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【アニメ】「ブギーポップは笑わない」第十三話【感想・解説】

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2019年冬アニメリスト

 

まず最初に

「夜明けのブギーポップ」の物語も今回で完結。この記事を書いている現在、「歪曲王」が既に放映されました。この記事で「歪曲王」について書きたいという気持ちはぐっとこらえます。

ブギーポップがブギーポップとなる。

霧間凪が正義の味方として生きていくことを決めた。

そんな「夜明けのブギーポップ」の物語の結末を、感想・解説を交えて見ていきましょう。

用語・人物解説

霧間 凪

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
  • 絶縁体でできた ”つなぎ” を着ている。今後も戦いの時は、同様の服を着ている。
  • 高圧電撃を放つ改造スタンロッドを武器にして戦う。「VSイマジネーター」では、これを用いて洗脳を解いて回っている。
  • 彼女の弱点は「大切な人に先立たれること」。
佐々木 政則(=モ・マーダー)

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
  • 殺人兵器である彼が、何故霧間凪を守るために行動したか? おそらく、虫のせいだろう。
  • 「ビートのディプリン」では、ビートの師匠として登場する。彼がどのような過去を過ごしたか知りたい場合は、そっちを読んで欲しい。
  • 「注目すべきポイント」では、今後彼がどのような扱いを受けたかを書きたい。
来生 真希子(=フィア・グール)

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
  • 彼女は殺人鬼としてではなく、一人の精神科医として死ぬこととなる。
  • 自転車程度ならば軽く走って追いつける。合成人間達と同等のことができると言えば分かりやすいだろうか。
  • 彼女は全世界を恐怖に陥れて、滅ぼしてしまった可能性もあった。
ピジョン

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
  • 彼女はスケアクロウが好きだった。そのことを自覚したのは、スケアクロウが反逆して殺された後だった。
  • 彼女が死んだ時の顔は、生涯で一番美しいはずの笑顔だった。
  • 彼女は結局の所、統和機構の合成人間としてではなく、人になりたかったのだろう。
宮下 藤花(=ブギーポップ)

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
  • ブギーポップと名乗った初めての ”世界の危機” の物語。彼女の脳裏には、スケアクロウの言葉が浮かんでいた。
  • 霧間凪とは今後、度々会うこととなる。
  • 霧間凪が ”炎の魔女” と名乗り始めるのは、もう少し後だ。

注目すべきポイント

戦いの準備

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

戦闘準備をする霧間凪。……。

霧間凪は戦闘準備を行っている。敵は顎を外し、頭蓋骨を解体し、脳を吸い出すという一連の作業を、迷いなく瞬時に行えるような輩だ。来生真希子が人ではない何かになっているとは知らないと思うのだが、彼女は自転車を改造し速度を上げ、スタンロッドという武器を制作し、準備は万全のようだ。

ここで考えたいのは、佐々木政則が何故、彼女をつけているのか? という点である。

色々と理由は考えられるだろう。霧間凪が犯人の正体に気がついたようなので、尾行することで犯人を見つけようとしている、もしくは彼女を助けようとしている……?

ここでは、度々登場する「虫」という単語に関して、霧間誠一作品の一文が登場している。霧間凪も過去に殺した少年も、この一文より引用していたようだ。その一文とは、

「人間は統一された意思など持っていない。彼の心の中にはでたらめに動き回る無数の虫がいるだけだ。上手い具合に虫が同じ餌に向かっているときはいいが、それらがバラバラになったときに、人は支離滅裂としか言い様のない行動にでる」

『人が人を殺すとき』著:霧間誠一

アニメでも、『人が人を殺すとき』という本が登場している。これは原作を読まなければ、理解できない点だろう。

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
病院にて 霧間凪

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

来生真希子が待っている病院にて、霧間凪が行ったこと。……。

アニメの流れに沿ってではなく、『霧間凪が病院にやって来て、外に出るまでの流れ』に沿ってここでは説明したい。

まず、霧間凪は正統な手続きを踏んで来生真希子に会いに行っている。原作を読んでも、その理由は描かれていない。「自分が死んだ際に、佐々木政則が犯人にたどり着けるようにしている」のでは? と自分は思っている。

