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乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…2 感想

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作品リスト

※ネタバレをしないように書いています。

破滅フラグしかないなんて……

情報

作者:山口悟

イラスト:ひだかなみ

2020春アニメ化:第四話

ざっくりあらすじ

頭をぶつけて前世の記憶を取り戻したら、公爵令嬢に生まれ変わっていた。みんなと友好関係を深めつつ、迎えたゲーム本編の舞台である学園の生活がスタート。主人公であるマリア=キャンベルと仲良くなったのも束の間、カタリナの周囲で不可解な事件が……

感想などなど

第一巻の時点で破滅フラグなんてものは消えてしまった。なにせ攻略対象の全員がカタリナに惚れているのだ。ここから破滅しようとする方が難しい気もするが、そんなこと鈍感猿のカタリナが気づくはずもない。彼女の攻略難易度は高すぎて、クソゲー扱いされることだろう。

一番距離が近いはずのキースは手を出すことができずにいるし、ジオルドは数多の妨害を受けつつ「いつでも婚約破棄できますよ!」と元気よく宣言される。アランは恋心を意識せぬように教育という名の洗脳を婚約者に施され、唯一惚れさせることができそうな二コルは王子の婚約者に手を出す気はない(が今後は不明)。

破滅フラグって何だっけ? と首を傾げつつ、始まっていくゲーム本編の学園生活。いい人たち揃いの登場人物達……悪役ってカタリナだけやったんやな、という感慨深いものを感じつつ、ドタバタラブコメディを読み進めていく。

今回RTAしていく対象キャラクターはマリア=キャンベル。平民でありながら光の魔法をその身に宿し、成績も学年第二位。ゲームでは心に闇を抱えた攻略対象達を癒していくメインヒロイン。

ゲームでは主人公だったということもあり、そのルックスはめちゃくちゃ良い。性格も良い。お菓子作りが趣味で、作ってくれるお菓子はプロ級の腕前。努力を欠かさず、ちょっと抜けたところもあるという惚れる要素しかない乙女の鑑。(カタリナがいなければ)惚れてたと皆が皆口にするほどの女性である。

破滅フラグを回避すべく、(無)脳内会議を経て「ずっと一緒にいて仲良くして友達になろう」という計画を立てるカタリナ。いつしか破滅フラグを回避するという目的を忘れ、互いに互いを堕としにかかり、相互に好感度がカンストするという奇妙な状況に陥っていく。

こうして無事にハーレムが完成しました(完)。

 

……というように、ただハーレムを作って終わりではない。というか攻略対象はまだいるのだ。隠しキャラという名の最凶キャラが。

隠しキャラというのは、いろいろな条件をクリアした末に攻略ルートが開くというやり込んだ人しか出会うことの許されないキャラである。しかし残念なことにジオルド王子を攻略することに四苦八苦した(ために徹夜して車に轢かれた)彼女は、隠しキャラの正体を知らないままであった。

つまり破滅フラグを回避するための情報は、『失敗すると皆殺し』という平和な世界に似合わない不穏な情報だけ(あっちゃん談)であった。その失敗に足を踏み込んでしまうフラグを知っていれば、避けようという動きの一つくらいできたかもしれないが、残念なことに最悪なルートというものを読者は見てしまう。

どうにもマリアに降りかかるはずだった災厄がカタリナに向かっているのだ。これまで人の悪意にさらされることのなかったカタリナ。彼女に惚れている面々が、彼女を守るために行動するが、その網をかいくぐり行動する隠しキャラ。

カタリナに恋をしていたという現実を、最悪な状況で再認識させられる攻略対象達。カタリナという存在は、なくてはならない存在へと変わっていたのだ。そんな最高難易度ルートが迎えるエンディングとは一体……このような形の破滅フラグがあろうとは……。

 

作者としては、おそらく第二巻で完結する予定だったのだろうという感じがヒシヒシと伝わってくる。なにせ第二巻で、ゲームでのEDを迎えるのだ。となるとゲーム内の破滅フラグが原因で死ぬことはなくなる。

第一巻と第二巻で奇麗なまとまりを見せた。本作に興味があるという方は、とりあえず第二巻まで読み進めることをお勧めしたい。そして、登場人物達の今後を見たいという方は第三巻以降も買っていくことになるだろう。まぁ、間違いなくそうなるだろうが。

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