工大生のメモ帳

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インフィニット・デンドログラム 1.可能性の始まり 感想

【前:なし】【第一巻】【次:第二巻

※ネタバレをしないように書いています。

この世界は本当にゲームなのか。

情報

作者:海道左近

イラスト:タイキ

ざっくりあらすじ

各プレイヤーの行動や性格、プレイスタイルによって独自に能力が進化するシステムにより無限のパターンに進化を遂げる。

人と見間違うような、確かにその世界で生き、生活を勤しむNPC達。

そんなあらゆる可能性を秘めたダイブ型VRMMO《Infinite Dendrogram》は、瞬く間に全世界に広まって、数多くのユーザーが楽しんでいた。

大学受験を終えて東京で一人暮らしを始めた青年・椋鳥玲二もまた、そんな中の一人であった。かねてより兄に誘われていた《Infinite Dendrogram》を起動する。

感想などなど

さて、SAOやオーバーロードに代表されるVRMMOのゲーム世界が舞台となるライトノベルである。

先ほど上げた作品では、比較的世界観が固定化されているように思う。しかし、この作品はちと違う。一つの舞台に、いろいろな世界観が混在した物となっている。

舞台となる世界には七つの国があって、それぞれが機会都市だったり、西洋ファンタジーの世界が広がる都市だったり、妖精がいる幻想的な都市だったり、和風の町並みの都市だったりと多種多様である。

それに合わせたように武器や職業も数多く存在する。ゲームでおなじみの戦士からパラディンだけでなく、商人から記者という職業まである。

さらにさらに、NPCは人との区別がつかない。

どういうことかと言えば「殺されれば死にもう二度と復活しない」。たとえそれが一国の王だとしても、だ。それぞれに等しく人生というものが与えられ、自らで考えて行動していく。

人のように自分の家族にプレゼントをあげたり、他人に嫉妬したり恨んだりすることもあり、戦争を起こすことだってある。

もはや現実の世界であった。

 

大抵のゲームには目的というものがる。所謂エンディングだ。

しかし、このゲームには明確な目的という物がない。先にこのゲームを始めた兄が何をしていたかと言えば、レベル上げして、闘技場に出て……完全に自由に過ごしていた。

ダンジョンもあるにはあるが、まぁ、別にやらなくてもいいし……やってもいいし。

主人公である椋鳥玲二は兄について回って色々と教えてもらいながら、とりあえず「この世界をどう生きていくか」を考えていくことになる。

そんなある日。レベル上げをしようと初心者用の狩り場へと向かう主人公の前にPKが現れた。まだ戦闘慣れしていない主人公はなすすべもなく瞬殺される。

自由が売りのゲームである。PKをやったところでゲーム運営から怒られることはない。

さて、主人公はそんな殺伐した世界を前に何を思うか。

 

大抵のVRMMOラノベ主人公は何かしらチート能力を持っている。さて、この作品はどうか。

まだ一巻しか読んでいないので断定はできないが、「持っていない」と答えておこう。しかし、使い方次第では「あらゆる敵を瞬殺できる力」を持っていると付け加えておく。

まぁ、今後に期待というやつだ。

 

無限の可能性のあるVRMMOを舞台に繰り広げられる冒険譚。世界観の説明的要素が強かったように思う。これから動き出すであろう物語と貼られた伏線回収、まだ姿見せぬ強敵との出会いなどなど今後が楽しみな作品だった。

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