まず最初に
サタニスト集団との戦闘も終わり、一段落付いた神都。九内伯斗は世界に関する調査を進めつつ、事業の準備を進めていきます。
まずは三聖女の長女に当たるホワイト・エンジェルとの話し合いから。国のトップからの信頼を得れば行動しやすくなるというもの。どのような結果になったのか、色々な情報が詰め込まれた第八話の解説をしていきましょう。
用語・人物解説
九内 伯斗(=大野 晶)
- 八人の側近を従えて、人殺しを行うゲームを開催していた魔王。
- この世界では『大帝国とは別の道を往く』と明言している。本人としては、言葉以上の意味はないのだが、勝手に深読みしてくれる側近のお陰で楽しい異世界ライフを送ることとなることを本人は知らない。
- 事業の目的は『お金を稼ぐこと』。お金を稼ぐことでアイテムを購入することができるスキルが解放できるのでは? という推測が始まり。
霧雨 零
- 霧雨零という別の人格が正義を執行しているが、大野晶の人格も残っている。霧雨零のやったことも全て記憶として残っている。
- 現時点では、霧雨零から九内伯斗に自由に戻ることはできない。トロンに姿を見せるのは、意思を持って戻ることができてからとなるだろう。
- 霧雨零の魂と、九内伯斗の魂は同じ色であるらしい(トロン談)。それにより、九内伯斗=霧雨零だと分かったようだ。
桐野 悠
- 今後は野戦病院にて、やって来る人々を助けながら、様々な実験その他諸々を繰り返し楽しい日々を過ごす。
- これまで人をバラすことにしか興味がなかった訳だが、九内伯斗のために色々なことを自発的に行うようになる。
- 彼女も九内伯斗と同じように通信や全移動が使える。今回、彼女が全移動を使わなかった理由は……乙女の秘密だ。
田原 勇
- 側近の中で唯一「天才」設定が与えられた男。何をやらせてもそつなくこなし、普通の人よりも高い結果を残す。しかし、普段はヘラヘラとしていることが多く、他人を煽るスキルも異様に高い。
- 世界中の銃器に愛される体質であり、古い銃からスナイパーライフルまで含む47丁を操る。普段は異空間の中を漂わせており、戦闘時に出現させる。段数は無限。身につけているケブラージャケットは、あちこちにホルスターが着けられており、銃が取り出しやすくなっている。防刃性にも優れており、耐久性は無限。
- 赤外線暗視ゴーグルとラッキーセブン(タバコ)を常に所持。ゴーグルは夜闇でも遠くを見通し、命中力に+20の効果。タバコは気力を回復させる効果を持つ。
トロン
- 第七話では「???」だったが、ここで魔人であることが明かされる。隠していた理由はよく分からない。
- 魔人は「魔が混じっている」ということもあり聖女の敵。元々、天使と悪魔は敵対している相手同士だったため、その関係性が今もなお続いているということだ。
- サタニスト集団に所属している間、仲間として認めて貰うために、あらゆる命令に従ってきた模様。サタニストにとって殺したくて殺したくて仕方がないはずの魔人が、殺さなかったところを見るに、それなりに優秀だったと推測できる。
ホワイト・エンジェル
- 三聖女の長女であり、今後は魔王の動向に頭を悩ますこととなる。悪魔王を作り物扱いする魔王を警戒するのは、国のトップとして当然だろう。杞憂ではあるのだが。
- 彼女の杖は《オメガの聖杖》と呼ばれる伝説武器。武器としての能力の高さもさることながら、魔力をため込むことで一つ奇蹟を起こすことが可能。
- 彼女は基本的に聖城から、一人で出ることはできない。物理的な理由ではなく、護衛を付けなければいけないという規則上の理由である。
炭酸泉
