まず最初に
サタニスト達が暴れ回る中、楽しいお食事を続けるルナ達。
一方、サタニスト達の最終兵器も投入され、追い詰められていく聖女達……そんな光景を眺める九内伯斗……さて、どうなることやら。九内伯斗以外にも焦点が当てられながら進展していく物語をより楽しめ、理解が深まるような記事作成に勤しんで参ります。
ではでは、解説を進めていきましょう。
用語・人物解説
九内 伯斗(=大野 晶)
- カーニバル討伐後、感謝して群がってくる街の人達から一旦逃亡。何か強そうな悪魔がクイーンを攻撃しているのを発見。
- 今後、面倒くさいことは霧雨に任せることとなる。そして、どんどんと株が上がっていく霧雨……。
- 智天使についての調査と、お金を稼ぐための事業を進めるために悪魔を討伐したい。しかし、必要以上に変人である聖女とは関わりたくない。まぁ、関わりたくないって言っても無理なんですけどね、お客さん。
霧雨 零
- 新種の龍(ということになりつつある)を身に宿す正義の漢。今回、闇侯爵を倒す際に利用した戦闘スキルも《正義漢》である。
- 龍人は龍と人の混血であり、天使と魔族の戦いにおいても基本的に中立だった。
- 闇侯爵にボコボコにされ満身創痍のクイーン「零様あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
桐野 悠
- 楽しそうに手をバラしている。守りたい、この笑顔。
- 過去に同僚である側近が、子供をダルマにしていたことを懐かしむように語るシーンがある。良い人みたいな笑み(?)を浮かべてはいるものの、根は殺戮を軽々と行うサイコパスだ。
- 彼女の性格やエピソードは全て、大野晶が作ったものである。だからこそ彼女に対して少しばかり畏怖を抱いているような描写もあった。だからといって、その感情を表情に出しては、九内伯斗の中身が変わっていることに気付かれるかも知れない。今後とも注意を払わねばなるまい。
キラー・クイーン
- 女性らしからぬ汚い御言葉を吐かれていらっしゃいますが、彼女は天使の加護を受けている聖女様であらせられます。
- 見た目からも分かって貰える通り武闘派である。武器も相手を直接殴る神槌と金棒。一方ルナは……えぇっと、可愛い派?
- 今後は零様好き好き乙女になる。だからといって口の悪さは変わらないので安心して欲しい。
マウント・フジ
- 名前が出ている場面のスクショを撮ったら姿が消えてしまった。もしやマウント・フジは概念だった……?
- 参謀なだけあってキラー・クイーンの武器の一つである神槌《シグマ》を背負っている。神槌《シグマ》は天使の祝福を受けた由緒正しい武器である。
- キラー・クイーンに蹴られたマウント・フジ「ありがとうございます!!!」
エンジェル・ホワイト
- 変な次女と三女を持つ長女。神都を守る結界を張っていたが、闇侯爵の力に押され城だけを守るに留まっていた。
- 九内伯斗曰く「次女と三女に比べて、かなりまとも」だが、彼女の心の中は突っ込み所満載である。まぁ、彼女視点で見れば仕方ないだろうが。
- 何だかんだで次女と三女の身を案じ行動する良いお姉ちゃん。
ミンク
- 原作でも彼女の胸に関しては言及されている。アニメでも胸にフォーカスしたシーンが多かった。
- アクの左目を隠す髪型は、虐めの原因となっていた碧目を隠すためだった。一方彼女が右目を隠すために、包帯をしていることに意味はない。
- 彼女の意味深な発言にも意味はない。詠唱の闇がアレコレも必要のない言葉も、特に意味はない。
オルガン
- 原作ではミンクが戦っている裏で、魔人を殺そうとする冒険者と戦っていた。その時、両親を侮辱されたためキレて建物をぶっ壊したりしている。
- ダンジョンの魔物の一部は、彼女が悪魔と人間の混血であることを知っているようだ。
- 龍人に救って貰った魔人と、自分が魔人であることを隠し続ける彼女。今後どのように物語が動いていくのか、楽しみである。
トロン
- 特に隠す情報でもない気がするので書くが、彼女はオルガンと同様に魔人である。
- 悪魔にもなりきれず、人にもなりきれない中途半端な存在。悪魔の世界でも、人の世界でも生きることを許されていないような状況である。サタニスト達にとってしても、戦力が不足していなければ迷いなく殺していたらしい。
- 可愛い。彼女もヒロインの一人となるので、お楽しみに。
カーミア
- 裏社会ではそこそこ名の知れた暗殺を請け負う道化師・カーミア。ヒソカではない。この姿で油断させ、遅効性の毒物を用いて多くの人を殺してきた。
- 金を稼ぐためにサタニスト集団に所属していた。聖女が護衛も付けずに食事をしているという情報を掴み、特に命令されている訳でもなく、ルナの殺害に赴いた。
