工大生のメモ帳

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【漫画】HELLSING(1) 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

化物を狩る

情報

作者:平野耕太

試し読み:HELLSING (1)

ざっくりあらすじ

「王立国教騎士団」通称「HELLSING機関」は、反キリストの化物共を葬り去るために組織された特務機関である。そこで作り上げられた最高傑作アーカードは、今日もHELLSING卿の指示に従い化物を退治していた。

感想などなど

人知を越えた力を持つ化物を退治するためには、少なくともそれと同等の力を得なければいけない。そこがスタートラインであり、そこが最も難しい点であろう。

例えば。

一話でHELLSING機関が退治する化け物は吸血鬼だ。人の血を啜り、特定の武具でしかダメージを与えることができない不死身の存在。たった一人で村一つを壊滅させてしまった ”そいつ” を狩ることが、機関に課せられた仕事であった。

そんな敵に対して、機関が差し向けたゴミ処理係はたった一人。

最高傑作アーカードである。

自身が無敵だと勘違いした吸血鬼は、その男に迷わず攻撃を仕掛ける。自らが作り出したグールをけしかけ、銃で滅多撃ち。それを受けたアーカードは顔に身体に穴が空き、四肢がもぎれた。死んだ、吸血鬼はそう思う。

だが、アーカードは起き上がって不敵に笑う。

「吸血鬼は銃なんかじゃ死なん」

アーカードはHELLSINGが作り出した対化物の化物・吸血鬼だったのだ。

 

そんなアーカードは吸血鬼――しかもかなり強い――でありながら、「王立国教騎士団」に所属して化物殺しを請け負っている。ヘルシングの指示に従い、各地を駆け巡って化物を殺して回っていた。

第一話にて血を吸うことで吸血鬼に変えた婦警も、いつしか仲間に加わって共に化物退治に勤しむ日々。いちいち格好いいシーンと台詞と共に薙ぎ倒していくのは、読んでいて快感に思うほどだ。

その絶対的な力の前に、同じく化物を狩るために化物以上の力を得た『人間』が彼らの前に現れた。

そいつの名は「聖堂騎士」アレクサンド・アンデルセン神父。

法王庁の特務局第十三課イスカリオテ機関に所属し、異教民共と化物は皆殺しにしても構わないという教えに則り、アーカードに牙を向いた。剣を両手に携えて、銃を持った吸血鬼に飛びかかり圧倒していく様は、これまでの敵とは比べものにならない強敵であるということを教えてくれる。

「チリはチリに ちりにすぎないおまえらはちりに還れ」

アーメンと言いながら殺しに来る様は人は思えぬ。だが奴は人間なのだ。銃弾を受けても立ち上がり、吸血鬼に刃を突き立て首をもぎ取る様は圧巻である。恐ろしい……恐ろしい……だがアーカードもまた化物であり、それらの攻撃を受けても笑っていられるような余裕があった。

狂気とお洒落さが両立したようなシーンとコマ割りの連続に、読む手は止まらない。そういう漫画であった。

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