- 1キログラム中に遊離炭酸を1グラム以上を含む温泉や鉱泉のこと。効能としては「一般的適応症のほか、高血圧症、動脈硬化症、切り傷、やけど」など。別名は「ラムネ風呂」。ドイツでは「心臓の湯」などと呼ばれ、伝統的医療として人々に親しまれていた。(ソース1:炭酸泉とは?|高濃度人工炭酸泉)(ソース2:二酸化炭素泉 - Wikipedia)
- 遊離炭酸は高温の水に溶けにくいという性質があるため、数はそれほど多くない。ドイツでは古くから親しまれていたということもあり、炭酸泉が多い模様。
- マダム「いいわ……何だか体が解放されていく感覚よ……」
壺湯
- 2004年7月7日に世界遺産に登録された、和歌山県田辺市本宮町(旧国紀伊国牟婁郡)湯の峰にある温泉。とても小さく、入るのにコツがいる。一日七回湯の色が変わることもあるらしい。効能は「リウマチ性疾患、神経痛、皮膚病、糖尿病など」。(ソース1:湯の峰温泉 - Wikipedia)(ソース2:公衆浴場・つぼ湯|熊野本宮観光協会)
- 予約はできず、当日先着順でしか入れないらしい。きついなぁ……。
- 原作では誰かが入っている描写がなかった。入るのにコツがいるなど、描写が難しいのかもしれない。
岩盤浴
- 温めた天然石や岩石を加工したベッドの上で横になって汗をかくサウナ形式の風呂。効能は「肌の保湿性や保護の向上、デトックス、免疫力の向上や抵抗力の維持・向上、ダイエット効果」。(ソース1:岩盤浴 - Wikipedia)(ソース2:岩盤浴の解説|天然温泉 水春)
- 一時期ブームになった際、許可無く開業している店舗が問題になった。公衆浴場を運営しようとしている者は、都道府県知事の許可が必要であると公衆浴場法(ソース:e-Gov法令検索)にて定められている。
- 原作においてマダムが入った描写はない。
電気風呂
- 浴槽の湯に、体に害が無い程度の電流を流したもの。起源はアメリカ発祥説と欧州発祥説の二つがある。自然治癒力を高め、病気や怪我を治す一環として開発された。ペースメーカやピップエレキバン、金属製品を身につけている者は入浴できない。(ソース1:電気風呂 - Wikipedia)(ソース2:小西電機株式会社|電気風呂装置 製造・販売)
- 日本では明治時代からあったらしい。結構古い模様。
- 原作においてマダムが入っている描写はない。
薬草風呂
- 名前の通り、薬草を入れた風呂。簡単に言ってしまえば入浴剤を入れたお湯。2004年「週刊ポスト」が報じた長野県南安曇郡安曇村の白骨温泉における入浴剤着色事件より以前は、入浴剤を入れて温泉としても違法ではなかった(ソース:温泉法 - Wikipedia)。現在は定期的に温泉水を機関に提出するなど、厳しく取り締まられる対象となった。
- 原作では「ピンクゴールド」「イエロービーム」「ナイトフィーバー」「グリーンフォレスト」「ディープブルー」の他に36色の湯があり、1日5色、日替わりで毎日楽しめる。
- マダム「下手すれば、このまま寝てしまいかねない心地よさ」
露天風呂
- 屋外や野外に設置された屋根などを設けない風呂。温泉としての効能を楽しむというよりは、日本人特有の原風景のようなものだろう。(ソース:露天風呂 - Wikipedia)
- 景色を楽しむ他に、熱気が籠もらずのぼせにくいといったメリットもある。
- 九内伯斗「日本人はやっぱ露天風呂」
塩サウナ
- サウナで汗を流しながら、皮膚に塩を塗り込む入浴法。一般的なサウナよりも温度が低く(それでも40度ほど)、塩にある殺菌作用により肌が傷つくこともあるため、入り方にはコツがいる。効能は「古い角質を溶かすことによりデトックス作用、汗の排出の促進、滅菌作用」など。(ソース1:塩サウナの効果・効能と正しい入り方を徹底解説!デトックスが半端ない! - ザっくりととのうサウナ入門)(ソース2:塩サウナ(ソルティサウナ)の入り方|サウナ攻略サイト)
