工大生のメモ帳

読書感想その他もろもろ

かつての本棚達へ、これからの本棚達よ

今週のお題「本棚の中身」

最近の本棚の顔ぶれに変化はない。何故なら、ほぼ電子書籍で買うようになってしまったからだ。紙の書籍の良さは理解している。指でページをめくる感触は好きだ。長時間読んでいたとしても目がチカチカしない。自分の視力低下の原因は、iPadなのではと疑っている。

しかし視力の低下を引き換えにしても電子書籍を買っている。

このブログではラノベや漫画の感想が書き殴られている。その記事数は優に千を超えた。その全てが紙の書籍だとすれば、保管するにはあまりに場所を取り過ぎる。大学生の頃、ない金を捻出して買った漫画・ラノベ達は引っ越しという一大イベントを機に大半が売り払われた。その時の身を切るような辛さよ。

本の購入は想い出も同時に買っているような気がする。あの本を購入したのは、初めてのバイト収入を使ったものだった。その本を読んだのは、レポートの息抜きだった。結局、レポートは徹夜で仕上げた。本の内容と一緒に、物理学の公式が思い出されることもある。部室にひっそりと置かれていた本もあるし、友人に貸したことがある本は、その友人のことも同時に思い出される。

それらの本は、もうすでに売られて手元にない。しかし、過去には確かに自分の手元にあって、自分は確かに読んでいる。その内容は想い出と一緒の棚にしまわれ、内容を思い出すのと同時に引きずりされれる想い出達も、自分にとってはかけがえのないものだ。

しかし、今の部屋は空きが多い。大半がiPadのデータとして蓄積されているに過ぎない。

これから先の想い出は売り払われることはないのだ。ただ積み上げられることもない。これは寂しいことなのだろうか。答えはまだ分からない。

 

最近買った紙の書籍といえば、技術書しかない。ITエンジニアというのは、常に勉強していないと仕事ができない職業である。付箋が大量に貼られ、書き込みや注意書きが大量に施された技術書は、仕事において頼りになる積み重ねの成果だ。

これらの本は売られることはないだろう。

自分がITに関係のない仕事に転職したとしても、これらの本は売ろうにも売れない。値段は付けられないからだ。それは他の人から見たら汚く汚されたものにしか思えないからという理由もあるし、自分にとっては苦楽をともにした武器でもあるからだ。

今の本棚には、そういった武器が並んでいる。

技術書というのは大抵分厚いので、包丁で刺されそうになった際の防壁として、もしくは鈍器としてくらいは使えるかもしれない。そういう用途として必要になった際は、遠慮なく使わせていただこうと思う。

これからの本棚達よ。末永くお付き合いいただきたい。