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アサシンズプライド7 暗殺教師と業火剣舞祭 感想

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※ネタバレをしないように書いています。

※これまでのネタバレを含みます。

知る覚悟はできたか?

情報

作者:天城ケイ

イラスト:ニノモトニノ

ざっくりあらすじ 

メリダ暗殺決定の命が下された。依頼人であるモルドリュー卿は、《聖騎士》ではないメリダのこれ以上の活躍は望まない、と。自身の暗殺計画など知る由もないメリダは、武具の祭典・鋼鉄宮博覧会でミュールから勝負を挑まれ……

感想などなど

いよいよこの時が来てしまいました。

メリダ暗殺決定の命――いずれは来ると分かっていました。メリダは《聖騎士》ではなく《侍》の位階を発現させていることを隠しているつもりですが、全く隠せていません(ほぼ全ての学院の人が気付いていたことを今回知ることとなる)。噂は噂を呼び、尾びれに背びれを加えていく形で広まっていきます。

依頼人でありメリダの祖父であるモルドリュー卿にとって、この現状というものは黙っていられるものではなかったようで、黎明戯兵団(ウィリアム・ジンの所属する犯罪組織)にまで協力を頼み、メリダを殺す計画を立てているようです。

物語冒頭、ウィリアム・ジン含む人造ランカンスロープ達が一堂に会し、メリダを暗殺するためにどうするか話し合っていました。それを見るに、メリダが参加することになっている鋼鉄宮博覧会にて、あの手この手を尽くしてメリダを殺し、ついでに民間人も皆殺しにして、さらに地下にあるという最高機密を盗んじゃおうという贅沢三昧な犯罪計画を立てているようです。

まぁ、それだけの自信があるということなのでしょう。集った人造人間達は皆、ランカンスロープの力をその身に宿し、そこらにいる兵士程度であれば圧勝できるだけの実力があるのです。もしも彼らが一斉に街を襲おうものなら、ひとたまりもありません。

そんな計画に協力することとなった白夜騎兵団(クーファの所属する組織)。クーファに対して「メリダ暗殺」を命ずる上司……かつて絶対服従を誓った相手に対して、首を横に振ることなどできません。

 

このストーリーにおいて重要なのは、多数いる陣営と関係性の理解です。

クーファのいる《白夜騎兵団》、ウィリアム・ジンのいる《黎明戯兵団》……この二つがメインではありますが、他にもセルジュ=シグザールの率いる《王族陣営》に、暗殺を依頼したモルドリュー卿やメリダのいる聖フリーデスウィーデ女学院、聖ドートリッシュ女学院に、今回初登場であるジャンサリヴァン専門アカデミーというように挙げ連ねていけばこんな感じ……ただの字数稼ぎじゃないですよ。

基本的に作り出された武器を展示している鋼鉄博覧会という祭を楽しんでいるメリダ様視点で物語は進行していきます。そして時折、クーファ視点が挟まるという形で進んでいく。そのため、その他陣営の考えや動きというものは断片的な情報で知ることになる。

冒頭にてモルドリュー卿と《黎明戯兵団》がいつ暗殺を仕掛けるのかまでは明かされていない。クーファは知っている……はずなのだがどうにも釈然としない。ここで多数の陣営が跋扈しているという知識だ。

今回初登場であるジャンサリヴァン専門アカデミーでは、ランカンスロープが学生に戦闘を教えている。つまり教師がランカンスロープであるし、学院長もランカンスロープである。しかも聖フリーデスウィーデ女学院の学院長と、ランカンスロープである学院長とは因縁があるようだった。

聖ドートリッシュ女学院にいるミュールは、メリダに対して勝負を仕掛ける。なんと勝った方がクーファとキスをするのだという。クーファの知らぬ所で、クーファの貞操が危ういことになっていた。

つまりは色々ややこしい。脳内で細かな情報を整理しながら読み進めることをおすすめしたい。

 

今回の話でメリダをとりまく環境というものが大きく変わっていくことになる。例えばメリダは自分が《侍》であるということを同級生達に打ち明けた。皆(反感を持つ人もいたが)彼女の告白を受け入れ、応援すると言ってくれた。

ミュールが本気でクーファを落とそうと画策している。この巻でミュールのことが好きになったという人も多いのではないだろうか。

《黎明戯兵団》と《白夜騎兵団》のダブルスパイをしていたウィリアム・ジンも何やら覚悟を決めた表情をしている。そして意味深に語る「賭けた」という言葉。

また、ウィリアムの過去についても明かされた。何故、人造ランカンスロープになったのか? どうしてクーファに協力しようと考えたのか? 多くの謎に包まれた彼についての情報が明かされる。この巻で大きく印象が変わった一人ではないだろうか。

戦闘シーンは相変わらず格好いい、ほぼ全ての登場人物達に見せ場が有り、ウィリアム・ジンが決めた覚悟など盛り上がる展開が満載。色々と一区切りついた巻だったと言えるでしょう。

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