内線電話では、ただ「入ってくれ」とだけ言われている。その一言で場所が分かるほど、二人はそれなりに会っていたらしいことが分かる。

そして来生真希子がいるはずの病室へ向かうと、「来生真希子はもう帰った」という話を女医に聞く。

仕方なく帰ってみれば、上から佐々木政則の死体が落ちてきて……。

病院にて 佐々木政則(=モ・マーダー)

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

病院にて佐々木政則が行ったこと。……。

霧間凪と同様に『佐々木政則が病院にやって来て、窓から放り出されるまでの流れ』に沿って説明しよう。

病院に侵入した後、霧間凪がどこへ向かっているかを確認。四階へと向かってみると、来生真希子(実際は違う)と霧間凪が話している場面に遭遇する。

ここで考えないといけないことは「佐々木政則は来生真希子の顔を知らない」ということだ。原作では少し叙述トリックっぽく描かれている場面であるが、アニメでは精神科であった女医の顔を写さない形で表現している。

霧間凪が帰って行く最中、女医を監視すると、巨大なバッグ(原作ではライフル銃)を持って、 ”帰ろうとする霧間凪を狙撃できる位置” へと移動していく。

しかし、病院内に来生真希子しかいない状況で、病院内から狙撃があったとなると、犯人は一目瞭然。警察から全く疑われたことがなかった彼女が、わざわざそんな手を使うとは考えにくい。

そこで佐々木政則は想像する。

あのライフル銃の弾丸が、麻酔弾だったら?

病院前で少女が倒れれば、当然病院に担ぎ込まれ、唯一いる医者である来生真希子の病室に来ることとなるだろう。つい最近まで原因不明の病気が突如として治った彼女が、深夜突然なくなったとしても、事件性を捜査されることはない。

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

佐々木政則はライフル銃を持った女医に襲いかかる。しかし、彼女は来生真希子ではなくピジョンだった(後述)。

来生真希子は二人(佐々木政則とピジョン)二人もろとも殺害し、佐々木政則は窓から放り出される。そこで落ちてきた彼を、霧間凪は見た訳だ。

病院にて ピジョン

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

病院にてピジョンが行ったこと。……。

ここではピジョンが病院で行ったことを流れに沿って説明していこう。

まず、霧間凪と会って、来生真希子は帰ったということを告げる。その際、霧間凪視点からは「来生真希子の同僚か部下」のように見えるように、佐々木政則視点からは「来生真希子」のようになっている。

その後、帰ろうとしている霧間凪を狙撃するポーズを見せる。そんな餌に佐々木政則はまんまと引っかかった。

作戦としては、ピジョン自身が囮としてモ・マーダーを引きつけ、攻撃から逃げられないようにするというもの。

問題は何故そんなことをしたのか?

原作ではスケアクロウを愛していたことが、赤裸々に綴られている。そんな思いに気がついたのは、彼が死んだ後だったようだが。

  • スケアクロウと同じように「統和機構の敵の味方」になりたかった。
  • スケアクロウを殺したモ・マーダーに対する復讐。

理由としてはこの二つだろうか。そんな彼女の弱点につけ込んだのが、来生真希子である。人の弱点が分かる彼女にとって、人の心の隙につけ込むことは容易いだろう。また、精神科医としての知識も役だったかも知れない。

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
霧間凪と来生真希子の戦い

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

最終決戦。……。

霧間凪の自転車は改造されており、バイク相当の速度が出ているらしい記述が原作にはある。そんな速度に走って追いつく来生真希子。流石は進化した人類である。

霧間凪が逃げた理由は「病院の人を巻き込まないため」。自身がピンチだというのに、周りの人の安全を取った訳だ。彼女の強さが伺える。

いつまでも逃げる訳にいかない彼女は、坂道を使って加速し距離を離そうとするも、あまり意味がない。追いつかれた彼女は泥の溜まった水たまりへと追い込まれる。

この霧間凪と来生真希子の戦いで考えて貰いたいのは、「来生真希子は霧間凪に恐怖させたい」ということだ。そう考えると、彼女の行動は色々と納得がいく。

自転車に走って追いついてくる人に、徐々に追い込まれていくと、皆さんはどう思うだろうか?

