工大生のメモ帳

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神様のメモ帳 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

全ては神様のメモ帳に書かれている。

情報

作者:杉井光

イラスト:岸田メル

ざっくりあらすじ

高校一年の冬、僕はニート達に会った。

「ただの探偵じゃない。ニート探偵だ」

路地裏で吹き溜まるニート達を統べる《ニート探偵》アリスはそう言った。

同級生の彩夏を巻き込んだ怪事件の ”真実” を知るために、彼・彼女達はそれぞれができることをする。そんな中、僕には何ができるのだろうか。

感想などなど

「私はニートです」

そう自己紹介されて、良い印象を抱く人はそういないだろう。しかし本作では、そんな人間とたくさん出会うことができる。

ボクサー、軍人、ヒモ、探偵、ヤクザ……とニートの種類まで多種多様。それぞれが自信満々といった風に(「ニートは誇るべきだ!」と声高々に宣言する)、自らをニートと呼称し(名刺にニートと書いている人もいる)、路地裏の吹き溜まりで生きている。

そんなニート達を統べているのが、クーラーの良く効いたマンションの一室で、世界をネットの窓から見つめ続ける《ニート探偵》アリスである。表紙にもなっている彼女の姿は、さながら人形のように美しくもあり、可愛らしい。

さて、《ニート探偵》と名乗るからには、彼女は事件を解決する。「じゃあ、ニートじゃないじゃん」と言われるかも知れない。作品内で、きっちり主人公が突っ込みを入れてくれているので、答えはここでざっくり示そう。

『探偵は自分の足で情報を稼ぎ、事件を暴く』

『ニート探偵は部屋から一歩も動くことなく、世界中を検索し事件を暴く』

 

……作品を読み進めていけば、この説明が何も嘘を言っていないことが分かる。最後の解決以外、探偵であるアリスは一切外に出てこない。恐ろしい話だ。安楽椅子探偵(?)であるミス・マープルですら、それなりに外に出て捜査しているというのに。

現代社会だからこそ成立するミステリーと言えよう。作品内における事件も、現代社会における闇を思い切り濃くした感じの内容となっている。

 

ニート達と出会い、事件に巻き込まれていく一人の男子高校生。主人公ナルミについても紹介しておこう。

彼の特徴の一つとしては、『人間関係の希薄さ』が上げられる。中途半端な時期に転校してきた彼に、クラスメイトの名前を全く覚える気がないことや、クラスメイトに話しかけられた際の返答の力のなさ……などなど、積極的にコミュニケーションを取ろうとしない描写が散見される。

また別の特徴として、(『人間関係の希薄さ』とも繋がるが)『感情の起伏のなさ』も上げられるだろう。《ニート探偵》アリスに「質問がないか?」と聞かれた際、毎日の食事という適当な質問を訊ねている点(もっと聞くことあるだろ! と読者の総突っ込みが入っているはずだ)や、アリスに浴びせられる罵詈雑言に対して全く怒らない点など……彼の心情の起伏は恐ろしいほど平坦だと言える。

さて、これらの特徴を聞いてどう思うだろうか?

良い印象を抱くことはないだろう。良くある無気力系かな? と思われるはずだ。自分もそう思っていた。

そんな彼は同級生の彩夏に連れられ、最初に書いたニート達と出会い、色々と連れ回されることとなる。そうして事件にも巻き込まれていくことになるわけだが、彼は一体どのように事件に向き合っていくのか?

彼が変わろうとして、事件と正面から向き合っていく後半は一気読み必死だ。

 

最後に事件を簡単に説明すると『とある薬物(大麻やMDMAのようなもの)が、街で急激に蔓延し出した』といった事件だ。

そんな事件を解決すべくニート探偵の面々が行動する訳だが、どうやら元仲間が事件に関わっているらしいことが判明して、事件はややこしさを増していく。

重苦しい空気漂う事件と、切ない青春を同時に描ききった物語でした。

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