- 悠に目を付けられ生き残れたという時点で運が良かったと言える。
オルイット
- 闇侯爵よ呼ばれる上級悪魔。性格は非常に残虐。
- 七百人もの人命と逆十字二つによって召喚される悪魔。カーニバルと合わせると、千二百人もの人が死んだことになる。
- 聖域である聖城と、天使の祝福を受けた聖女、強い聖なる力を宿したスタープレイヤーが集う状況は、悪魔にとって非常に不利と言える。しかし、彼は逃げずに戦うことを選んだ。
カロリー冥土
- INFINITY GAMEにおける回復アイテム。回復量は100。
- 一般的な薬草の回復量が1~3。ちょっと高価なポーションの回復量が10程度。この世界における回復量100は異常と言える。
- このアイテムを使う場面を周囲から見た場合、もはや生き返ったように見えるようだ。
ランク
- 冒険者にはその功績や強さに応じてランクが与えられる。ランクが上がれば上がるほど目立って動きにくくなるということで、わざと低いランクにいる冒険者もいるらしい。
- ランクに応じてスターが与えられ、服などのどこかにランクに応じたスターを身につけている。アニメを見る限り身につけたスターが分からないので、アニメでは死んだ設定かもしれない。
- 最初はスター零のルーキーから始まり、Eランクになると初めてスターを一つ与えられる。大抵の人はルーキーを抜けることができず、冒険者を諦めることとなる。スターを与えられる時点で相当に強いと言える。
注目すべきポイント
サタニスト集会場にて
サタニスト達のトップであるユートピアとトロンの会話。
アニメで分かることは少ないが、原作においてはそれなりに分かることが多い。なので、原作基準で分かることをまとめさせていただく。
- 計画通りに物事が運んでいない
計画ではもっと状況を見てからカーニバルを召喚し、神都に与える被害を大きくするつもりだったようだ。もしオルイットとカーニバルが同時に現れたとすると、九内伯斗がいなければまず間違いなく神都は血の海となっていたことだろう。
しかし、ミカンやユキカゼといった予想外に強い冒険者の登場によって早い段階でカーニバルを召喚させられ、しかも魔王によって倒されてしまうという最悪な状況。これまで冷静だったユートピアがかなり苛立っている。
- トロンの扱い
見た目は可愛らしいが悪魔との混血児であるトロン。魔人が人の世で忌み嫌われていることは、前話オルガンの項目(【アニメ】「魔王様、リトライ!」第六話【感想・解説】 - 工大生のメモ帳)で説明した。当然トロンも例外ではない。
サタニストは天使を敵視し、悪魔を信奉している。だったら悪魔との混血児であるトロンも信奉対象に入るのでは? と思う方もいるかもしれない。
しかし、どうやら崇めるべき悪魔に混じり物が入った存在に不快感を抱くらしい。本来であればトロンを殺したいところだが、戦力として使えるという判断の下、手元に置いているようだ。
道化師の暗殺者
聖女ルナ・エレガントが護衛も付けずに食事をしていると聞きつけた暗殺者・カーミア。道化師に扮し潜入、胸元に隠している遅効性の毒物をルナに盛り、死んだ頃には外にいるという寸法である。
貴族達は「隣の人が道化を楽しんでいるなら、私は怖がってはいけない」ということで、外の状況に恐怖を感じつつも、その感情を押し殺し楽しむようにしている。また、魔王様が粋な計らいをしてくれたのだろうと深く考えすぎている人もいるようだ。
悠はそんなカーミアの思惑を見抜き、周囲を混乱させぬように脅しつける。スキル《神の手》を用いて両腕を切断。再び《神の手》を用いて両腕を縫合。自身の力を見せつけつつ、次はないぞと示した。INFINITY GAMEではキメラを作って遊んでいたので、この程度のことはお手の物だろう。
クイーンとミンクは……
クイーンは街を守るべくサタニスト達と戦っているようだ。流石は天使の祝福を受けている聖女。下級悪魔程度ならばどうということはない。騎士長であるマーシャル・アーツや、参謀であるマウント・フジも同じくサタニスト達を圧倒している。
一方、スターランクを授かった冒険者であるミンク達も余裕だろう。オルガンが第五魔法を扱えることから、ミンクも同じように第五魔法までは扱えると思われる。対してサタニスト達は第二魔法までしか扱えない。天使の聖なる力を扱える僧侶とサタニストの相性的にも苦戦する要素はないだろう。
Bランクであるユキカゼとミンクですらサタニスト達を圧倒できたのだから、別部隊である彼らサタニスト達もかなり焦っているはずだ。そんな状況を打破すべく、新たな悪魔を召喚することにしたようだ。そうして呼び出された悪魔は、
オルイット召喚
