工大生のメモ帳

読書感想その他もろもろ

【アニメ】「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」第七話【感想・解説】

【前:第六話】【第一話】【次:第八話
2020春アニメ化リスト

 

まず最初に

原作にはない完全アニメオリジナルストーリーが描かれていく第八話。原作既読勢としては「あぁ、二巻の結末で終わりにしたいんだな」とアニメ制作陣営の考えが良く分かります。第三巻以降の内容は、あまり目的というものがはっきりとしない展開が長々と続いていきます。良い切り時なのではないでしょうか。

さて、アニオリということなので解説というよりは感想という点に重きを置きますが、頑張って書いていきましょう。

用語・人物解説

カタリナ・クラエス

f:id:TOkuro:20200620043439j:plain

© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会
  • 扱う魔力は土。ちょっとだけ強くなった「土ボコ」を操る。残念だが優秀とは言えない。
  • 高度な魔法を扱うためには繊細な調整が必要であるらしく。繊細さとは程遠い彼女には到底無理なことであった。
  • 幼い頃から剣術を学んではいるものの、技術もなにもなく勢いだけは良いと褒められ(?)ていた。剣術の先生にすら見放されたとも言う。
炎の魔力

f:id:TOkuro:20200620043919j:plain

© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会
  • ジオルドが扱える魔法。氷の壁を溶かす際に使用した。
  • 王族は元々あまり魔法を使わず、戦う場合には剣を扱うことが多い。あまりの怒りに感情を抑えきれず、魔法を使うだろうが……。
  • 原作においても、ジオルド含め王族の面々が魔力を扱うような描写はほぼない。はめふら原作(見返すとアニメもだった)で初めて登場する魔法は、カタリナの「土ボコ」である。
土の魔力

f:id:TOkuro:20200620044438j:plain

© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会
  • カタリナとキースが扱える魔法。「土ボコ」だけしか扱えないカタリナとは違い、土人形や道のようなものを生み出せるキースは有能である。最底辺と最上級しかおらず、丁度良い感じの人がいないのだろうか。
  • 感情にまかせて暴走させてしまっていた幼少期とは違い、力を制御して誰かの役に立つように扱えるようになっている。カタリナと一緒にいるためにクラエス家跡取りとしての魔力の鍛錬にも励んでいたのだろう。泣ける。
  • この世界の魔法は、このような形以外にも魔道具としても存在している。しかしあまり実世界にまで溶け込んできていない。
風の魔力

f:id:TOkuro:20200620045056j:plain

© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会
  • ニコルとソフィアが扱う魔力。竜巻のようなものを起こしたり、遠くの音を聞くなどの汎用性が高い。
  • 学年二位の実力者というだけあって、ニコルの魔力は相当なもの。ソフィア自身はあまり扱えないと語っているようだが、「土ボコ」しか使えないカタリナと比較すると、ソフィアはかなり扱えると言って良いかもしれない。
  • 一番扱う人口が多いのは土で、風は二限目に多い。しかし、それが強弱とイコールになる訳ではないことはキースを見ていれば分かるであろう。
光の魔力

f:id:TOkuro:20200620045433j:plain

© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会
  • マリアが持っている魔力。主に治癒などを行える。
  • 残念ながら彼女が魔法を使っているシーンはなかったが、彼女が動くことは誰かが傷ついたということを意味するので、彼女は活躍しない展開の方が幸せなのかもしれない。
  • 彼女だけに黒い靄が見えているようだが……?
???

f:id:TOkuro:20200620045700j:plain

© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会
  • カタリナに付きまとっていた黒い靄のようなもの。
  • カタリナ自身は気付いていないようだ。また第六話の終盤で、カタリナに厳しい視線を向けていた女性達の周囲にも、同じような黒い靄が現れているようなシーンが挟まれている。
  • マリアはこれを見えているようだが……?
古代語

f:id:TOkuro:20200620051448j:plain

© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会
  • 日本で言う所の古文のようなもの。学園では必修の科目。
  • カタリナは、テストが終われば学んだことは忘れるという人間社会で苦労しそうな脳の作りをしているので、残念ながら全く読むことができない。
  • 原作では古代語を読むことができないためにかなり苦労する展開が存在する。二期があった際のための伏線として、アニメでも登場したのかもしれない。

