工大生のメモ帳

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リアデイルの大地にて2 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

自由に歩き回れるということ

情報

作者:Ceez

イラスト:てんまそ

試し読み:リアデイルの大地にて 2

ざっくりあらすじ

北の国ヘルシュペルの王都に用があるという隊商に同行し、一般常識を学ぶケーナ。到着してみると、ケーナの孫を名乗るハイエルフが現れる。

感想などなど

ケーナには常識がない。

そのことが、VRMMORPG『リアデイル』世界の常識となりつつある昨今。ゲームのスキル回りの知識に関しては、そこいらの者達にも引けを取らないのだが、ただそれだけでは生きていくには窮屈な世界であることに異論はないであろう。これ以上の問題事を引き寄せないためにも、この世界で生きていくためにも、常識を学ぶべく、隊商の旅に同行することにしたケーナ。

その旅路は、第一巻の終盤で描かれていく。辺境の村で、迷子の人魚を助けたり、兵士に化けて待ち伏せしていた盗賊達をボッコボコにしたりと、かなり規格外な活躍をしているが、ケーナの能力にしては大人しい活躍だったと言える。

だってケーナは余裕で一国を滅ぼせるし……第二巻を読んだら分かるけど、その恐れられ方は異常だし……。

そんな彼女を激怒させる人間が、この第二巻で二人も登場してしまう。幸いなことにも国は滅びなかったが、国が滅びてもおかしくない魔法が繰り出されることとなる。その犯人の一人は、長女にして王立学園の校長・マイマイと――。

 

そもそもケーナが北の国に向かうには、常識を学ぶ以外にも目的があった。それは長女・マイマイに依頼された手紙を渡すということである。その相手について詳しい説明はなかったが、訊ねれば分かるといことらしい。

その手紙を渡す相手というのが、境屋の若旦那。

境屋というのは、この国になくてはならない商家であり、大陸のあちこちに手を広げたことで得た影響力は、かなりのものであるらしい。そのお屋敷もかなりの大きさである。

そこで初めて会うはケイリック・サカイ。初対面のケーナを、「お婆様」と呼び、マイマイの息子、つまりはケーナの孫であると自己紹介したのだ。それを聞いたケーナは驚きで開いた口も塞がらない。

娘達がいて、結婚までしているというだけで驚きだった第一巻。そこから孫までいて、さらにお婆さまと呼ばれる17歳が、未だかつていただろうか。お婆さまと呼んで慕ってくれているのであろうケイリックの言動が、そんなケーナの感情に揺さぶりをかける。

結果、超絶不機嫌なケーナの完成である。自動発動される威圧により、周囲の面々を恐怖のどん底に陥れ、ケイリックの報告により母親が激怒しているということを知ったマイマイの顔面は蒼白。

言ってしまえば、ケーナの大人げなさ……大人ではないのか、17歳だし……ふむ、これは誰が悪いという訳ではないのか。まぁ、若いのにお婆さん扱いされたら良い気はしないよね。

ということで一国が滅びそうなくらいにあせる人々の慌てふためきようをご堪能あれ。

 

そんなほのぼの(?)とした騒動の一方、北の国を騒がせていた盗賊騒動が佳境を迎えつつあった。ケーナが旅の道中で滅ぼした盗賊団であったが、まだまだ残党がいたらしい。

しかもかなり強いという噂である。国の兵士達が警備として控えていたが、彼らよりも強い力を持っているのだという。事実、作中で襲撃を受けることになるのだが、兵士達では手も足もでないレベル差である。

ケーナがいなければ。

ケーナは他のスキルマスターの作ったダンジョンへと向かおうとしていた。そこには盗賊団が出るので危険だと、恐らく親切心から教えてくれるケーナの強さを知らない兵士達。ケーナが国を滅ぼせる魔法を連発しながら森を突き進んでいく姿を、一体どんな気持ちで見ていたのだろうか。

いやぁ、無茶苦茶で楽しい作品でした。

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