工大生のメモ帳

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【漫画】無能なナナ 感想

【前:な し】【第一巻】【次:第二巻】

※ネタバレをしないように書いています。

無能力者 VS 能力者

情報

原作:るーすぼーい

作画:古屋庵

出版:スクウェア・エニックス

試し読み:無能なナナ 1巻

ざっくりあらすじ

絶海の孤島のとある学園では、人類の敵に対抗するための若き能力者達が集められ、訓練に明け暮れていた。その中に一人だけ、無能力者がいた。

感想などなど

今から五十年程前に、人類の敵が地球に飛来した。それらは今も尚、人類に紛れて虎視眈々と命を狙ってきているのだという。そんな敵と対抗するために、若き能力者達は絶海の孤島にある学園に集められ、日夜訓練を受けている。

この漫画は、そんな学園のバトルあり、笑いあり、涙ありの日常を描いた作品――ではない。

 

この作品は血生臭い殺人を取り扱った内容だ。とある目的のために学園にいる能力者を皆殺しにする。しかも主人公が無能力者であるため、無能力者が能力者を殺すという無謀とも思える不可能を可能にしなければならない。そのため学園にある全てのものを利用し尽くしていくミステリチックなバトル物となっている。

例えば。

第二話「時間遡行」では、タイトルの通りに時間遡行することのできる能力者を殺すことになる。これがまた厄介なのだ。

時間遡行というのは、過去に戻って、そこで変えた結果を未来に反映させるというもの。そんな最強とも思える能力の持ち主の名は、渋沢ヨウヘイ。事実、学園最強とまで噂されている。「(能力が)ばれたところで私には誰もかなわないだろうがね」という自信満々さも、強ち虚勢とは言えないだろう。

目の前で銃を持って殺そうとしても、時間遡行されて銃をどうにかされてしまえば意味がない。もしも殺し損ねてしまえば、時間遡行で逃げられてしまう。これから殺人を行っていく際にも、こいつが捜査すればほぼ確実に犯人がバレてしまう。

強敵でありながら、早い段階で殺さなければならない能力者。

では、どのように殺すか?

皆さんはどのように殺すだろうか?

 

第三話、第四話では一人の能力者の能力を暴いていくエピソードとなっている。その能力者の名前は小野寺キョウヤ。いきなり転校してきた協調性に些か欠ける高校生である。

第一話にて転校してきたということで自己紹介をするが、そこで彼は能力を語らなかった。盗み見た資料によれば、肉体強化系の能力であるようだが……しかし、それにしたってどうにも奇妙だ。

彼の能力はたった一コマで説明される。

能力が判明したことの驚きよりも、「こいつどうやって殺すんだ?」という困惑の方が大きい。無能力者 VS 能力者という構図において、これほど不利な対面というものもないだろう。

否が応でも第二巻以降に期待が高まってしまう。

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