工大生のメモ帳

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【漫画】SPY×FAMILY3 感想

【前:第二巻】【第一巻】【次:第四巻

※ネタバレをしないように書いています。

それぞれ秘密を抱えてる

情報

作者:遠藤達哉

試し読み:SPY×FAMILY 3

ざっくりあらすじ

ロイドとヨルの関係を疑うヨルの弟・ユーリが来訪することになった。いつも通り夫婦の関係を演じようとするが――

感想などなど

「秘密だらけの家族に世界の命運は託された⁉」みたいなキャッチコピーを見た。スパイと殺し屋と超能力者という一触即発の火薬庫みたいな家庭に、できることならば一国の安寧を委ねたくないところだが、どこか別の場所に移すこともできない難儀な火薬庫である。

そんな火薬庫に、大きな火種を抱えた男がやって来た。彼はヨルの弟・ユーリ。両親を早くに亡くし、ヨルとユーリの二人で支えながら健気に生きてきたようだ。その生活はヨルの殺し屋業によって成立していたことを、ユーリは知らない。

ヨルは弟に対して、殺し屋の仕事をしていることを隠していた。回想を見る限り、ヨルは仕事から返り血を浴びた状態で帰宅したりと、普通であれば気づきそうなものだが、とにかく隠していた。

そんな姉に対し、弟であるユーリもまた、姉に対して隠し事をしていた。なんと彼は秘密警察の人間なのだという。彼の仕事ぶりについては第二巻で描かれている。彼の尋問スキルの高さは、その若さでかなりのものであるようだ。

当然ながら、秘密警察とスパイは敵対する二大巨頭。ロイドがスパイであることはバレてはいけない。疑わせてすらいけない。そのとっかかりとして、ヨルとロイドの偽装結婚のこともバレてはいけない。

それは姉であるヨルも同じだ。殺し屋の仕事を続けるために結婚しているなんて言えるはずもなければ、好きでもない相手と一つ屋根の下で過ごしていることが知れれば、相当な怒りを買うと彼女は語った。

そしていざ会ってみると、このユーリ。とんでもないくらいに姉大好きっこであった。「姉が絡むと知能が下がる」「姉のためなら処刑も辞さない」「姉のためなら盗聴器を仕掛けることも視野に入れる」「姉のためなら……(以下略)。

とにかく姉が絡むと色々とダメになる。一年間もの間、結婚の報告をしていなかったことになっているヨルに詰問するユーリは、「忘れてました」と言ってのける姉の言い訳にもなっていない言い訳を「うっかり」で納得するくらいには知能が低下する。ロイドが料理もルックスも完璧さに文句のつけられないことで、酒に逃げるくらいにはダメになっている。

あぁ、ロイドが完璧で良かった。死体が一つ増えるところだった。

 

そんな危機的状況を脱したが、アーニャは星を取ることが急がれた。星とは学業で優秀な成績を収めたりといった功績を上げた学生に、授与されるバッチのようなものだ。これが付いているのと付いていないのとでは、周囲からの視線や扱いも大きく変わってくる。それこそ対象であるドノバン・デスモンズに近づくには、必須ともいえる。

しかしながら学問、運動において優秀……むしろ芳しくない能力をお持ちのアーニャ。無理やりに勉強させるにしても、何か運動を教えるにしても上手くいかない。

体育で行われたクラス対抗のドッチボール対決で、MVPには星が与えられるという噂があった。そこで母ヨルに特訓してもらい、何とか活躍できるようになった……と思われるアーニャ。

ただ思い出して欲しい。ヨルの指導が役立ったことがあっただろうか。

……とにかく失敗したので、次に狙うは奉仕活動によって得られる星。しかしながら、超能力以外の能力が人並みとは言い難いアーニャには、掃除や整頓といった業務の遂行が難しかった。まぁ、小学生には少し頼みたくないような仕事内容ばかりというのは思うが。

それでもアーニャもやるときはやる子だ。あいつにぶつけたパンチのような思いきりの良さで、彼女の超能力で、救えるものもあるのだと彼女は学んだと思う。これからの学園生活に期待である。

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