工大生のメモ帳

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錆喰いビスコ 感想

※ネタバレをしないように書いています。

キノコ守りによる疾風怒濤の冒険譚

情報

作者:瘤久保慎司

イラスト:赤岸K

世界観イラスト:mocha

ざっくりあらすじ

すべてを錆つかせ、人類を死の脅威に追いやる《錆び風》の中を駆け抜ける疾風無頼の「キノコ守り」赤星ビスコ。

彼は師匠を守るため霊薬キノコ《錆喰い》を求め旅をしていた。

道中出会った(さらった?)相棒、美貌の少年医師・ミロと幼い頃から一緒に生活してきたカニ・アクタガワと共に錆のはびこる世界をひた走る。

行く手にはびこる埼玉鉄砂漠

文明を滅ぼした文明兵器に作られた街

大蛸の巣くう地下鉄の廃線

次々と巻き起こる事件。ミロのひらめきとビスコのキノコ矢が放たれる。

感想などなど

キノコ矢。土でも鉄でもキノコを生やさせるというキノコ守りが使う矢。

「そんな無茶な設定」と思うかも知れないが、キノコがぼんっ、ぼんっと咲く様が、何の違和感もなく想像できる。

語るべきは日本が舞台となっていること。各地の地名もよく知る地名であって、挙げ句の果てに度々登場する敵は県知事である。

名前も特徴的で分かりやすく、覚えやすい。主人公のビスコはおなじみのお菓子であるし、ミロは牛乳に溶かすあれである。

とっつきやすい世界観の中を個性豊かなキャラ達が駆け巡る。はい、もうすでに面白い。

 

キャラクター達は皆かっこいい。ビジュアル的にももちろんであるが、台詞回しや生きざまが、である。

ビスコは肉体を錆に冒されている師匠・ジャビの錆を落とすために伝説とされているキノコを探している。

もう肉体が錆ついて、自らの限界を察しつつあるジャビ。

そんなジャビにビスコは怒ります。

「絶対助ける」と。

「諦めるんじゃねぇ」と。

そんなジャビを連れての旅は前途多難。さらにビスコは今まで暴れすぎたせいか指名手配されています。

キノコテロ犯として……語感が面白い。

 

そんな中”忌浜県”にて出会う、美貌の医師ミロ。

彼はビスコと出会い、自分の姉を助けるためにビスコの旅に同行することにします。

ちなみに姉は忌浜の自警団団長・パウー。巨大な混紡を振り回し、建物から建物へ飛び移り狙った獲物は逃がしません。そんな彼女も錆風の脅威には勝てず、体の至る所で錆が進行していき、死ぬのも時間の問題。

自警団の団長……つまり指名手配されているビスコの敵。

姉からしてみれば指名手配されている凶悪犯に弟が連れて行かれているわけです。そんな彼女がただ錆に犯され死にゆくのを待っているはずもなく……。

 

敵もこれまた魅力的だった。

その敵もなんと県知事である。昔のアニメや漫画に精通していて、個人的に共感が持てる。

……何か強そうじゃない。と思った人は俺だけじゃないと思いたい。最後には何かこっち側に来てしまいそうものを感じたのだが。

個人的にはそんな風に寝返ってしまう敵が好きではないし、いや最後までやってくれよよ思ってしまいます。

しかし、彼は最期の最期まで魅力的な敵であってくれた。絶望感すらも感じさせてくれた。

最後の戦いは鳥肌間違いなしだ。鳥肌が立たなかったら桜の木の下に埋めて貰って構わないよ。

 

アニメ映えしそうな本作。個人的アニメ化して欲しいラノベランキング一位になりました。

錆喰いビスコ (電撃文庫)

錆喰いビスコ (電撃文庫)

 

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