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【漫画】SPY×FAMILY2 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

それぞれ秘密を抱えてる

情報

作者:遠藤達哉

試し読み:SPY×FAMILY 2

ざっくりあらすじ

無事にイーデア校に入学することに成功したフォージャー家。次はターゲットであるドノバン・デズモンドに近づくため、次男ダミアン・デズモンドとアーニャを仲良くさせようとするが――

感想などなど

家族との面談にて教師を殴り飛ばしてしまったエージェント《黄昏》。このまま侮辱され続けると、ヨルが殺してしまった可能性もあったことを考えると、これは最善手だった?

結果としてお通夜みたいな感じになってしまったロージャー家。

実は彼がクソ教師をぶん殴った後、ヘンダーソン先生がその男を再度ぶん殴っている。イーデア校としての風格を守るという覚悟と意思の強さの現れだろう。ヘンダーソン先生が初登場した際には、「エレガント」と叫ぶ変な先生だと思ってしまってすいません。あなたは立派な教師だ。

まぁ、そんな先生との縁も、このまま入学することができなければ意味もない。テストを事前に入手していたにも関わらず、あまり試験の点数が振るわなかったアーニャ。教師をぶん殴った父。こうして列挙すると、そんな落ちる要素ばかりが目立つ。

しかしアーニャは(補欠で)合格した。

ギリギリではあるが、家族は継続されることになったのだ。その時の家族の喜びようはかなりのものである。互いに隠し事をしている仮染めの家族だとしても、この短い間に切っても切り離せないような関係性が構築されたのかもしれない。読者としてもこんな打ち切りエンドはごめんである。

そんな喜びを分かち合う家族の様子が微笑ましい。

アーニャはその時にちょうど放映されていたスパイアニメのように、姫となった自分が城に捕らえられ、かっこいいスパイに救出されてみたいとお願いする。いわゆる合格祝いとして、スパイの父親にねだった訳だ。可愛らしいお願いではないか。

その娘の願いに応えるべく、城を貸し切り、スパイの仲間達に招集を掛け、一人で立てこもる娘を救出に向かうロージャー。なんだこれは……そこまでしますか。《黄昏》はいざという時に、ここまでできるだけの力があるんやなと少し感心もしたが、おそらく娘のわがままで尋常ではない大金が動いていることだろう。

まぁ、いっか。楽しそうだし。

 

さて、ロージャーとしての任務は合格してからが本番である。

最終目標は『国民第一党総裁ドノバン・デズモンドに近づいて情報を集める』ことであり、そのためにはアーニャがイーデア校での優等生になる必要があった。どうやら優等生の両親しか参加できない集まりのようなものがあるらしく、そこに参加するのが近道とのことだった。

しかし、入学試験でふるいにかけられ、優秀な人間しか入ることを許されない本学において、優等生になるということは簡単なことではない。とくにアーニャの場合、勉強ができるとは言い難い。事実、作中の授業では大半が寝て過ごしている。入学試験で心を読む手段が通用しなかった辺り、そこまで能力に万能感もない。

そこでロージャーがとった作戦は「ナカヨシ作戦」。

その名の通り、アーニャの同級生として入学する次男ダミアン・デズモンドと仲良くなろうという作戦だ。仲良くなって友達になった暁には彼の家――つまりはデズモンド家に遊びに行き、そこで情報を探ろうという魂胆である。ロージャーとしても、そこまで上手くいくとは思っていないが、いくつもの布石を打っておくことはスパイにとっては基本中の基本。そんなロージャーの心を読んで、ダミアンと仲良くしようとする。

……がしかし。これまでアーニャは友達を作ったことがなかった……その能力故か、阿呆の子過ぎるが故か。そこに追い打ちを掛けるように、イーデア校で生きていくための作法を母ヨルに学んだことが状況を悪化させる。

なんとアーニャ、ダミアン・デスモンドをぶん殴ったのである。

 

どうしてぶん殴るに至ったのかの経緯については、原作を読んで確認してもらいたいところだが、アーニャとて何もしていない相手をぶん殴るような子供ではない。殴るに至るにはそれなりの理由がある。

読者としてはドキドキハラハラ、「アーニャどうする?」と思った矢先の拳である。これは先が読めない漫画になりそうだ。

それにしてもロージャーには頑張って欲しい。心のお医者さんとのことだが、彼がそろそろお医者さんに罹るべきかもしれない。

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