注目すべきポイント

前世でのエピソード

f:id:TOkuro:20200620050022j:plain

© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

あっちゃんと前世のカタリナの出会いが冒頭で描かれていく。原作では第二巻で描かれているエピソードであり、ストーリー上でも大きな意味を持つ。

乙女ゲームの世界にやって来てから、色々な人に無駄に優しさを振りまいて救ってきたカタリナであったが、その天然タラシ属性は現世からの引き継いでいたものであったことが描かれる。あっちゃんという孤独なオタクだった彼女を救ったのは、木の上から落ちてきた彼女だった訳だ。

また前世のカタリナが『FORTUNE LOVER』に嵌まっていたのは、この友人あっちゃんからの進めであり、高校合格した際の御褒美として手に入れて遊んでいたゲームであるということも明かされた。

そして意味深に乙女ゲームの世界へと戻り、それまでのシーンはソフィアの夢だったというオチで終わる。その後、カタリナの元へやって来るソフィアが可愛くて好き。

試験

f:id:TOkuro:20200620050708j:plain

© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

ここからは完全アニメオリジナルストーリーとなっていく。原作ではあまり描かれることのなかった魔力を扱うシーンや、アランとメアリの独特な距離感、ソフィアの思いなど見所は満載である。魔力に関しては用語・人物解説にまとめたので、ここでは改めて書くことはない。ご了承願いたい。

試験の内容は『トラップがたくさん仕掛けられた遺跡の中で魔石を見つける』というもの。知識と実技の両方の力を測ることができる試験内容となっている。先生や先輩が配備されているということは、命を落とすことはないようなっているのだろう。

メンバーは『アランとメアリとマリア』チームと、『カタリナとジオルドとソフィアとキース』チームとなっている。カタリナを除いて生徒会メンバーという超優秀すぎるメンバー構成にした先生方の意図は全くもって理解できないが。

インディジョーンズ的なお約束も済ませつつ、それぞれのメンバーの探検は進んでいく。

f:id:TOkuro:20200620051905j:plain

© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

床が落ちるなどかなり危険なトラップの数々。メアリとアランの距離も急接近? いや、残念ながら現状そのようなことはないだろう。ちなみにこの時点ではまだアランはカタリナに対する思いに自覚がない。その原因は、画像にて彼が抱き上げているメアリであることに、彼が気付くことはあるのだろうか。

魔石発見

f:id:TOkuro:20200620052247j:plain

© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

動く必要がないので動いてトラップに嵌まっていたカタリナ。壁に手をついたら危ないということを、彼女は最初の失敗から学ばなかったということである。結果としてキノコを採るための道具として、試験の目的である魔石を入手することに成功。

ニコルとソフィアが風の魔力で聞きつけた声が「キノコ」だったのは、実にカタリナらしい。ちなみにカタリナは過去にキノコを食べて腹を壊したことがある。その失敗を生かそうという意識が芽生えることはないことを、これまでの積み重ねで読者もアニメ視聴者も学んだことだろう。

ソフィアもカタリナを失いたくないがために必死に行動してくれた。可愛い。

謎の影

f:id:TOkuro:20200620052646j:plain

© 山口悟・一迅社/はめふら製作委員会

カタリナとソフィアが謎の竜巻に助けられて、その後映し出された謎の影。助けてくれたのは彼なのだろうか。だとするとカタリナが聞いたという足音の正体もこの影なのだろうか。カタリナを付きまとっていた黒い靄のようなものももしかしてこの影なのだろうか。

様々な疑問が脳裏を飛び交っていることだろう。その真相は第九話にて明かされるのを待つことにしよう。

最後に

あまり書くことはできなかったが、アニオリとしては大満足の内容である。やはり原作に対する理解度が高い。これが正しいアニオリだよな、とブログ主は声を大にして言いたい。

【前:第六話】【第一話】【次:第八話
2020春アニメ化リスト

アニメを見るなら

ブログ主が書いた一巻の感想はこちら

山口悟作品リストはこちら