- 聖光国は海に面していないため、塩の入手は輸入に頼ることとなる。そのため、塩は決して安くない。
- マダム一番のお気に入り。
貨幣価値
- 第三話、焼き鳥みたいな串の食べ物二本で銅貨三枚。最高級の宿の最高級の部屋で金貨一枚。貧富の差など考えると色々変わるのかも知れないが、妥当か。
- ラムダ聖貨は市場の貨幣価値によって変わっていく。本来は市場に出回らず、使うということ自体、考えにくいようだ。
- 保険が存在しないだろうこの世界では、どのように治療費を計算するのだろう。自分が異世界に行ったら保険で儲けようかな……。
注目すべきポイント
その後……
闇侯爵討伐後、平和が戻った聖光国。これまで居場所なんてなく、笑い方すら忘れていたトロンが笑顔を取り戻す。今後、トロンは霧雨零に会うために頑張ることとなる。
クイーンは危険な場面を二度も彼に救って貰い、好意を隠すこともせず、乙女の顔をしている。原作では抱きつかれている間、豊満な胸が背中に当たり、顔を真っ赤にしている霧雨零を見ることが可能。需要があるかは知らない。
こうして、「悪を挫く龍人が現れた」という噂と「圧倒的力を持った魔王が現れた」という噂の二つが全世界に広がっていくこととなる。
魔王と聖女 ~聖女視点~
魔王・九内伯斗と三聖女の長女エンジェル・ホワイトが邂逅。九内はルナから度々話を聞いており、ホワイトも魔王がこれまで行ってきた数々の行動を聞いて知っていた。
ここで大切なのは聖女視点と魔王視点、それぞれで理解を進めることである。ということで、まずは聖女視点から見ていこう。ちなみに会談を申し込んだのは聖女ホワイト・エンジェルからである。
- 結界を魔王が越えてきた
前話にて、エンジェル・ホワイトが聖城を守るために結界を張っていたことを思い出して欲しい。その結界は上級悪魔である闇侯爵ですら通れないほどに強いものであった。当然、その結界は常に聖城の周りに張り巡らされている。
しかし、魔王である九内伯斗は気にせず入ってくることができた。聖女としての力は、魔王に対しては通用しないと分かった訳だ。
- 聖女の前でタバコを吸う
聖女である彼女の前でタバコを吸いまくる男なぞ魔王が初めてであった。さらに自らの持ってきた携帯灰皿を使うことで、暗に灰皿を用意していない聖女を責めている……と取れなくもない。
- 悪魔王を倒したという噂の真偽
悪魔王が復活し、消滅したという話は聞き及んでいた。しかし、遠い地の話であるため、あくまで噂として受け止めるに留めていた。だが、中級悪魔カーニバルを無傷で倒したという事実を聞いてしまったとなれば、悪魔王を倒したという話も信じざるを得ない。
さらに、悪魔王を「作り物」と切り捨てたとなれば……これまで以上に魔王を警戒しなければいけなくなるだろう。
- ルナについて
「わがままが服を着ているような女」「頭がおかしい」「面倒な聖女」「関わりたくない」などとボロクソ言われる聖女を手なずけた魔王。これまで散々苦労させられたホワイト・エンジェルにとっては驚きも一塩だろう。
その上、魔王の言い方も悪い。「素晴らしい関係」と言われて、まっとうな関係性を想像できる人はあまりいないのではなかろうか。妹を生け贄に取られたと考えてしまうのも無理はない。
- 天使について
天使は言わば神のような尊き存在である。そんな天使について知りたいと、敵対する悪魔側である魔王が言ったのだ。「弱点を知りたいのか?」と疑うのは、むしろ有能だと言える。しかし、魔王の要望を断って国を危機に陥れる訳にはいかない。断腸の思いだったに違いない。
魔王と聖女 ~魔王視点~
さて、魔王様視点で見ていこう。こちら側からしてみれば、警戒する理由も特にないということを理解していおこう。
- 天使について知りたい
