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乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…3 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

破滅フラグは終わってない……

情報

作者:山口悟

イラスト:ひだかなみ

ざっくりあらすじ

最大の危機が去り、無事に友情エンドを迎えることができたカタリナ。はじめて迎える学園祭で大はしゃぎしていたら、調子にのって誘拐までされてしまって…

感想などなど

闇の魔力により眠らされてしまったカタリナ。前世で親友だったあっちゃんの協力もあり、自らの力で眠りから覚め、隠しキャラでカタリナを眠らせた犯人・ラファエルまでも救い出してハーレム要員に追加してしまった。恐ろしい。

こうして皆殺しにされる最悪のルートも回避し、迎えるエンディングは(マリアが)誰とも関係性を結ばない友情エンドであった。まぁ、それもそのはず。攻略対象達はマリアよりもカタリナに好意を示し、主人公のマリアですらカタリナ好き好きなのだから。

友情エンディングと銘打ってはいるものの、実際は(カタリナの)ハーレムエンディングであろう。カタリナのハーレムを構成しているのが男性だけであれば逆ハーレムなのだろうが、女性達もその構成に加わっているのだからややこしい。

ジオルドが婚約者であるはずなのだが、誰もそれを認めていないという奇妙な状況……あれ、あなた一応次期国王候補の王子様ですよね? という困惑が読者の脳裏に浮かぶ。隙あらばイチャイチャしようとし、メアリなどは共に国外逃亡を企てたり、ソフィアはニコルとカタリナをくっつけようと可愛らしい工作を施したり、キースは相変わらず防波弟として頑張っている。

破滅フラグが今度こそ完全にログアウトしたため、第三巻からは平和な世界が続く……とはならないのが、権力闘争の渦巻く王子様達の周囲であった。

 

物語の前半部は、学園祭に参加してハーレムメンバーといちゃいちゃするだけの内容である。それ以下でもそれ以上でもない。これまでと同様、カタリナ目線のアホみたいな行動を眺めつつ、その後ハーレムメンバー達視点でカタリナのアホを眺めていく。年齢はもうそれなりのはずなのだが、精神年齢や学習能力はないに等しく、アホっぷりには磨きがかかっていく。磨きをかける方向性を間違えている気もするが、そこは突っ込んではいけない。

問題は後半部である。なんとジオルド王子の婚約者であるカタリナ様が誘拐されてしまったのだ。するとハーレムメンバー達も黙っているはずがない。怒りというか、もう怒りを越えた何かというか様々な感情がメンバー達の心を支配する。

誘拐されたのだから何をされているか分からない。殺されている可能性も否定できず、既成事実という奴が施されている可能性だってなくはない。想像力というものは嫌な方向へ向かっていくものなのだ。

まあ、そんな心配も束の間。カタリナ様は元気いっぱい、幸せに過ごしていた。

「あなた誘拐されたんだよね?」という読者の問いに、カタリナは「……そういえばそうだった!」と元気よく応えてくれることだろう。冷たい壁に囲われた独房の中で、すやすやと眠り、昼飯時には勢いよく飯を喰らう。なんというかいつも通りの元気なカタリナ様を楽しむことができる。

しかも天然タラシの聖女様の異名も、誘拐相手とか独房の中とかも関係なく発揮されていく。今回の攻略対象は誘拐犯のメンバー全員である。恐ろしい、とりあえず壊滅させたい犯罪者グループがあれば、カタリナを送り込んでおけば問題ないのではないのだろうか。これが本当の無血開城である。

そんな彼女の無意識な攻略を見ながら、「あぁ、彼女は今後も波瀾万丈な人生を、何食わぬ顔で過ごしていくのだろうな」と考える。そして味方を勝手に増やしていくのだろう。そして頑張れ、カタリナの攻略難易度は天元突破しているぞ。

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