工大生のメモ帳

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【漫画】海色のアルトサックス(2) 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

艦娘がジャズに挑戦

情報

原作:柚木ガオ

試し読み:艦隊これくしょん -艦これ- 海色のアルトサックス (2)

ざっくりあらすじ

敷波、磯波、岸波、朝霜、野分でバンドを組み、さらに嵐がメンバーとして加わって、計六名で本格的な活動を開始した。技術も知識も育ってきたが、まだまだ抱えている問題は多く――。

感想などなど

あぁ、平和な世界だ……現実はこんなに荒んでるのに……。

「艦これ」の世界観がそもそも深海棲艦という謎の敵と戦っている殺伐とした世界観で、敷浪の姉にして異名に「黒豹」を持つ歴戦の猛者・綾波が、護衛任務の旗艦として長期任務に駆り出されるくらいだ。戦闘は行われているのだろう。

それでも――いや、だからこそ。泊地は艦娘達にとっては憩いの場であり、心休まる地の必要があるのだろう。みんなが生き生きとし、支え合って過ごしている環境が形成されていることが良く分かる。

みんながみんな良い娘達で、読者もほっこりする世界観が広がっている。

例えば。

第二巻の後半にて、明石がバンドの練習場所として使われていない倉庫を開放してくれた。これまでは海辺で潮風に晒されながらの練習風景が描かれ、海と艦娘と楽器という最高のシチュエーションは絵的に最高なのだが、どうにも錆や湿気が気になっていた読者もいたのではないだろうか。それもこれにて解決である。

という訳で倉庫で練習を開始。宿舎からはそこそこ離れているということで、夜にも気兼ねなく練習していたのだが、風向きや場所によっては聞こえるらしい。その被害を被った萩風と嵐は、その微妙に聞こえてくる楽器の音を聞いて、「お化けが出た!」と寝つきが悪くなる事態に……。

お化けの正体が楽器だとは知らない嵐、朝霜、岸波(朝霜と岸波は夜練には参加していなかった)の三人で原因調査に乗り出す様子が、これまた可愛い。お化けが怖くて、互いに密集して固まって動く様子の微笑ましさよ。あなたたち、海に出たらお化けより厄介な深海棲艦を砲撃してるでしょうに。

壁からひょっこり顔を出す三人の可愛さにやられた被害者もいるのではないだろうか。

 

そんなほっこりはこの第二巻でも継続していく。

第一巻はバンドメンバーが揃うまでの過程を丁寧に描いたとするならば(正確には嵐が第二巻の冒頭で加入するのだが)、この第二巻ではバンドが鎮守府全体に受け入れられていくまでの過程がみっちり描かれていく。

その第一段階として、『間宮』(ゲーム中では艦娘達の回避率を向上させるアイテム、作中では甘味処)にて新作お菓子のお披露目会に合わせたライブを依頼され、それを成功させるために行動を開始する。

そもそもライブを成功させるためにすべきことは何か。

色々な要因はあるだろうが、第一は技術であろう。敷波はバンドメンバーの中では古参だし、野分はピアノ経験者。夜練をしていた敷波はそこそこの練度のようで、岸波と朝霜は遅れた加入でありながらかなり頑張っている。嵐は可愛い。

とりあえずライブできるだけの最低限はありそう。

次に大事なのは――そう、バンドを引っ張っていくリーダーの存在だ。

かつて明石と大淀はジャズをやっていたことは第一巻から語られている。敷波に教えることができるだけの技術があり、なおかつ楽器を自分で整備できるレベルまであるということは、かなり打ち込んでいたことが伺える。

しかし、もうやっていないのは何故か。

実は明石と大淀だけではなく、夕張も含めた三人でジャズをしていたようなのだ。その様子はかなり楽し気であったと、過去の回想や間宮さんの発言からは伝わってくる。その三人がジャズから離れてしまった理由を、夕張は一言で説明している。

「二人がもっとじっくりやっていきたかったのに 私が「もっともっと」と先走っちゃってたせいなんだけど」

それによりなんとなく離れてしまった三人。そこに大規模作戦が重なって、ズルズルとジャズから離れてしまったという訳だ。これを解決する方法は一つしかないのではあるまいか。それも夕張が一言で説明している。

「口にださなきゃちっとも伝わんないんだから」

色々なことがありながらも、何だかんだでリーダーとして就任し奮闘する敷浪にエールを送りたい。

 

バンドメンバーだけでなく、細々とコマの端っこで走り回っている艦娘達も可愛かったりする。個人的に、『ぶきっちょ五月雨』『ひまぁと叫びながら足をバタバタさせる清霜』『手を広げて走る島風』『何かをほおばっている赤城』『差し入れする衣笠』『締め切りに追われる秋雲』『そわそわ叢雲』……キリないな。

本漫画に感化され、久しぶりに艦これを起動し、イベント開催中だったために絶望したブログ主のような被害者も生み出されたことだろう(もう進め方とか覚えてないし資材もない)。知らない新艦娘も出てきてくれるのではないかという期待を胸に秘め、新巻が出ることが待ち遠しい。

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