逃げた先に上から敵が降ってきたら、皆さんはどう思うだろうか?

追い込まれ圧倒的な力で押さえ込まれたらどう思うだろうか?

自分だったら恐怖を感じる。しかし、霧間凪は一向に恐怖を感じず、逃げながら睨みつけてくる余裕がある。

そんな彼女の弱点は「自分の大切な人に先立たれること」。そんなことになるなら自分が死んだ方がマシ……そんな彼女の考え方が、強さの一端を担っているようだ。

恐怖させなければと来生は焦る。凪を動揺させるために「佐々木政則は暗殺者だったこと」「彼は人間ではないこと」「彼を犯人として仕立て上げること」を告げる。

しかし、それでも霧間凪は恐怖しない。ただ、しているのは心配だけ。

決着

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

戦いの決着はあっという間につく。……。

水たまりに追い込まれたことは作戦通りだったようだ。高電圧が出るように改造されたスタンロッドを水面に突き立てる。耐電のつなぎを着ている凪は無傷なのに対し、来生真希子は電撃をモロに喰らった。これが原因で、肉体がボロボロになっていることが後々分かる。

さて、来生真希子視点で考えてみよう。人知を越えた能力を手に入れた彼女は、確実に霧間凪を追い詰めていた。恐怖させる手段としては、何も間違っていないかったはずだ。

しかし、敗北した。

恐怖させようと動いていた彼女が、恐怖を覚えてしまうのも無理はない。圧倒的強者を前に、弱者は大抵恐怖を覚えるものだ。

ブギーポップが終わらせる

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

ブギーポップにより殺される。……。

ブギーポップさんの説明により、来生真希子の肉体のバランスが電撃によって崩されたことが明かされる(さらには進化の倍の速度で体が崩壊している)。そのため、霧間凪に腕を極められただけで、腕が取れたのだ。

おそらく、ブギーポップが何もせずとも、時間経過で死んでいたと思われる。しかし、勝負を挑んだ来生真希子の言葉に応える形で、首を切り落としている。

霧間凪とブギーポップの会話

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(c)上遠野浩平/KADOKAWAアスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

霧間凪とブギーポップは言葉を交わす。……。

ここでは、事件その後を説明しよう。

まず、自室で自殺した連続殺人犯として、佐々木政則は世間に公表された。明らかに他殺だが、自殺として送検されている。統和機構が動いていたようだ。

そんな連続殺人鬼の影響を受けたキャラクターが、事件を起こしたり、人殺しをするようになったりするが、まぁ、それは別作品を読んで確認して貰おう。

末真和子は、事件の次の獲物として調査されていたことを知る。他の犠牲者は生きているのに、自分だけがどうして生き残ったのか? 何故自分が獲物として選ばれたのか? それらの理由を知りたくて、彼女はたくさんの本を読み、 ”博士” と呼ばれるような女子高生となった。

霧間凪とブギーポップに関しては、これまでの「ブギーポップは笑わない」「VSイマジネーター」を見れば分かって貰えるだろう。

この場面でようやく、『ブギーポップ』という言葉が登場する。ブギーポップとして ”世界の敵” と戦う長い戦いが始まっていく。果たして、終わりはあるのだろうか……。

最後に

全ての始まりの物語「夜明けのブギーポップ」の感想・解説が書き上がりました。多数の人物の過去と思惑が入り乱れる物語の理解に少しでも繋がればと思います。この物語の設定が別シリーズで生きてきたり、かなり重要な物語であることが、他のシリーズを読むと分かります。

次は「歪曲王」。予想外の黒幕と、ここで明かされる「世界の敵」の正体などなど、見逃せない展開が続く作品であり、「歪曲王」さんは、その後の作品でも登場してくる大物です。

遅くなりましたが、次の記事も可能な限り早く上げられたらなと思います。

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