工大生のメモ帳

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【漫画】ダーウィンズゲーム1 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

命を賭けたソーシャルゲーム

情報

作者:FLIPFLOPs

試し読み:ダーウィンズゲーム 1

ざっくりあらすじ

突然送られて来たスマホゲームの招待。そのリンクをクリックした瞬間、スマホの画面から現れた蛇に噛みつかれてしまう。するといつの間にか超能力が身についていて……

感想などなど

旨い話には裏があるというのは、覚えておくべき人生の教訓である。楽して金を稼げるはずはないのに、「自分は楽して稼げる才能がある」「自分は楽して稼ぐべきだ」という楽観的思考が利用されるのだと理解すべきである。

楽して稼いでいる人もいるではないか、とお思いの方もいることだろう。残念ながら楽の裏には努力がある。もしかしたら、その努力を努力と思わずやっているかもしれないが。

そういった息をするように努力して成長できる者を天才というのだろう。そしておそらく、本作の主人公・須藤要もそっち側の人間だ。本人は平凡な高校生を自称しているが、どこをどう切り取っても彼は平凡ではない。

そんな須藤要にとって天職とも思える世界を紹介していこう。

 

要が巻き込まれることになる『ダーウィンズゲーム』とは、シギルと呼ばれる超能力を授かり、それを使って殺し合いをし、ポイントを稼ぐゲームだ。

ポケ○ン感覚でバトルを仕掛け、勝てばそれに応じたポイントを入手。1ポイントあたり10万円、普通に殺すことができれば100ポイント近く貰え、そこに加算して芸術点や技術点など加わる。

この勝負の優劣はシギルの強さや相性によって変動する。シギルを使わない理由はない。しかし、須藤要は「シギルって何?」という状態でバトルを仕掛けられることとなる。

須藤要がいきなり殺し合いをすることになる相手は、パンダの着ぐるみを着て、包丁を片手に持った「初心者狩り」と呼ばれているプレイヤーである。彼のシギルは『透明化』。手に持っている包丁も含めて透明となり、目に見えない攻撃を仕掛けてくる。

残念ながら我々人間には命が一つしかない。初見殺しだからと嘆いたところで、リスポーンはない。見えない攻撃を避けられなければ死ぬ。

そんな初見殺しをシギルのシも分からない状態で回避した超人が、須藤要である。須藤要のシギルをここで語っても良いが、要と同じように「何で殺されそうになってんの?」「何で消えたの?」というアタフタを楽しんで欲しいので、説明は省いておこう。

第一巻ではそういった主人公のポテンシャルの高さを描きつつ、シギルというものの重要性、工夫次第では強強シギルにも勝てるということが示された。

シギルを使っての本格バトルは第二巻からとなる。

 

本作の主人公な須藤要であるが、一連の不審死を捜査する警察視点も描かれる。このゲームがどうして作られたか? そういった謎にゲーム外から迫る様も描かれていくという訳だ。

他にもこれから戦うであろう者達の視点も描かれる。そこで改めて須藤要の異様さが分かる構成になっている。

そのため本作はダーウィンズゲームを舞台にした群像劇と言うべきかもしれない。これから先、彼らがどのように交わっていくか。ストーリーにも期待が膨らむ第一巻であった。

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