彼を異世界に連れてきたのは願いの祠に祭られていた天使である。となれば、彼を元の世界に戻すのもまた天使にしかできないことであろう。だからこそ、今はいないとされている天使を見つける手がかりとして、書物を漁ろうという訳だ。
- 善性な人間アピール
書物閲覧の許可の他に、彼がしたかったことが「良い人ですよ」ということのアピールである。実際、彼がやったことは「サタニスト集団を返り討ちにして街を救った」「周辺の村に生け贄を要求する悪魔王を殺した」「寂れた村であるラビ村を発展させようとしている」というように決して悪いことではない。
だからこそ、人々が噂する魔王のイメージで判断せず、自分が行ってきたことから自分というものを判断して欲しいと伝えた訳である。
書物閲覧
どうみても父娘にしか見えないアクと魔王は、聖城にある書物を閲覧。そこで分かったことをまとめよう。
- 天使と悪魔が敵対していること
聖女が悪魔との混血児である魔人を嫌う理由はこれである。
- 悪魔王グレオールを智天使が封印した
願いの祠にいた天使は智天使であることは、第一話にて説明した(【アニメ】「魔王様、リトライ!」第一話【感想・解説】 - 工大生のメモ帳)。
- 天使達が次々に消滅
どうやらグレオールの封印後、次々と天使達が消滅していったらしい。その理由などについては全く明かされてないようだ。そして、そのことに対して誰一人として疑問にすら思わなかった。
- 迷宮について
アイテムが多数落ちている迷宮というものがあるらしい。ちなみに、アニメでは犬の絵本の話でかなりの枠を割いているが、原作では一ページにも満たない。ストーリーの説明に関してはたったの二行である。
トロンとの再会
サタニスト集団に戻るわけにもいかず、霧雨零を探していたトロンは九内伯斗を発見。魂の色が同じということで同一人物(?)であると分かったようだ。
霧雨零が救った彼女を放っておく訳にもいかず、連れて行くことを決めた。彼女が魔人であるということを知らず、それ以前に魔人という存在すら知らなかったが、ここで知ることとなる。
聖女ルナ・エレガントも良い感じに手なずけて、ラビ村に連れて行くことにした。今後、外見も良いトロンはラビ村で働くこととなる。生まれて初めて殺戮以外で居場所を手に入れた。
ラビ村の開発
『サバイバルグッズ』と『防衛グッズ』を合成することで作成した『拠点』に、『医療セット』を合成することで『野戦病院』を生成。『大垣の湯』を合成することで『温泉旅館』を生成。『神田川』を合成することで庶民用の『銭湯』を生成。
それぞれで働く人員に関しては、ルックスは完璧なラビ村の兎人を使えば問題ない。電気がなかったとしても、『発電機』を生成可能なので問題ない。農地を耕したりするような泥臭い開発も、今後は行っていく(周囲の道路など)。
しかし、天使を探したり、迷宮に探索にいったりなど、ラビ村を空けることもあるだろう。常に九内伯斗が運営に携わる訳にはいかない。それに運営に関してはずぶの素人。もっと適任の人材がいるはずだ。
側近召喚
運営その他諸々を任せられる男として田原勇を召喚する。殺人を容易く行えるという意味では普通の人とは言えないが、桐野悠ほど狂ってはいない。側近の中ではかなり良心的な男と言える。
ちなみにかなりのシスコンである。
最後に
なんで温泉について、こんなに調べていたのでしょうか。基本的に調べたり、まとめたりすることは好きなのだが、いささか無駄な調査だったなと今は思います。まぁ、温泉に関する法律だったりは結構ためになるものが多かったですね。
長湯が苦手なので、温泉に行きたいと思ったことはないのですが、温泉とセットで語られがちな料理などの画像を見ていると旅に行きたくなってきますね。後、ドイツで温泉が盛んということを初めて知りました。自分の無知を恥じます。
アニメを見るなら
「魔王様、リトライ!」一巻の感想はこちら