七百人もの生け贄と逆十字二個を生け贄に呼び出された闇侯爵・オルイット。カーニバルが中級悪魔であるのに対し、彼は上級悪魔である。
さて、ここで悪魔視点の状況を考えて欲しい。
背後にはエンジェル・ホワイトが守る聖城がある。眼前には天使の祝福を受けた聖女キラー・クイーンとその参謀マウント・フジ、魔法《聖》を操るスターランクの僧侶・ミンクがいる。七百人もの生け贄が必要なのだからサタニストはほとんど残っていないだろう。
つまり敵地のど真ん中に一人放置されている状態である。しかも誰も状況を説明してくれるものもいない。最悪な状況と言える。
しかし、冷静に結界を張り敵を逃げられないようにして戦うことを選んだ。このままであれば、それなりにオルイットも苦戦していたことだろう。しかし、
トロンがやって来て奈落を投入。聖女や僧侶は力を失い、オルイットに為す術なく攻撃を受ける。冒頭にトロンがユートピアに頼まれていたことは奈落を用いてオルイットを援護することであり、宝箱に入っていたものは奈落だったという訳だ。
九内伯斗は……
上級悪魔オルイットと奈落によって窮地に立たされる聖女達。智天使について調べ、新たな事業も始めたい九内伯斗にとって何とかしたい状況である。しかし、エンジェル・ホワイトにはあまり関わりたくない。
……まぁ、エレガントさの欠片もない不器用聖女ルナ・エレガントと、初めて女性扱いされて恋した変態聖女キラー・クイーン、二人の長女が変人だと思ってしまうのも無理はない。実際は次女と三女の行動に頭を抱えながらも大事にする良い人なのだが、そのことが分かるのはもう少し後である。
面倒くさいことは霧雨零に任せようとキャラクターチェンジを利用する九内伯斗。ちなみに、この間の記憶は九内伯斗にも残っており、キザな台詞を自分が言っているような感覚に襲われていることだろう。
オルイット VS 霧雨零
こうして霧雨零こと龍人と、上級悪魔であるオルイットの対決が幕を開ける。しかし、その戦闘力の差は歴然。魔法に関しても、何故か霧雨零には通用しないようだ。また、聖なる力を奪う奈落も彼を避けている。
それに追い打ちをかけるように霧雨零のスキルを解放。まずは前回同様(【アニメ】「魔王様、リトライ!」第三話【感想・解説】 - 工大生のメモ帳)、戦闘スキル《狂乱麗舞》を発動。効果は「遺恨」と設定したチームに対してのみ、全ステータスを爆発的に増加させるというもの。一度アニメでは出てきているため、今回はテンポを重視し深いことは考えさせないように、演出を省略したのだろう。有り難い。
今回は、人殺しの匂いがする相手に丁度いいスキルを利用。その名も《正義漢》。効果は『相手の殺害数1に対し、5ダメージを上乗せ』。つまり大量に人を殺した相手にめっぽう強い能力である。天使に対して強い憎しみを持ち、大量に人を殺してきたであろうオルイットには最適なスキルと言えよう。
一撃でゴロゴロと転がっていくオルイット。オルイットは幾重にも防御魔法を張っていたようだが、それを貫通して大打撃を受けている。オルイットからしてみれば驚きだろう。追い詰められて焦ったオルイットは、魔人の血を吸うことで回復することができるスキル《吸血》を利用。体力を回復させ、一方トロンは強烈なダメージを受け死の寸前に追いやられる。
トロンの回想
元々は魔族の領土で生を受けた彼女は、壮絶な差別を受けた。泥水を啜り、毒草を暗いながらも人間の領土に逃げる。しかし、それでも彼女は迫害と討伐を受けることとなる。ユートピアに拾って貰うも、そこで変わらない蔑視とゴミのような扱いを受けることとなる。
そんな彼女は考えてしまう。「いったい何のために生まれて来たのか?」と――。
最後の最後まで散々な扱いを受けた彼女……死を覚悟するが、霧雨零のカロリー冥土によって復活。周囲の人々からしてみれば衝撃だろう。さらに焦るオルイットは真の姿をさらけ出す。
乾坤一擲
スキル《乾坤一擲》は『相手の殺害数1に対してダメージ10を上乗せ』というチート技である。こうして上級悪魔オルイットを圧倒して、霧雨零の勝利で終わった。
上級悪魔を容易く倒し、死にかけの魔人の命を容易く救い、奈落が避けていく龍人の噂が各地で語られることとなる。これが大騒乱へと繋がっていくわけだが、その話はもっと先のことになりそうである。
最後に
こうして第一巻の内容は終了。話数的にもおよそ半分。アニメは二巻で終了ということだろうか。かなり内容を掘り下げながらアニメ化してくれているので、ブログ主としてもありがたい。
最初は作画に不安を感じたが、脚本や演出が良く合っている。残りもこの調子で突っ走って欲しい。
アニメを見るなら
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