え、闇魔法を扱うことができる。
- 上位種は数年に一匹見かけることができるかもしれない程度しかおらず、かなり希少な存在。そんな上位種が二匹も現れたのは、奇蹟といえる。
魔石
- 魔力の濃い場所で取れる魔力を含有する石。
- 中に蓄えられた魔力は、魔法を使う際に引き出したて使ったり、魔力を制御を助ける補助にしたりする。
- 魔石の中で宝石として価値があるものを魔宝石と呼び、使用した際の効果も魔石よりも高い。産出量も非情に少ないため、とても貴重品である。
貴族のしきたり
- 貴族の子女は十二歳から王都の学校に入学することになっている。義務ではないが、いかないと外聞が悪くなってしまう。
- 学校で学ぶことは特別ではなく、貴族であれば家庭教師を雇えば問題ない。エリアの両親は、監修さえなければ行く必要がない、行かせたくないとさえ言っている。王都の学校は身分の上下関係なく扱われるが、問題を起こす者もたくさnいるのだという。
- ラインハルトは学校に通っていたが、そこで長い付き合いとなる友達が何人もできたのだという。
注目すべきポイント
店長のいないバンブーフォレスト
ノーラッド姉弟が経営を担い、その他仕事は雇った従業員達(フェイやリーリン)の活躍により、店長であるリョウマがいなくとも回るようになっていた。原作ではここから長期間店を安心して任せることも多くなり、あまり店の出番はなくなってしまう。
リョウマは支店を出すために奔走したり、廃坑でスライム研究に明け暮れたことで得た新商品(消臭液の販売にも手を出していくことになる)の開発により、さらに手広く金を稼いでいったり、シクムの桟橋の紹介で修行しに行ったりと忙しいのだ。
リムールバードとの魔獣契約 エリア
リムールバードとの契約では、まず音楽を聴かせる必要がある。音楽の上手さは関係ないとされている。上手ければ多くのリムールバードと契約できるという訳ではなく、下手であれば契約できないという訳でもなく……その気まぐれさが、リムールバードとの契約を難しくさせていることは言うまでもない。
さて、演奏を終えた後、演奏に答えるような形で鳴き声を上げるリムールバードとだけ、魔獣契約が可能となる。原作においては、『ハープやピアノといった楽器のような音』というように描写され、ちゃんとした演奏のように聞こえる音色を奏でるのだという。
そんなリムールバード、一匹と契約することすら難しいとされている。しかし、エリアが契約したリムールバードは九匹。その内の一匹は、ファントムリムールバードという上位種で、彼女の従魔術師としての才の高さが伺える。
リムールバードとの魔獣契約 リョウマ
エリアの契約を見ていたリョウマも、ギターを弾いてやってみることに。このギターは自作してしまったようだ。まぁ、精巧な人形を作れるくらいならばできるのだろう。
前世では、隣の部屋に住んでいた人が引っ越す際にギターを数本くれたらしく、見よう見まねでコードだけを練習し、暇つぶしにTVで流れる音楽を、耳コピして弾いていたらしい。といってもプロではないので、原曲とはかなり違う形になっているようだが。
彼もリムールバード六匹と契約を果たし、その中にはナイトメアリムールバードという上位種がいる。エリア同様、彼もまた、従魔術師としての才に恵まれたと言えよう。
エリアの過去
リムールバードとの契約を終えた祝いの席が終わり、エリアとリョウマは最後の別れを惜しんで二人きりで過ごす。原作ではリョウマの住むことになる廃坑であったが、アニメではリョウマの部屋であるようだ。
そこで語られるエリアの過去だが、原作とは少しばかり印象が異なる。
- 相手の男の子
エリアが仲良くしていたという男の子は、ジャミール公爵家と付き合いのある貴族のご子息だった。どうやら政略結婚狙いで近づいてきたらしい。
- エリアが恐くない
リョウマ曰く、「あの程度の魔法なら避けられる」
- リョウマの過去
原作ではエリアの話を聞いたリョウマも、中学生の頃、剣道の授業で相手(剣道経験者、優勝経験有り)の手首の骨を砕いてしまったという失敗談を語った。
いつしかリョウマを励ますエリアという構図になって終わる原作であった。
別れ
この世界には長く別れることになる友人と、自身の大切な者を相手に預け再会を願うという縁起担ぎがあった。そこでエリアは十歳の時に母から貰った魔宝石のネックレスを、リョウマはヒールスライムとスカベンジャースライムを預けた。
再会は三年後。
その時には互いに強くなっていることだろう。エリアは学校でたくさんの友達ができて、魔法もさらに強くなっているかもしれない。リョウマはスライムの数をさらに増やして、金をさらに荒稼ぎしていることだろう。
それまでずっとお嬢様呼びだったリョウマも、最後にはエリアと名前を呼び、友人として悲しくない一時の別れができたのではないだろうか。
最後に
最初は正直不安でした。かなり削られていく原作のエピソードに登場人物達、ハイテンポに進んでいくストーリー。しかし、いざ振り返ってみると、かなり見やすい良改変ばかりだったように思います。リョウマとエリアの絡みも増え、戦闘ではリョウマも大活躍しています。
原作のストック的にも十分過ぎる量がありますし、二期やってくれませんかね。
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