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さくら荘のペットな彼女2 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

やりたいことは何ですか?

情報

作者:鴨志田一

イラスト:溝口ケージ

ざっくりあらすじ

声優になるために、バイトと声優学校を掛け持ちしながら学校に通っていた青山七海は、三ヶ月分の家賃を延滞したがために、さくら荘へとやって来ることとなった。彼女は椎名ましろと神田空田の関係性を見て、自らがましろ係へと立候補することを決意する。

感想などなど

ゼロからイチを生み出すということは、生半可な覚悟でできるものではない。

椎名ましろは漫画を描くために、一晩中机に齧り付いていた。結果として机の下で丸まって眠り、いつの間にかパンツが消えていたりするが、それは漫画を描くための努力の跡だと思えば、可愛らしいものなのかもしれない。きっと、おそらく。

青山七海の目指す声優業も、二次元上で動くキャラクターに声という名の命を吹き込むという意味で、立派な仕事だと思う。溢れ出しそうな程に増えていく声優をこれから志すというのは、かなり狭き門ではあるだろう。

それでも。

両親に反対されながらも諦めず、家を飛び出し寮に住み、貰えない仕送りの代わりにバイトを続ける。第二巻ではそんな彼女の頑張る姿というものにスポットライトが当てられていく。

あらすじでも示した通り、彼女もさくら荘の住民となる。三ヶ月もの家賃を滞納したという過去は、さくら荘の住民となるには十分過ぎる理由となった。どんな理由があるのかは、家賃の支払いを待つ家主からしてみればどうでもいいのだ。

 

真面目で努力家な彼女は、さくら荘にて椎名ましろと神田空田のただれた関係性というものを知ることとなる。パンツを履かせ、パンツを洗濯させ、パンツを畳ませる関係性について、新たな名前をつける必要性があるかもしれない。

とにかく、青山は神田に対して好意を抱いていたり、そもそもましろのいる二階は女子の場所であって男子禁制というルールが敷かれていたり、さらに女子の部屋に男子がいるなんて言語道断という七海の主張により、ましろを世話する『ましろ係』から神田は下ろされる。

では、誰がましろを世話するか? という話になる。

生活能力をどこかに忘れてしまった彼女に、人間としての生活は不可能であった。朝起きることは不可能、洗濯機ほど難しい機械になると操作に困窮する。掃除といえば水を流すことになっている彼女は、とにかく周囲を水浸しにすることを繰り返した。

何とまぁ、地獄絵図が予想できる。最悪、現代日本の学生寮で餓死してミイラ化した椎名が発見される可能性まである。

美咲にましろを任せると、問題をさらに増やしてしまいそうだから却下。仁さんに任せると保健体育の実技を、二人きりで始めてしまいそうだから却下。先生は合コンで忙しい。赤坂は部屋から出てこない。神田は男性だからという理由で、青山七海により却下された。

もう一人しかできる人はいない。新たな住民としてやって来た青山七海である。

バイトをしながら、声優しながら、学生をするというのは、こうして文章として並べただけでも大変ということは分かって貰えるだろう。そこにましろ係という業務が加わった。

それで疲れないという方が無茶だ。一人で何でも抱え込むというのは、一種の美徳かもしれない。しかし人の頼り方というのも、とてもとても大事なスキルなのだと学ぶことになる。

 

夢を掴んだ人間というのは、皆等しく努力をしているものだ。

第一巻の感想で、天才は凡人の努力を飛び越えると書いた。それは決して間違いではないが、天才も努力をしていない訳ではない。椎名ましろを見て欲しい。絵を描く才能に関しては、誰よりも優れた彼女が漫画を描くためにどれほどの時間を掛けているのかを。

夢のために頑張る姿というのは、やはり格好いいものだ。一つも失敗せずに人生を歩むことができる人間などいない。それでも藻掻き続ける覚悟というものを、第二巻では見ることができる。

そして主人公にとっても大きな飛躍を遂げる展開も待っている。

ゲームを作るためにプログラムを学びつつ、『ゲーム作ろうぜ』という作ったゲームの企画をプレゼンする大会のようなものに応募することに決めた。幸いなことに周囲は天才達が集っている。彼・彼女達の協力により、それなりの資料というものを完成させることができた。

その結果とは如何に……人生そう上手くはいかない、とだけ書いておこう。

やはり夢のために頑張る姿は格好いい。今後も応援したいと思える作品だった。

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